エコメルカリ便の置き発送 実務ガイド:料金・手順・注意点
ベストカレンダー編集部
2025年09月21日 07時36分
エコメルカリ便が目指すもの — サービス全体像と導入の背景
エコメルカリ便とは何か:特徴をやさしく整理
エコメルカリ便は、メルカリが導入した非対面・置き配中心の配送サービスで、宅配100サイズ(運用上は〜160cm等の区分差もあるため後段で詳細に説明)まで一律料金で送れる点が最大の特徴です。SBS即配サポート株式会社による配送で、受け取りは置き配(置き配許可した購入者の指定場所)またはスマリボックス(コンビニ・駅設置の無人投函ボックス)を利用します。
主なポイント:一律料金、置き配/スマリから発送、匿名配送、配送状況のアプリ確認が可能。これにより再配達の削減・ドライバー負担の軽減・CO2削減が期待されています。
導入に至った背景と社会的効果(環境・労働観点)
メルカリのプレスリリースでは、利用者アンケートから「送料計算やサイズ測定が面倒」という声が多かったこと、再配達の多さが物流側の時間とCO2を浪費していることを問題視してサービスを設計したと説明されています。置き配中心にすることで再配達率を下げ、年間で数万時間の配達員労働時間削減や数十トンのCO2削減効果が見込まれると算出されています。
以下は公式リリースなどにもある説明です(出典を併記します)。
株式会社メルカリ:宅配便100サイズまで一律料金で簡単・手軽に発送できる「エコメルカリ便」を提供開始(2024/03/28)
詳細は公式発表をご確認ください: メルカリ公式プレスリリース(エコメルカリ便)。
対象エリア・料金体系・制限の概要
サービス提供開始時点では段階的にエリアが限定されており、出品者と購入者双方の登録住所が対象エリア内であることが利用条件です。代表的な対象エリアには東京都(島しょ部除く)、神奈川県、千葉県、埼玉県、愛知県、大阪府などが含まれていますが、詳細はアップデートされるため利用前に必ず確認が必要です。
料金の目安:一律730円(税込)。重量やサイズを細かく気にせず発送できるのが利点で、60〜100サイズ(あるいは〜160cm対応など、発送場所による差)まで対応しているケースが多いです。スマリからの発送は〜10kg、自宅からの置き発送は〜20kgといった重さ制限が案内されるケースもあります。
| 項目 | 概要 |
|---|---|
| 料金 | 一律730円(税込) |
| 主な配送形態 | 置き配(自宅指定)・スマリボックス(コンビニ・駅) |
| 配送業者 | SBS即配サポート(グループ) |
| 匿名配送 | 対応 |
| 対象エリア | 段階的に提供(詳細は公式ガイドを参照) |
置き発送の実務 — 出品者がやるべき手順と注意点
出品者側の操作手順(ステップバイステップ)
まず出品時に配送方法としてらくらくメルカリ便またはゆうゆうメルカリ便を選択しておきます。購入が確定し、購入者が置き配を許可している場合のみ、取引画面にエコメルカリ便の選択肢が表示されます。
実際の発送は以下の流れです:
- 取引画面で「商品サイズと発送場所を選択する」を選ぶ。
- エコメルカリ便の「宅配便(〜160cm等)」を選び、発送場所から「自宅など(置き発送)」を選択。
- 集荷場所(玄関前、メーターボックス、物置、車庫、自転車かご等)を指定。
- 取引画面に表示される7桁の集荷番号を書き込んだ荷物の写真を撮る(アプリ操作)。
- 「集荷を依頼する」を選択し、置き発送期限までに指定場所に荷物を置いて発送通知。
この一連の操作で伝票の用意は不要ですが、集荷番号の記載とその写真が必須になる点は重要です(web版では写真撮影ができない点にも注意)。
集荷番号の書き方・写真撮影のコツ
集荷番号を書き込む際の注意点は次の通りです。消えるインク(フリクション等)は使用しない、数字がにじまないようマジックで大きく書く、1と7、0と6など見間違えやすい数字は間隔を空けるなどの配慮が必要です。
撮影時のポイント:
- 番号が中心に来るようにフレームを調整し、反射や影で見えにくくならないよう光源に注意する。
- 番号全体がピントで捉えられていること。ピンボケは再提出の原因になります。
- 荷物全体と番号が同時にわかる構図も複数枚残しておくと、トラブル時の証拠になります。
集荷場所の指定とマンション・集合住宅での注意点
指定できる集荷場所は基本的に「玄関ドア前」「メーターボックス」「物置」「車庫」「自転車かご」などで、オートロック付きマンションの場合は集荷場所は玄関ドア前のみに限定され、集荷時には在宅して解錠する必要があります。解錠ができないと集荷不能となるため、集荷予定日には必ず自宅待機しておきましょう。
また、共同集合住宅の共用部に荷物を置く場合は管理規約や他居住者への配慮が必要です。ドライバーが敷地内に入ることを了承するかどうかも事前に確認しておきましょう。
トラブルを減らす梱包・運用ノウハウとケース別対応
梱包の具体例:ケース別に詳述する
商品ジャンルごとに適切な梱包方法の例を挙げます。置き配は受渡しが非対面になるため、梱包強度と外装の保護を重点的に考える必要があります。
- 衣類(折りたたみ可):防水袋で包み、圧縮袋よりも軽めの充填材で形を保持。外箱は淘宝箱や薄手の段ボールで可。集荷番号はテープ上に書き、剥がれにくくする。
- 書籍・紙類:本は濡れ対策としてOPP袋→段ボールで二重に保護。角はダンボール補強で潰れ対策を。
- 精密機器(カメラ・レンズ等):緩衝材(プチプチ)を二重に、外箱は頑丈な段ボール。振動・衝撃に弱い物は内部固定(紙パテ等)を行う。置き配で置かれることを想定して底面保護も忘れずに。
- 壊れやすい大型品:ダンボール二重+ストレッチフィルムで密閉、外側に”割れ物”表記をする — ただし置き配は壊れやすい物にはリスクがあるため、可能なら対面受取の配送方法を推奨。
実際の梱包では、受取側が置き配を選んでいるか否かを事前に見極め、必要に応じて購入者に”置き配はリスクがあるので了承を”と確認メッセージを入れておくとトラブルを避けられます。
紛失・破損発生時のフローと補償範囲
エコメルカリ便は配達時の紛失・破損に対する補償や配送サポートを用意していますが、実務では以下の手順を踏むことが原則です。
- 購入者が受取後に破損・不足を申告したら、まず写真や状態を可能な限り収集する(外装・内包物両方)。
- メルカリの取引画面からサポートへ連絡し、サポートに指示された必要書類・写真を提出する。
- メルカリ運営と配送会社の調査に協力する。調査の結果、配送業者の過失と判定されれば補償が適用されます。
補償の範囲や金額、必要書類はケースにより異なるため、公式のヘルプページを参照してください。状況によっては出品者側が梱包不備と判断されて補償対象外となることもあるため、日頃から堅牢な梱包を心がけておくことが重要です。
よくあるトラブル例と回避策(具体例で学ぶ)
例1:集荷予定日に自宅不在で集荷されず期限切れになったケース。回避策は、集荷予定日には必ず在宅する(オートロック物件は必須)。
例2:集荷番号を書いたがインクが消えて集荷できなかったケース。回避策は消えない太字マジックを使用し、写真で確実に記録を残すこと。
例3:置き配場所が不適切(雨ざらし・人通りが多い)で商品が泥濘や盗難にあったケース。回避策は、購入者に置き配場所を事前に指定してもらい、屋根のある場所やメーターボックス等、管理された場所を選ぶよう依頼することです。
日常運用の判断基準と総括(選択肢の比較と最終チェックリスト)
エコメルカリ便を選ぶべきケース/避けるべきケース
選ぶべきケースの一例:
- 商品がサイズ的にお得になる場合(100サイズ相当までで一律料金が有利なとき)
- 購入者が置き配に同意しており、受取場所が安全であると判断できるとき
- 再配達を極力避けたい/早く手続きだけ済ませたい場合
避けるべきケースの一例:
- 壊れやすい高額品(精密機器、高価なアンティーク等) — 可能なら対面での受け渡しを推奨
- 置き配場所が天候や盗難のリスクに晒される場合
- 購入者が置き配に同意していない場合
他の配送方法(メルカリ便・コンビニ発送など)との比較
簡単に比較すると:
| 項目 | エコメルカリ便 | 従来のメルカリ便(ヤマト/郵便) |
|---|---|---|
| 料金 | 一律730円(サイズ気にせず) | サイズ別料金(60/80/100など) |
| 受取方法 | 置き配/スマリ | 対面受取/コンビニ持込 |
| 向く商品 | 非壊れ物・比較的安価〜中価格帯が中心 | 壊れ物、高額品、日時指定が必要な物 |
| 利便性 | 非対面で手軽、再配達削減 | 対面で安心、日時指定や配達員との調整が可能 |
この比較をもとに、商品特性や購入者の希望を見て最適な配送方法を選択してください。
最終チェックリスト(発送前に必ず確認)
- 集荷番号
- 消えない太字で書かれているか。写真で番号が鮮明に撮れているか。
- 梱包
- 衝撃対策・防水対策は十分か。壊れ物ラベルが必要か。
- 集荷場所
- 置き場所は安全で、オートロック物件なら在宅可能か。
- 受取許可
- 購入者が置き配を許可しているか(取引画面で要確認)。
最後に、公式の置き発送ガイドも参照して運用ルールや最新の対応エリアを確認してください: 置き発送とは(メルカリガイド) / 置き発送の利用方法(メルカリガイド)。
まとめ:この記事の主要ポイントを表で整理
以下の表は、本記事で触れた主要な項目を簡潔にまとめたものです。エコメルカリ便を試すときの判断材料としてご活用ください。
| テーマ | 要点 | 推奨/注意 |
|---|---|---|
| 料金 | 一律730円(税込) | サイズ気にせずお得。ただし地域・重量制限を確認 |
| 発送方法 | 置き配(自宅)/スマリボックス | 非対面で便利。高額品は対面推奨 |
| 集荷番号 | 取引画面で表示される7桁を荷物に記載・撮影 | 消えるペン禁止。写真の鮮明さが重要 |
| 対象エリア | 段階的提供(都県に限定あり) | 事前に公式ページで確認必須 |
| 梱包のポイント | 防水・衝撃吸収・固定を徹底 | 精密機器は二重梱包等で特に厳重に |
| トラブル対応 | メルカリ運営と配送業者による調査・補償 | 証拠写真を多めに残す。梱包不備は補償対象外の可能性 |
本記事ではエコメルカリ便の特徴、使い方、梱包術、トラブル対処、選び分けの基準までを整理しました。運用ルールや対応エリアはアップデートされることがあるため、発送前には必ず公式ガイド(置き発送とは、置き発送の利用方法)やプレスリリース(公式発表)を確認の上、安全・確実にご利用ください。
参考:個人の体験レポート(使い勝手やデメリットの生の声)も参考になります(例:RIO NOTE:エコメルカリ便レビュー)。運用を始める際は公式情報と利用者の事例を合わせて読むと実践的に役立ちます。