1/29発売『どうすればよかったか?』書籍化とアンコール上映

書籍刊行とアンコール上映

開催日:1月29日

書籍刊行とアンコール上映
この本って映画と何が違うの?
映画は映像で見せる断片的な記録を通じて問いかけるが、本書は監督自身の言葉で映画に入れられなかったショッキングな事実や内面の葛藤、家族史を時系列で詳述し、映像では伝わりにくい背景や心情を深く補完します。
いつ買えて、上映はいつどこで見られるの?
書籍は2026年1月29日発売。アンコール上映は東京ポレポレ東中野が1月24日開始で同館では先行販売あり。大阪第七藝術劇場は1月31日から公開。全国の劇場や書店、公式サイトで詳細を確認できます。

20年にわたる家族記録が投げかける問い

株式会社文藝春秋は、ドキュメンタリー監督・藤野知明さんの新刊『どうすればよかったか?』を2026年1月29日に発売すると発表しました。発表は2025年12月19日06時00分付のプレスリリースによるもので、同社(本社:千代田区紀尾井町 社長:飯窪成幸)が刊行を担当します。本書は、2024年に公開され大反響を呼んだ同名ドキュメンタリー映画の書籍化です。

映画は藤野監督が20年にわたって自身の家族にカメラを向け続けて記録した記録映像をもとに制作されたもので、公開以降口コミで広がり、2025年12月18日時点で動員数が16万人を突破するなど、ドキュメンタリーとしては異例のヒットを記録しました。本書は映画で描き切れなかった事実や監督の率直な言葉を通じて、家族について、人生について、そして『どうすればよかったか?』という問いを読者に提示します。

大ヒットドキュメンタリー映画『どうすればよかったか?』の書籍化が決定!〈書籍刊行記念アンコール上映も全国で開催〉 画像 2

書籍の構成と収録内容 — 映像に収まりきらなかった言葉

書籍版『どうすればよかったか?』(藤野知明 著)は、映画では割愛したショッキングな事実や、監督が姉や両親と過ごした時間の中で抱いた悲しみ、怒り、混乱、葛藤、喜び、希望などを文章としてまとめた一冊です。映像の断片では伝えきれない細部や内面が、著者自身の言葉で綴られています。

書籍は時系列で章立てされ、家族の歴史を追体験できる構成になっています。以下に目次をそのまま掲載します。

  • はじめに
  • 第一章 子供時代の思い出(1966〜1982)
  • 第二章 混乱の日々(1983~1992)
  • 第三章 家族と離れて(1993~2000)
  • 第四章 家族との対話(2001~2008)
  • 第五章 時間を取り戻す(2009~2021)
  • 第六章 姉のいない時間を生きる(2022~2025)
  • おわりに

書籍の章立ては、監督が記録した映像の時間軸に沿っており、発症前後の家族の変化、両親の判断とその影響、弟としての視点からの葛藤を丁寧に辿ります。映画で示された場面を補完する形で、語られる私的な記憶が読者に新たな視座を与えます。

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書籍仕様の詳細

文藝春秋による刊行に際して、判型や価格などの仕様が明記されています。発売日や定価といった消費者にとって重要な情報も確認できます。

項目 内容
書名 『どうすればよかったか?』
著者 藤野知明
判型 四六判並製カバー装
ページ数 200ページ
発売日 2026年1月29日
定価 1,650円(税込)
出版社 株式会社 文藝春秋
ISBN 978-4-16-392064-1
書誌URL https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163920641
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映画『どうすればよかったか?』の経緯と社会的反響

映画『どうすればよかったか?』は、姉が統合失調症の症状を示し始めた日から18年後に、映像制作の経験を持つ弟である藤野監督が帰省ごとに家族の姿を記録し始めたことから制作されました。医師でもある両親は姉の症状を認めず、精神科受診から遠ざけ、やがて玄関に鎖と南京錠をかけて姉を閉じ込めるという対応に至ります。その記録は社会に対する深い問いを呈しました。

2024年12月の公開直後、口コミが広がり全国の映画館で満席や立ち見が続出。2025年12月18日時点で動員数は16万人を突破し、ドキュメンタリーとしては例外的な興行成績を残しています。作品は国内外の映画祭でも上映されており、山形国際ドキュメンタリー映画祭(日本プログラム)、座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル(コンペティション)、台湾国際ドキュメンタリー映画祭、フランクフルト・ニッポンコネクションなどで紹介されました。

大ヒットドキュメンタリー映画『どうすればよかったか?』の書籍化が決定!〈書籍刊行記念アンコール上映も全国で開催〉 画像 5

映画の主題と問い

映画は「家族とは何か」「人生とは何か」「どうすればよかったか?」という正解のない問いを、観客に突きつけます。監督は家族と向き合う中で分かり合えなさを記録し続け、スクリーンを越えて読者の奥底に響く表現を目指しました。

映画の仮題は『姉が統合失調症を発症し、考えたこと』であり、書籍はその仮題の内容をほぼそのまま文章化したものだと監督自身が述べています。映像と文章、それぞれのメディアが補完し合うことで、同じ出来事に対する異なる側面がより明確になります。

大ヒットドキュメンタリー映画『どうすればよかったか?』の書籍化が決定!〈書籍刊行記念アンコール上映も全国で開催〉 画像 6

アンコール上映と著者の言葉、著者プロフィール

書籍刊行に合わせて、映画のアンコール上映が全国で行われます。東京ポレポレ東中野では2026年1月24日(土)から上映が始まり、1月24日からの上映時には書籍の先行販売が行われます。大阪の第七藝術劇場では1月31日(土)から公開されます。ほかにも横浜シネマリン、神戸 元町映画館、京都 出町座、広島 横川シネマ、福岡 KBCシネマ1・2など全国各地で順次公開されます。

また、東京ポレポレ東中野では1月25日(日)、大阪第七藝術劇場では1月31日(土)に藤野知明監督による舞台挨拶が予定されています。上映情報の詳細は公式サイトにて案内されます。公式サイトは https://dosureba.com、アンコール上映予告篇はYouTubeにて https://youtu.be/yeFPky2qOIA で公開されています。

著者・藤野知明のコメントおよびプロフィール

藤野監督は書籍化にあたり、「映画では省略したことを文字にする機会を得たので、家で何が起きていたのか、私が何を考えていたのか、まとめました」とコメントしています。また、映画を観た一部の感想に対し、発症前の家庭に激しい口論はほとんどなかったが、姉の状況に変化が生じてから激しい口論が起きるようになったと説明しています。こうした本人の言葉が書籍には詳細に綴られています。

藤野知明(ふじの・ともあき)は1966年北海道札幌市生まれ。北海道大学農学部林産学科を7年かけて卒業後、横浜で住宅メーカーに営業として2年勤務。1995年に日本映画学校映像科録音コースへ入学し、千葉茂樹監督との出会いを経て短編ドキュメンタリー制作に参加。卒業後は近代映画協会でTV番組やPVのアシスタントディレクターを務め、CGやTVアニメ制作会社、PS2用ソフト開発会社に勤務しながら映像制作を続けました。2012年に家族の介護のため札幌へ戻り、2013年に淺野由美子と「動画工房ぞうしま」を設立。マイノリティに対する人権侵害をテーマにした映像制作を行っています。

監督の主な作品には短編ドキュメンタリー『八十五年ぶりの帰還 アイヌ遺骨 杵臼コタンへ』(2017)、長編ドキュメンタリー『とりもどす』(2019)、『カムイチェㇷ゚ サケ漁と先住権』(2020)、『アイヌプリ埋葬・二〇一九・トエペッコタン』(2021)などがあります。現在手掛けているプロジェクトには『アイヌ先住権とは何か?ラポロアイヌネイションの挑戦(仮)』や、サハリンを再取材して先住民ウィルタ民族の故ダーヒンニェニ・ゲンダーヌさんに関するドキュメンタリー制作が含まれます。プロデューサー、撮影、編集を務めた淺野由美子監督作品『遊歩 ノーボーダー』が2026年劇場公開予定であることも明記されています。

この記事の要点まとめ

以下の表は、本記事で取り上げた主要な情報を整理したものです。書籍の発売日、仕様、映画の動員実績、アンコール上映スケジュール、関連リンクなどを一覧で確認できます。

項目 内容
発表元 株式会社文藝春秋(本社:千代田区紀尾井町 社長:飯窪成幸)
プレス発表日 2025年12月19日 06時00分
書名 『どうすればよかったか?』
著者 藤野知明
発売日 2026年1月29日
判型・装丁 四六判並製カバー装
ページ数 200ページ
定価 1,650円(税込)
ISBN 978-4-16-392064-1
映画動員数(公表時点) 16万人(2025年12月18日時点)
映画公開時期 2024年12月公開(初公開)
アンコール上映開始(主な劇場) 東京 ポレポレ東中野:2026年1月24日、書籍先行販売あり。大阪 第七藝術劇場:2026年1月31日。ほか横浜シネマリン、神戸 元町映画館、京都 出町座、広島 横川シネマ、福岡 KBCシネマ1・2 等
舞台挨拶 東京ポレポレ東中野:1月25日(日)、大阪第七藝術劇場:1月31日(土)
公式情報 https://dosureba.com / 予告篇:https://youtu.be/yeFPky2qOIA
書誌URL https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163920641

書籍と映像、それぞれの形式で同一の出来事に異なる光が当てられています。本文では、映画で示された映像の背景にある家族の歴史や監督自身の内省が詳細に述べられており、家族に関する問いを読者に投げかける構成となっています。刊行とアンコール上映により、作品に接する機会が拡大しますので、公式サイトや関連リンクで最新の上映情報を確認することができます。

参考リンク: