12/26発売『看板建築』新版で昭和商店を巡る
ベストカレンダー編集部
2025年12月19日 21:12
看板建築 新装改訂版発売
開催日:12月26日
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昭和の表情を読み解く──シリーズ再始動と新装改訂の意義
2019年に刊行され、重版を重ねてきた『看板建築』が、新装改訂版として2025年12月26日(金)に発売されます。刊行元は東京都千代田区の株式会社トゥーヴァージンズで、同社は本書をシリーズ<味なたてもの探訪>の最新刊として位置づけています。本書は、過去刊本の内容を踏まえつつ、新たな取材と情報の更新を加えた改訂版です。
本書の再編集にあたり、横須賀の看板建築「みどり屋」や、看板建築群で知られる茨城県石岡市の街並みなど、新規取材を加えたことが明記されています。また、クラウドファンディングで話題となった秩父の「パリー食堂」についても再取材を行い、最新の状況を反映しています。こうした取材の追加は、単なる写真集の更新にとどまらず、看板建築とそこに暮らす人々の時間軸を改めて描き出すことを目指しています。
再刊が意味するもの
看板建築という形式は、関東大震災後の復興期に多く現れた木造2〜3階建ての商店兼住宅を、正面だけ耐火素材で覆って装飾をほどこした建築を指します。名称は建築史家・建築家の藤森照信氏が付したものであり、本書は藤森氏の推薦を受けています。藤森氏は序文の一節で、昭和のはじめに東京下町を埋め尽くした個人商店の様相が、本書に記録されていることを指摘しています。
改訂版では、現存物件の現況把握に加え、閉業・解体してしまった看板建築のアーカイブも収録することで、消えゆく街の記憶を保存する試みが一層強化されています。写真とテキストを併用して、生活史としての建築を再提示する構成になっています。
収録内容の全貌──インタビュー、フォトアーカイブ、コラムの詳細
本書は、関東圏を中心に現存する看板建築のうち11軒を選び、各家主へのインタビューを軸に構成されています。商店としての営みと住宅としての暮らしが表裏をなす看板建築ならではの〈なりわい〉の語りが収められており、それぞれの店の歴史や職人技、地域との関係性が丹念に記録されています。
インタビューは現地の生活者の言葉を中心に据え、個別の店舗の背景や商いの変遷、日常性を浮き彫りにします。取材対象には、既に閉業した店舗の記録も含まれ、失われた文化の記録としての側面も持ち合わせています。
収録インタビュー一覧
- 01 夜の街に華やいだ洋食店 パリー食堂(秩父) — クラウドファンディングで注目を集めた店を再取材
- 02 祭り文化を伝える呉服店 みどり屋(横須賀) — 新規取材で掲載
- 03 最先端の技術を支える刷毛屋 江戸屋(日本橋)
- 04 築地から世界へ広がる食器店 一不二(築地)
- 05 東大生に愛された老舗喫茶店 万定フルーツパーラー(閉業)
- 06 仕立て屋を支える服飾資材店 岡昌裏地ボタン店(神田)
- 07 建築に惹かれる歯科医院 山本歯科医院(神田)
- 08 会いに行きたくなる理容店 藤太軒理容所(西多摩)
- 09 参道で時を刻む複合商業施設 湯浅物産館(鎌倉)
- 10 海のそば、光が差し込む写真館 星野写真館(鎌倉)
- 11 心と体をゆるめる街の銭湯 たから湯(秩父)
上記11軒は、看板建築が商いと暮らしを合わせ持つことを示す具体例として取り上げられています。各項では外観写真に加え、内部の使われ方や店主の語りを通じて、昭和期からの時間の積み重ねが表現されています。
フォトアーカイブと地域別記録
写真パートは、現存する物件の一覧と、閉業・解体した物件のアーカイブを含めて構成されています。地域別に分けたフォトアーカイブは、都市の固有の景観を比較できるよう整理されています。
- 中央区(日本橋エリア)
- 中央区(銀座/築地/新富町/入船/八丁堀エリア)、中央区(月島/佃エリア)
- 文京区(根津/本郷/小石川エリア)
- 千代田区(神田エリア)
- 台東区(上野/東上野/台東エリア)、台東区/墨田区(浅草橋/鳥越/小島/横網エリア)
- 東京の祭りと看板建築
- その他(港区/鎌倉/小田原エリア)
これらの地域別アーカイブは、街ごとの特色や装飾の違い、材料や職人の技の差異を視覚的に比較できるよう編集されています。現存する物件の見学可能リストも収録されており、保存状況の把握や研究、保存活動の手がかりとなる内容です。
コラムで読む意匠と技術
本書は読み物としてのバリエーションも豊富に用意しています。看板建築をパーツごとに解説する図解や、リノベーションやアンティークガラスに関する考察、職人技の継承についてのルポなど、多角的に楽しめる構成です。
- コラム一覧
- 01 おいしい看板建築 受け継がれてきた店の味
- 02 わたしは看板建築 屋号コレクション
- 03 意匠を楽しむ看板建築 パーツ図解①
- 04 匠を楽しむ看板建築 パーツ図解②
- 05 生まれ変わる看板建築 リノベーションの話
- 06 ガラスに魅せられる看板建築 希少価値の高いアンティークガラス
- 07 会いに行ける看板建築 江戸東京たてもの園
- 08 関東周辺の看板建築 石岡・諏訪
- 09 職人技を伝える看板建築 石岡・土屋家住宅
- 10 立面図でみる看板建築 珠玉の名作 4 選
コラムは図版や写真を交えつつ、装飾要素や素材、関係する職人の仕事にまで踏み込んだ解説を行っています。建築を単なる背景としてではなく、文化と技術の凝縮として読ませる内容です。
取材と推薦、刊行の実務情報
本書は監修に萩野正和氏を迎え、監修体制の下でまとめられています。藤森照信氏の推薦文が収録されており、看板建築の歴史的・文化的価値が専門家の視点からも支持されていることが明示されています。
発表元の株式会社トゥーヴァージンズは、2025年12月19日17時00分に本書の刊行情報を発表しました。刊行日は2025年12月26日(金)ですが、発売日は地域によって異なる場合がある旨が注記されています。
刊行に関する基本データ
- 監修:萩野正和
- 定価:2,400円(本体2,200円+税)
- 仕様:A5判/並製/208頁/オールカラー
- ISBN:978-4-86791-069-6
- 発売日:2025年12月26日(金)※発売日は地域によって異なる場合があります
- 発行:株式会社トゥーヴァージンズ(東京都千代田区)
販売関連の案内として、関連リンクが提示されています。流通や通販での取り扱い状況は各販売サイトにより異なりますが、書誌情報とISBNの記載により図書館や書店での注文が可能です。
まとめ:本書の構成を一覧にして振り返る
本章では本書で扱われている主要なデータと収録項目を表で整理しています。収録インタビュー、フォトアーカイブ、コラム、刊行情報を一目で確認できるようにまとめました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書名 | 『新装改訂版 看板建築 昭和の商店と暮らし』 |
| 刊行日(発表) | 発表:2025年12月19日 17:00、発売:2025年12月26日(金)※地域差あり |
| 発行 | 株式会社トゥーヴァージンズ(東京都千代田区) |
| 定価・仕様 | 税込2,400円(本体2,200円+税)/A5判/並製/208頁/オールカラー |
| ISBN | 978-4-86791-069-6 |
| 監修 | 萩野正和 |
| 推薦 | 藤森照信(建築史家・建築家)推薦文を収録 |
| 収録インタビュー(11軒) | パリー食堂(秩父)、みどり屋(横須賀)、江戸屋(日本橋)、一不二(築地)、万定フルーツパーラー(閉業)、岡昌裏地ボタン店(神田)、山本歯科医院(神田)、藤太軒理容所(西多摩)、湯浅物産館(鎌倉)、星野写真館(鎌倉)、たから湯(秩父) |
| フォトアーカイブ | 中央区(日本橋・銀座・築地など)、文京区、千代田区、台東区・墨田区、東京の祭り、港区、鎌倉、小田原、石岡・諏訪など |
| コラム(10本) | 店の味、屋号コレクション、パーツ図解、リノベーション、アンティークガラス、江戸東京たてもの園、石岡・土屋家住宅、立面図で見る名作等 |
| 関連リンク | https://amzn.asia/d/3dh6fu0 |
本書は、看板建築を単に建物として見るだけでなく、その内部で営まれてきた商いと生活を通じて、昭和の都市生活の質感を伝えることを目標としています。アーカイブ資料としての側面と、現地取材に基づく生の声を併せ持つ一冊として、当時の街並みや職人的ディテールを記録・再提示する構成です。
以上の内容は、刊行元が公表したプレスリリースの全情報に基づいて整理しました。発行・流通に関する詳細や入手方法は記載のISBNや出版社情報を参照してください。