auスターリンク対応機種まとめ:iPhone・Pixel・Galaxyの対応状況

auスターリンク対応機種まとめ:iPhone・Pixel・Galaxyの対応状況
対応機種って具体的にどれ?
主にApple(iPhone 13以降、特に14〜17世代)、Google Pixel(7/8/9系)、Samsung Galaxy(S/Fold/Flipの最新世代)を中心に63機種以上、約800万台規模で対応が拡大中。機種ごとに機能差やOS要件があるため、必ずau公式の対応機種一覧で最新情報と必要なOSバージョンを確認してください。
衛星モードで何ができて何ができない?
衛星モードはテキスト送受信と位置情報共有が基本で、一部Android機種では写真添付や特定アプリのデータ通信も可能。逆に音声通話・着信転送・スマートウォッチ着信は原則不可。開けた場所と最新OSが前提で、遮蔽物や悪天候で接続不可になる点に注意してください。

まず知っておきたい:auとStarlinkが実現した「どこでもつながる」体験

サービスの概要と実装の背景

2025年4月10日、KDDI(au)はSpaceXのStarlink衛星を利用したスマートフォン向け直接通信サービスを国内で開始しました。空が見える環境であれば、従来のau 5G/4G LTEエリア外でもテキストメッセージを送受信でき、緊急時の位置情報共有や一部の緊急速報の受信が可能となる点が大きな特徴です。これにより、山間部や島しょ部、海上やキャンプ場など、これまで通信が届きにくかった場所での“つながり”が大幅に改善されます。

このサービスは、従来の地上網と異なり、低軌道(LEO)のStarlink衛星とスマートフォンが直接通信することで成立します。従来のStarlinkは地上のStarlinkアンテナを介したインターネット接続が中心でしたが、本サービスではスマホと衛星の直接通信を実現している点で技術的に一線を画します。KDDIは周波数割当やSpaceXとの技術調整を進め、既存のauの周波数を衛星通信用に活用することで実現しています。

サービス開始からの拡大の軌跡

サービス開始当初は対応端末が限定的でしたが、その後急速に対応機種が拡大しています。開始直後の発表では約50機種・約600万台規模とされていましたが、2025年5月には追加で13機種が認定され、対応機種は63機種・800万台以上へと拡大しました。さらに、2025年8月には一部Android機種でデータ通信(特定アプリの利用)も提供開始となり、より実用的な利用が広がっています。

KDDIによる公式情報は随時更新されています。最新の対応機種リストや仕様はau公式サイトの情報を参照してください(例:au Starlink Direct 公式ページ)。また、対応端末追加に関する正式発表はKDDIのニュースリリースに詳細が掲載されています(例:KDDI News Room:対応機種追加の発表)。

衛星モードとは何か

「衛星モード」とは、スマートフォン画面のステータスバーに人工衛星アイコン(Android)や「衛星」の文字(iPhone)が表示され、Starlink衛星と直接通信できる状態を指します。対象端末がau 5G/4G LTEエリア外に移動し、かつ空が見える場合に自動で衛星モードに切り替わる仕組みです。

ただし、衛星モードではいくつかの機能制限があり、音声通話(音声発信)は未対応、着信系の留守電や着信転送、スマートウォッチ(ナンバーシェア)での着信も衛星接続中は利用できません。利用時はこれらの制約を理解したうえで、テキストや位置情報共有を中心に活用することになります。

具体的な対応端末と確認すべきポイント

対応機種の分類と主要ブランド例

対応端末は大別して、au/UQ mobileで購入した端末と他社で購入した端末(SIMロック解除済やeSIM対応端末を含む)でリストが分かれています。主要ブランドとしてはApple、Google、Samsung、SHARP、Sony、Xiaomi、KYOCERA、FCNTなどが挙がっており、一部機種では写真・動画・ファイル添付までサポートされています。

例として挙げられる代表機種(2025年夏〜秋時点の公開情報を基に整理):

  • Apple(iPhone):iPhone 13シリーズ以降の多くの機種がメッセージ送受信に対応。特にiPhone 14/15/16/17世代の多くがサポート対象となっています(iOSの最新化が前提)。
  • Google(Pixel):Pixel 7/8/9シリーズ、Pixel Foldなど複数機種がデータ通信・メッセージに対応。Pixel 10 ProシリーズやFoldの発売予定モデルもリストに追加予定です。
  • Samsung:Galaxy SシリーズやZ Fold/Flipシリーズ、Aシリーズなど幅広いラインナップで対応が進んでいます。特に最新世代のS24/S25、Z Fold/Flipシリーズは優先的に対応。
  • その他:Xperia(Sony)、AQUOS(SHARP)、TORQUE(KYOCERA)、Xiaomiの上位機なども多数対応。

動作確認で注意するポイント(OSやアプリ)

対応端末でも「最新OSへアップデート」がほぼ必須です。iOSでは衛星通信設定を有効にする必要があり、AndroidではデフォルトのSMSアプリをGoogleメッセージにする等の手順が求められます。さらに、Androidの一部機種では写真・動画・ファイル添付や特定アプリでのデータ通信が利用可能になりますが、これは機種ごと・アプリごとに異なります。

対応機能を確認する際のチェックリスト:

  1. 端末が公式の対応機種リストに掲載されているか。
  2. 端末のOSが最新であるか(メーカーのアップデートを適用)。
  3. メッセージアプリ(iOS:メッセージ/Android:Googleメッセージ)がインストール・最新版であるか。
  4. 必要に応じてアプリの権限(位置情報等)が付与されているか。
  5. 衛星モード時の機能制限(通話不可、着信系制約)を理解しているか。

対応機種の確認と最新情報の参照先

対応機種は順次拡大しています。公式の対応機種一覧ページ(au公式)が最も信頼できる情報源です。加えて、KDDIのニュースリリースやトビラ記事には機種追加や利用実績(利用者数や想定ユースケース)の詳細が随時掲載されます。

公式参考リンク(例):au:対応機種一覧KDDI News Room:対応機種追加発表。これらを頻繁に確認することをおすすめします。

実際の使い方、制約、そして活用シーンの詳細

利用開始からメッセージ送受信までの流れ(iPhone/Android別)

利用開始は概ね簡単ですが、iPhoneとAndroidで手順に違いがあります。iPhoneは基本的に申し込み不要で、OSを最新にして衛星通信設定をオンにすれば、au回線契約中の端末で自動的に機能が使える場合が多いのが特徴です。Androidは機種や購入先によって、Googleメッセージの設定や既定のSMSアプリの変更、場合によってはメーカー側の追加設定が必要になることがあります。

共通の流れ(概略):

  1. 端末のOSを最新版にアップデート。
  2. 対応端末であればauの設定画面等に衛星関連の項目が表示。iPhoneは「設定>モバイル通信>衛星通信」等、AndroidはGoogleメッセージの権限等を確認。
  3. au 5G/4G LTEが圏外の状態で、空が見える場所に移動すると自動で衛星モードに切り替わり、ステータスバーの表示が変化。
  4. メッセージアプリを開いてテキスト送受信、Android機種では写真・動画・ファイル添付が可能(対象機種のみ)。

主な機能制約と回避策

衛星通信は万能ではありません。以下のような制約があります:

  • 音声通話は未対応(衛星モード中は発信・着信ともに不可)。
  • 着信通知や留守電・着信転送、スマートウォッチのナンバーシェアなどは衛星捕捉中に動作しないことがある。
  • 遮蔽物(樹木・建物・山)や悪天候では衛星を捕捉できない可能性がある。
  • 衛星捕捉までに時間を要する場合がある。連続通信を期待した用途には不向き。

回避策としては、あらかじめ緊急連絡先に位置情報の送信方法を共有する、行動予定を複数人に伝えておく、必要時は衛星を捕捉しやすい開けた場所に移動するなどの行動が有効です。また、常用するアプリで衛星通信が使えるかは事前に確認しておくと安心です。

具体的な活用シーン(登山、漁業、災害対応、現場作業など)

このサービスの価値が最も発揮されるのは「通信が届かない重要な瞬間」です。具体例を複数挙げると:

登山・トレッキング
遭難や体調不良での救助要請、現在地の共有、天候確認など。例:山小屋の位置や下山予定を家族にテキストで送る。
漁業・海上活動
海上での連絡手段として、航行中の安否確認や帰港予定の連絡。領海(沿岸12海里)までカバーしている点もポイント。
災害時の安否確認・復旧支援
地震や土砂災害で地上網がダウンした場合、避難所での情報共有や位置情報送信。実際に能登半島地震でStarlink機器が復旧支援に用いられた事例も報告されています。
林業・建設現場・リモートワークの現場
電波が届きにくい作業現場での連絡や業務連携、写真添付での作業指示などに活用可能(対応機種で写真・動画送付が可能なため業務効率化に貢献)。

これらのシナリオでは、テキストベースの確実な連絡経路が確保されるだけでも安全性や業務効率に大きな影響を与えます。特に救助や災害対応の初期段階では、位置情報とテキストでの状況説明が迅速な判断に直結します。

データ通信対応とAI機能の統合

2025年8月28日から、一部のAndroid対応機種では特定アプリのデータ通信が可能になりました。YAMAPやウェザーニュースなどのアウトドア系アプリが対象として挙げられ、これにより衛星経由で地図の一部閲覧や天気情報の取得が可能になるなど、実用性がさらに向上しています。

また、AndroidではGoogleのAIアシスタント「Gemini」がGoogleメッセージ内で利用可能となり、圏外エリアでも質問や調べものをテキストベースで行えます。iPhone向けにはKDDI提供の「シンプルAIチャット」が用意され、簡易な情報取得や支援を受けられます。ただしAI応答は常に完全に正確とは限らないため、重要な判断は複数情報で裏取りすることが推奨されます。

料金体系、申し込み方法、運用上の留意点

au契約者と他社利用者での違い(専用プラン+など)

au契約者は基本的に申し込み不要で利用開始できるケースが多い一方、UQ mobileやpovo2.0、他社回線を利用しているユーザーは「au Starlink Direct専用プラン+」に加入することで本サービスを利用できます。専用プラン+はeSIMまたはau ICカード(SIMカード)での申し込みが必要で、月額料金体系や初月の無料期間・割引が設定されています。

専用プラン+の主なポイント:

  • 利用エリア:日本国内(領海を含む)でauの5G/4G LTEエリア外が対象。
  • 料金例:加入後数カ月の無料期間や割引が適用されるキャンペーンがある(詳細は時期により変動)。
  • SMS送信料やデータ消費に関する優遇措置が一時的に適用されている場合がある(公式案内参照)。

詳しい申し込み手順や最新料金は専用ページで確認してください(例:au Starlink Direct 専用プラン+)。

運用上の注意点と対策

運用で注意すべき点としては、衛星モード中の機能制限、衛星捕捉の遅延、遮蔽物による接続不良、並びにアプリの挙動(アプリが起動しない場合は再起動や機内モードのオンオフ等の対処)があります。現地でのトラブルを減らすために、事前の動作確認・予行演習が重要です。

また、音声が使えない点を踏まえ、重要連絡手段はテキストでのやり取りに切り替える運用ルールをあらかじめ定めておくと実務での混乱が減ります。企業や自治体が導入する場合は、運用マニュアルや訓練を行うことが推奨されます。

法規制・領海の定義と適用範囲

サービス適用範囲は日本国内(領海を含む)と公表されています。ここでの領海は沿岸線から12海里(約22km)までを指し、海上活動での利用にも配慮されています。海外での利用や国境付近での利用条件は対象外となるため、渡航先での使用を想定する場合は事前に確認が必要です。

最後に:要点整理と対応機種の早わかり一覧

以下は本記事で挙げた主要なポイントを整理した表です。端末の対応状況や機能対応、注意点、主要な適用日などをまとめています。最新の対応機種リストや仕様は公式サイトの更新を必ず確認してください。

項目 内容(要約) 備考
サービス開始 2025年4月10日(テキストメッセージ先行) 2025年8月以降に一部機種でデータ通信開始
対応端末数 初期約50機種→2025年5月時点で63機種、約800万台以上 順次拡大中。公式リスト参照必須
利用可能サービス テキストメッセージ(全対応機種)/画像・ファイル添付(対象Android・一部iPhone)/一部アプリのデータ通信(対象Android) 音声通話は未対応(2025年8月時点)
主要対応メーカー Apple, Google (Pixel), Samsung, SHARP, Sony, Xiaomi, KYOCERA, FCNT など 機種ごとに対応状況が異なる
利用条件 au 5G/4G LTEエリア外かつWi‑Fi外で、空が見える場所 遮蔽物や天候で接続不可の可能性あり
専用プラン(他社回線等) au Starlink Direct 専用プラン+(契約必要) eSIMまたはau ICカードで申し込み。料金は時期により変動
AI連携 Android:Gemini in Googleメッセージ/iPhone:シンプルAIチャット 圏外でもテキストベースでのAI支援が可能

まとめとして、au Starlink Directは「いつもどおりのスマホ体験を、電波の届かない場所でも最低限確保する」ための重要なインフラです。対応機種の拡大と機能の強化が続いており、登山、海上、災害時対応、遠隔地での業務など多様な場面での導入が期待されます。最新の対応状況や料金、利用方法は必ず公式情報(例:au Starlink Direct 公式ページ)を確認のうえ、端末のOSアップデートや事前の動作確認を行ってください。

出典例:KDDIの公式ニュースリリースやauのサービスページは、対応機種や提供状況の一次情報として参照しています(KDDI News Roomau:対応機種一覧ページ)。

本稿は各公式発表を基に作成しており、掲載後も機能や対応機種は更新される点にご留意ください。実際の導入や技術的な運用にあたっては、各端末メーカーやauの公式案内に従って設定・確認を行ってください。