トヨタ、後付け純正窓口を名称変更　新セキュリティと充電を提供

トヨタとレクサスの純正用品を後付けで提供する新たな窓口 — 名称変更と運営体制

トヨタPR事務局が2025年12月18日13時30分に発表したリリースによると、トヨタ・レクサス・GRの純正オプションを正規販売店で後付けできるサービス「UPGRADE SELECTIONS by KINTO FACTORY」は、同日よりサービス名称を「TOYOTA UPGRADE FACTORY」および「LEXUS UPGRADE FACTORY」に変更しました。サービスサイトは以下のURLで案内されています：https://factory.kinto-jp.com/

名称変更にあたっては、トヨタ自動車株式会社からの業務委託を受け、株式会社KINTOが運営する体制であることが明記されています（＊1）。また、クルマの平均保有期間が長期化する社会情勢を踏まえ、新型車だけでなく現在保有の車両にも最新の安全・環境技術を提供するという目的で、トヨタとKINTOが連携し、保有車へのアップグレード提供の取り組みを深化させる意図が示されています。

サービスの狙いと全国展開の目標

発表資料では、サービス開始から約4年を経て利用実績と販売店ネットワークの整備が進んだことを踏まえ、より分かりやすく安心して利用できるサービス名称に改めたと説明しています。25年度内に全都道府県でのアップグレードサービス提供を目指すこと、また販売面での利便性向上としてオンラインを通じた新車純正用品の後付け提供にも対応を進める旨が示されています。具体例として、発表の直前に発売された新型RAV4についても、本サービスを通じオンライン提供を可能にしていく計画が言及されています。

注記（＊2）として、すでに正規販売店で提供が開始されている「セキュリティシステム プレミアム」については、注文の集中により一時的に注文受付を停止している状況があるため、TOYOTA UPGRADE FACTORYおよびLEXUS UPGRADE FACTORYでの取り扱い開始を26年春頃に予定しているが、遅れが生じる可能性がある点も明示されています。

Smart Upgrade Switchセキュリティシステム — 仕組みと主な機能・対象車種

新名称のスタートに合わせて提供を開始する主力アイテムの一つが「Smart Upgrade Switchセキュリティシステム」です。本システムはスマートフォン連携の利便性と、将来のOTA（無線通信）アップデートに対応する拡張性を備えた後付けセキュリティシステムとして設計されています。専用アプリで一括管理でき、侵入検知やエンジン始動の制御などを行います。

以下に本システムの主要なポイントを整理します。

• エンジン始動ロック：正規キーを持つ状態であっても、専用スマホアプリでの認証または車両ボタンでのPINコード認証がない限りエンジンを始動させない仕組み（CANインベーダーやリレーアタック等の手口に対応）。
• 音声威嚇：不正侵入を検知すると専用スピーカーから音声を発して侵入者を威嚇。
• スマホプッシュ通知：警戒中の乗車（ドアロック解除またはエンジン始動）を検知した場合、Bluetooth® 通信範囲内のオーナーのスマホアプリへプッシュ通知を送信。

対象車種と価格は以下の通りです（税込・作業工賃含む）。対象は所有形態を問わず注文可能となっています。

対象車種

アルファード/ヴェルファイア（2023年6月以降生産分）

ランドクルーザー“300”（2025年3月以降生産分）

ランドクルーザー“250”（2024年4月以降生産分）

価格（参考）

アルファード/ヴェルファイア：68,420円〜（税込・作業工賃含む）

ランドクルーザー“300”：73,920円〜（税込・作業工賃含む）

ランドクルーザー“250”：72,820円〜（税込・作業工賃含む）

製品ページや各車種の詳細な適合情報、申し込みページは以下で確認できます。

• アルファード/ヴェルファイア：https://factory.kinto-jp.com/products/AL004_02/
• ランドクルーザー“300”：https://factory.kinto-jp.com/products/LC301_01/
• ランドクルーザー“250”：https://factory.kinto-jp.com/products/LC207_02/

また、Smart Upgrade Switchセキュリティシステムの紹介動画も公開されています。機能や動作イメージを確認しやすい資料となっています。

上位機種「セキュリティシステム プレミアム」の特長

Smart Upgrade Switchに加え、より高い防犯性能を求める顧客向けに「セキュリティシステム プレミアム」が存在します。こちらは既に2025年10月より正規販売店で用品として提供が開始されていますが、注文数が多く一時的に受付を停止しているため、TOYOTA UPGRADE FACTORYおよびLEXUS UPGRADE FACTORYでの取り扱い開始は2026年春頃を予定している点に注意が必要です（遅延の可能性あり、＊2）。

プレミアムの主な機能は以下の三重防御です。

1. 入らせない：独立したドアロック認証を追加する「ダブルロック」。
2. 動かせない：独立したエンジン始動認証を備えた「セカンドイモビライザー」。
3. 追い払う：バッテリー外しやこじ開け等の異常を検知すると大音量アラームで威嚇する「セルフパワーサイレン」。

対応車種はトヨタ車およびレクサス車を含む幅広いラインナップで、主要な設定価格（いずれも税込・作業工賃含む）はトヨタ車でおおむね185,900円〜204,930円、レクサス車で214,940円〜227,370円のレンジに設定されています。対象車種や価格はリリース本文に詳細が掲載されています。

後付けおくだけ充電（Gen4） — ランドクルーザー“300”向けの利便性向上アイテム

もう一つ、今回提供開始となった注目アイテムは後付けタイプのワイヤレス充電トレイ、「後付けおくだけ充電（Gen4）」です。センターコンソールのトレイをQi規格対応の充電トレイに交換することで、走行中にスマートフォンを置くだけで充電が可能となります。

本アイテムも所有形態（個人所有、サブスク等）を問わず注文可能です。ふたを閉めると外観もすっきりし、配線の煩わしさから解放されます。対象車種と価格は下記の通りです。

対象車種

ランドクルーザー“300”（2021年4月以降生産分）

価格（参考）

26,400円（税込・作業工賃含む）

詳細・申し込みはこちらの製品ページで確認できます：https://factory.kinto-jp.com/products/LC301_02/

まとめ：提供アイテムと主要ポイントの整理

ここまでの発表内容を表にまとめ、主要なポイントを整理します。以下の表にはサービス名称変更、各製品の対象車種、価格、提供時期・留意点、関連リンクを網羅しています。

今回の発表は、既存車両にも純正オプションを後付けできる体制を明確化し、わかりやすいブランド名へ移行することで利用者の利便性向上を図るものです。新規に開始されたSmart Upgrade Switchや後付けワイヤレス充電は、特定車種向けに導入しやすい価格設定で提供されており、今後TOYOTA UPGRADE FACTORYおよびLEXUS UPGRADE FACTORYを通じて取り扱いが拡大される見込みです。参考情報や申し込みは公式サービスサイト（https://factory.kinto-jp.com/）をご参照ください。

注記：＊1 TOYOTA UPGRADE FACTORYおよびLEXUS UPGRADE FACTORYは、トヨタ自動車株式会社から業務委託を受け、株式会社KINTOが運営しています。＊2 セキュリティシステム プレミアムについては、正規販売店での提供において多数の注文を受けているため、一時的に注文受付が停止されており、TOYOTA UPGRADE FACTORYおよびLEXUS UPGRADE FACTORYでの提供開始は26年春頃を予定しているが遅延の可能性があります。