広告費ゼロで挑む統合美容学　VIEOTYがグランドローンチ

美容師HERAIが描いた「統合美容学」とVIEOTYのグランドローンチ

表参道で14年、1万人以上の髪と肌に向き合ってきた美容師HERAI（戸来 正博）が、自ら開発・運営するD2CブランドVIEOTY by HERAI（ヴィオティー バイ ヘライ）は、2025年11月13日の第2弾製品「ハーモニーウォッシュ」発売、2025年12月11日のオウンドメディア「Note」開設を経て、ブランドのエコシステムが完成したとして「VIEOTY グランドローンチ」を宣言しました。

HERAIは従来の「髪用」「顔用」「体用」といった部位別の製品区分や、製品を数多く重ねることで美を得るという市場の慣習に対して疑問を呈し、髪・肌・心を一つに捉える「統合美容学」を提唱しています。ブランドの根幹には、ケラチンなど共通の成分に基づく連動性と、日常のQOL（生活の質）を上げるケア体系の設計があります。

3ステップで18役を担うプロダクト設計と価格体系

VIEOTYは単なるオールインワン（時短）ではなく、フレンチのフルコースのように各ステップが連動して効果を高める「統合システム」としてプロダクトを構成しています。Basic Lineとして提示されたのは、3つのコアステップ「Bloom Course（美刻ケアの核）」です。

各ステップはそれぞれ複数の従来製品の役割を兼ね、合計で18種の役割をカバーします。以下に各製品の要点を一覧で示します。

• STEP 1 [Amuse] HARMONY WASH（ハーモニーウォッシュ）：500ml、価格13,500円。役割4in1（シャンプー／洗顔料／ボディソープ／ボディローション）。アミノ酸系洗浄成分とラメラ液晶構造を採用し、「美容液で洗う」使用感を目指す。ダマスクローズ精油とヨーロッパ産ラベンダーのデュオを配合。
• STEP 2 [Main] CREAM（クリーム）：100g、価格9,330円。役割9in1（化粧水／乳液／美容液／エイジングケアクリーム*／ネック・ハンドケア／イン・アウトバスヘアトリートメント）。ヒト型セラミドや羽毛由来ケラチンを配合し、髪と肌のバリア機能を同時に支える。
• STEP 3 [Dessert] DRESS GLOW（ドレスグロウ）：艶めく仕上げを担う製品で、役割5in1（ヘアスタイリング／フェイスパック／ハリ・弾力ケア／リップケア／ネイルケア）。発売は2026年3月予定。

これら3ステップで、従来は別製品で賄われていた18の機能を統合することが狙いです。さらに将来的なエコシステムとして、カスタマイズ美容液や飲むインナーケア、肌呼吸を妨げないファンデーションなどのラインナップを準備中です。

1. Sauce：LUMINA DROP ∞（いつものケアに一滴のカスタマイズ美容液）
2. Inner Care：ELIXTEA（心と体を整える、飲む美の霊薬）
3. Outer Care：AURA COVER SERUM（肌呼吸を妨げないトリートメントファンデーション）

共創コミュニティと資金調達の仕組み：顧客が投資家となるモデル

VIEOTYの特徴の一つは、顧客が単なる購買者ではなくブランド開発に関与する「共創」の構造です。共創コミュニティは完全招待制の非公開コミュニティVIEOTY Beauty Garden（VBG）として運営され、コアメンバーとHERAIの間で3ヶ月にわたり約20万文字のテキストと6時間を超える音声メッセージが交わされました。これらの対話が製品仕様や使用感、哲学の言語化に反映されています。

さらに、公認アンバサダーであるVBA（VIEOTY Beauty Ambassador）やVBGメンバーには金銭的報酬は支払われていません。金銭ではなく「信頼」と「共感」による関係性でブランド発信が行われる点が、一般的なインフルエンサーマーケティングと明確に異なります。

資金調達の実際と価格方針

開発費はサロンワークの収益を投じる自主調達が基本です。第2弾製品である「ハーモニーウォッシュ」の製造費は、サロンの顧客を中心とした9名の熱狂的なファン（投資家）による応援プロジェクトで賄われました。銀行融資やクラウドファンディングを利用せず、顧客の「応援購入」や個人投資によって製品化する形を採用しています。

ビジネスモデル面では広告宣伝費や中間マージンを廃し、その分を原価（製品中身）へ還元しています（※1）。その結果、同等の主要成分を持つラグジュアリーブランドと比較して市場相場の2分の1以下の価格設定を実現したとしています（※2、2025年12月自社調べ）。

※1

広告宣伝費や中間マージンを全廃：2025年12月時点。有料広告媒体への出稿実績なし。

※2

市場相場の2分の1以下：同等の主要成分を配合した百貨店展開ブランドの平均価格帯との比較（自社調べ、2025年12月）。

クリエイティブの自主制作とブランドの歩み、用語解説

HERAIは商品開発だけでなく、企画、撮影、Webコーディングなど制作工程のほとんどを自ら手がけています。日中はサロンワーク、夜間や早朝に処方設計や撮影、WEB制作を行い、制作時間は300時間以上に達しました（※3）。製造と配送を除く工程を外注せずに100%セルフクリエイティブで進めることで、ブランドの世界観における妥協を最小化しています。

VIEOTYのこれまでの主な歩みは以下の通りです。重要な日付を時系列で整理します。

• 2025.03.10：ブランド誕生（天赦日・一粒万倍日）
• 2025.05：共創コミュニティ「VIEOTY Beauty Garden（VBG）」開園
• 2025.10.01：VBA（アンバサダー）ブログ開始
• 2025.11.13：9名の応援投資で「ハーモニーウォッシュ」発売、公式サイトリニューアル
• 2025.12.11：オウンドメディア Note「HERAIの書斎」始動

以下はブランドが用いる主な用語とその意味を整理したものです。用語を理解することで、VIEOTYの思想と実践がより明確になります。

VIEOTY（ヴィオティー）

フランス語の「Vie（人生）」と英語の「Beauty（美）」、および「Euphoria（多幸感）」を融合した造語。ブランドメッセージ「美しく、幸せな人生を」を象徴する名称。

美刻（Bikoku）

VIEOTYが提唱する美容哲学。単なる時短ではなく、ケアの質を高めることで「自分を慈しむ美しい時間を刻む」ことを目的とする概念。

統合美容学

髪・肌・心を一つながりのシステムとして捉え、包括的にケアするメソッド。

VBG（VIEOTY Beauty Garden）

ブランド思想に共鳴し、開発プロセスに関与する非公開の共創コミュニティ。

VBA（VIEOTY Beauty Ambassador）

金銭的報酬を受けず、純粋な愛用品としてVIEOTYを発信する公認アンバサダー。

カーリージュエラー™（Curly Jeweler）

くせ毛を「直すべき欠点」ではなく「磨けば輝く宝石」とするHERAI独自のスタンス。

※3

300時間：企画構想から実装完了までの概算作業時間（自社計測）。

要点の整理（表形式）

以下に本記事で触れた主要事項を表として整理します。製品情報、価格、発売日、コミュニティ／資金調達、販売ルート、問い合わせ先などをまとめています。

以上が、HERAIが設計したVIEOTYの理念、製品構成、コミュニティ運営、資金調達とクリエイティブ体制の要点になります。ブランドは「髪と肌はひとつながりのシステムである」という前提のもと、広告費や中間マージンを排したリソース配分により、製品中身に重点を置く方針を取っています。