仏滅に結婚式を開くべきか 六曜・費用・親族対応
ベストカレンダー編集部
2025年08月22日 00時20分
日取りを決めるときに知っておきたい“昔の常識”と“今の選択肢”
六曜(ろくよう)の基礎と由来を押さえる
結婚式の日取りでまず話題になるのが「六曜(大安・友引・先勝・先負・仏滅・赤口)」です。六曜は中国由来の暦注の一種で、日ごとの吉凶を示す考え方が日本に定着したものです。特に「大安」は何をするにも良い日、「仏滅」は物事が終わる日と解釈されることが多く、年配の親族や地域慣習において重視されることが依然としてあります。
しかし六曜は暦的・文化的な慣習であり、明確な科学的根拠があるわけではありません。重要なのはその由来や意味を理解し、家族や招待客の価値観を尊重しながら、ふたりにとって最適な日を選ぶことです。
- 大安
- もっとも吉とされる日。結婚式や商談など祝い事に人気が高い。
- 友引
- 祝い事に良いとされるが葬儀は避けられがち。時間帯の注意点あり(11〜13時が凶とされる場合あり)。
- 仏滅
- 一日中凶とされるが「物が終わり新しく始まる日」と解釈する見方もある。
六曜以外に注目すべき吉日
近年は六曜以外の吉日(暦注)を重視するカップルも増えています。代表的なものに天赦日(一年に数回、天がすべてを許す日)、一粒万倍日(一粒の籾が万倍に増える日とされ新事のスタートに良い)、母倉日・大明日・天恩日などがあります。これらは六曜と重なることもあり、重なり方によっては非常に縁起が良い日とされます。
たとえば天赦日と一粒万倍日が重なる日は極めて縁起が良いとされ、年間で数回しかないため人気が集中します。逆に海外挙式(時差がある場合)では日本の六曜をそのまま適用しにくいため、現地の気候や旅行スケジュールを優先する判断も妥当です(ハワイ挙式の時期選びについてはファーストウエディングの解説も参考になります)。
参考リンク:ハワイ挙式の時期やお日柄の考え方(First Wedding)
生活実感としての日柄の重み — 誰に配慮すべきか
実際に六曜を気にするのは、両親・祖父母など年長の親族や、冠婚葬祭でしきたりを重視する地域社会の人が多い傾向にあります。逆に若い世代や海外挙式を選ぶカップル、会社の上司を招く可能性が低い場合は、日柄をあまり気にしないケースが増えています。
そのため、日取り決めの際は「誰を主に配慮するか」をまず整理するとよいでしょう。配慮対象を明確にすることで、仏滅を選ぶべきかどうか、あるいは入籍を別の日にするなどの代替案が見えてきます。
仏滅を選ぶメリットとデメリットを現実的に考える
仏滅に挙げる主なメリット(費用・利便性・サービス)
最近は仏滅に結婚式をあえて行うカップルが増えています。主要メリットは以下の通りです。
- 費用が下がる:式場が人気日(大安・友引)との価格差で割引プランや特典を出すことが多く、同じ予算で料理や装花、写真などのグレードアップが可能になります。
- 予約が取りやすい:人気日程に比べて空きが多いため、希望の会場や時間帯で予約が取りやすい。
- 当日の混雑が少ない:式場やサービススタッフに余裕があり、行き届いた対応や時間の余裕をもって過ごせることが多い。
- 演出やオプションの融通が利く可能性:人気のカメラマンやヘアメイクの指名が通りやすい、披露宴時間の延長が交渉できるなど。
式場側のWebコラムや会場案内では、仏滅の割引や特典を明示しているところもあり、費用面でのメリットは実際的です(例:Otokuconのまとめやアンジェパティオの解説参照)。
仏滅に挙げる主なデメリット(イメージ・対人関係)
一方で仏滅を選ぶことには注意点もあります。
- 親族や年長ゲストの反発:特に地域や家族で伝統を重んじる場合、「縁起が悪い」として反対の声が上がることがある。
- 社会的な偏見や噂になりやすい:披露宴後に言われることが気になる人もいるため、精神的負担になる場合がある。
- 招待状・マナー面での細かな配慮が必要:招待状の文言や親族への事前説明など準備に手間がかかる。
これらのデメリットは、事前の説明と配慮で大きく緩和できます。仏滅の意味やメリット(費用面・利便性)を数字や具体例で示し、相手の懸念に丁寧に答えることが重要です。
現場プランナーや実例から学ぶ—ポジティブな見立て
実際にウェディングプランナーや会場のブログでは、仏滅を「新たなスタート」「悪いものを断ち切り、良いものを呼び込む日」としてポジティブに説明する例が見られます。仏滅の翌日は必ず大安になる規則性から「一度滅びてまた始まる」という好意的解釈もされます。
また、混雑しないために写真撮影や演出をゆったり行えた、スタッフのサービスが行き届き満足度が高かったという事例も多く、時間的な余裕が生む価値は無視できません。
参考例として、プランナー視点の利点や夫婦のポジティブな受け止め方を記した記事があり、説得材料として引用するのも有効です:仏滅に結婚式をすべき4つの理由(Otokucon)。
親族を納得させるための実践的な方法と文例集
事前に伝えるべきポイントと数字で示す説得法
親や親族が仏滅を嫌う場合、ただ「気にしない」と伝えるだけでは不十分です。以下を順序立てて説明すると理解が得やすくなります。
- 由来の説明:六曜は中国由来の暦注で、仏教の厳格な戒律とは別であることを伝える。
- 費用差の提示:大安と仏滅でどれぐらい差が出るか、見積りやプラン表を見せる。具体的な数字(例:料理ランクを1段階上げられる、写真オプションが付けられる等)を示す。
- 代替の配慮案:入籍日は大安にする、結納や顔合わせは別日に大安で行うなど、慣習を尊重する補償案を用意する。
説得の際は資料(式場見積り・吉日一覧)を印刷して渡すと説得力が増します。また、親戚の代表的な疑問(「不幸が続くのでは?」等)に対しては、費用面や当日の余裕が生む安心感を正面から答えましょう。
会話の文例(親への報告・説得シナリオ)
以下は実際に使える簡潔な会話例です。状況に合わせて改変してください。
- 報告型:「私たち、○月○日に結婚式を挙げることにしました。挙式日は『仏滅』だけど、費用や会場の都合で一番良い条件が揃っている日です。入籍日は大安にしていますので安心してください。」
- 説得型(反対が強い場合):「仏滅は六曜の一部で、宗教的に絶対関係があるわけではありません。式場では仏滅割引があり、その分をゲストへのおもてなしや写真に回せます。もし気になるなら、結納は大安にするなど折衷案にしたいです。」
- 論理+情緒型:「仏滅は『一度終わって新しく始まる』という解釈もあります。私たちはこの日を『新しい人生のスタート』として大切にしたいと考えています。皆さんにも心から祝ってほしいです。」
会話中は相手の感情を受け止めつつ、複数の選択肢(代替日、別儀式を大安にする)を提示する姿勢が鍵です。
招待状・当日の配慮と表現例
仏滅の表現をあえて大きく扱う必要はありませんが、招待状や席次で失礼が無いよう配慮しましょう。文面では日柄について触れる必要は基本的にありませんが、年配の方が多い場合は事前に個別に説明を入れると丁寧です。
当日は次のような配慮があると安心です:
- 着席や移動の補助スタッフを増やす(高齢ゲストが多い場合)
- 親族に向けた余興や謝辞の時間を設け、敬意を示す
- 家族の分だけ特別席や記念品を用意するなど「気遣い」を形にする
実際の準備フロー、費用比較、最後に整理するまとめ表
準備スケジュール(6〜12ヶ月前を想定した実務フロー)
結婚式準備はスケジュール管理が重要です。仏滅を選ぶ場合も他日程と同様に計画的に進めましょう。以下は典型的な流れです。
- 12ヶ月前:会場選び・予算感の確定(仏滅割引や特典の確認)
- 9〜10ヶ月前:ゲストリスト作成、招待日程の仮決定
- 6〜8ヶ月前:衣装・写真・司会者の手配、詳細見積りの最終化
- 3〜4ヶ月前:招待状発送、宿泊や交通手配の調整(遠方ゲストがいる場合)
- 1ヶ月前:席次表・最終打ち合わせ、親族への最終説明
- 当日:時間に余裕を持った進行、ゲスト対応の徹底
仏滅に関しては特に「親族説明」の時間を余裕を持って設けることが成功の鍵です。
費用の具体例とオプション活用のアイデア
仏滅の割引を活用したとき、どのように費用面で有利になるか具体例を示します(あくまで一例)。
| 項目 | 大安(通常) | 仏滅(割引適用例) | 差額の使い道 |
|---|---|---|---|
| 会場使用料 | ¥300,000 | ¥200,000 | プロのカメラマン指名料に充当 |
| 料理(1名) | ¥12,000 | ¥12,000 | ゲスト数+引き出物のグレードアップ |
| 装花 | ¥150,000 | ¥120,000 | 装花ランクをアップして写真映え強化 |
| 合計(一例) | ¥462,000 | ¥392,000 | 約¥70,000を演出や引き出物に回せる |
このように仏滅を選ぶことで、同じ予算で装飾や写真など目に見える価値を上げることができます。会場ごとの割引条件は異なるため、見積りを複数取り比較することをおすすめします。
まとめ表(ポイントを簡潔に整理)
以下の表はこの記事の要点を一目で整理したものです。最後に自分たちの優先順位(費用/日程/家族配慮/演出)をチェックして判断材料にしてください。
| 観点 | 大安・友引を選ぶ理由 | 仏滅を選ぶ理由 | 対処法・補足 |
|---|---|---|---|
| 費用 | 割増は少ないが安心感を買う形 | 割引や特典でコストダウン可能 | 見積りを比較し、差額を何に回すか提示する |
| 予約の取りやすさ | 人気のため早期に埋まる | 希望の会場や時間を取りやすい | 希望日優先度を明確にする |
| 親族の納得 | 伝統的に安心されやすい | 反発を受ける可能性あり | 事前説明・代替案(入籍を大安)で配慮 |
| 当日の余裕 | 混雑する可能性あり | 式場の余裕でサービス向上の可能性 | プランナーと密に調整し当日スケジュールを確保 |
| 文化的意味合い | 多くの人に受け入れられやすい | 再スタートや吉と解釈する見方もある | ポジティブな解釈を共有すると理解が進む |
最後に、仏滅を含めた日取り選びは「誰にどう配慮するか」「何を優先するか」を可視化することが重要です。費用を節約して演出を充実させたいのか、家族の価値観を最優先するのか。どちらを選んでも、それぞれに合理的な説明と配慮があれば、周囲の理解は得やすくなります。
補足資料として、式場の公式解説や事例記事も役立ちます:ホテル椿山荘東京の仏滅・日取り解説、アンジェパティオ(仏滅メリット・デメリット)、実例とポジティブな見方(歌の音)。
自分たちらしい結婚式を実現するために、日取りの意味も含めて納得のいく準備を進めてください。最後は“ふたりの気持ち”が最も大切です。