ミャクミャクのデザインと描き方ガイド:二次創作ルールも

ミャクミャクのデザインと描き方ガイド:二次創作ルールも
ミャクミャクって何?
大阪・関西万博(EXPO2025)の公式キャラクター。mountain mountain(山下浩平)作で、赤が「細胞」、青が「清い水」を象徴。湧水地出身という設定で人懐っこく姿を変えるのが特徴。
二次創作やグッズ販売ってしていいの?
制作・SNS公開は公式が一定範囲で許可しているが、販売・頒布・広告利用は禁止。商用化する場合は万博協会からライセンスを取得し、公式ガイドラインと表記ルールを必ず確認する必要がある。

ふしぎで親しみやすい存在――ミャクミャクの成り立ちとデザインに込められた意味

誕生の背景と公式コンセプト

ミャクミャクは、2025年に開催される大阪・関西万博の公式キャラクターとして生まれました。公式の説明では「細胞と水がひとつになったことで生まれた、ふしぎな生き物」とされ、赤い部分が“細胞”、青い部分が“清い水”を表しています。作者グループは mountain mountain(山下浩平氏代表)で、愛称は公募によって「ミャクミャク」と命名されました。

愛称の由来には、人間の歴史や知恵、技術が「脈々」と受け継がれてきたことを象徴する思いが込められています。公式サイトに掲載されたプロフィールによると、出生地は「関西のどこかにある小さな湧水地」で、性格は人懐っこくおっちょこちょい、特技は姿を変えることと虹を見つけることとされています(出典は万博公式ページ)。

参考リンク:公式プロフィールや二次創作ルールは大阪・関西万博の公式情報ページにまとまっています:公式キャラクターについて | EXPO 2025 大阪・関西万博公式Webサイト

色と形が伝えるメッセージ

ミャクミャクの配色は主に赤と青。赤は体の中の“細胞”や生命の熱量を、青は“清い水”や流動性、柔らかさを表現しています。形状は分裂・可変性を強調しており、姿を変える能力は「多様性」や「未来へ受け継ぐ可能性」を象徴します。

デザイン的には、丸みを帯びたフォルムとシンプルなパーツの組み合わせで、幼児から大人まで親しみやすい視認性を確保しています。こうしたビジュアル設計は、マス向けのイベントキャラクターにおける基本方針に合致しており、媒体やサイズに応じた応用がしやすいのが特長です。

作者と愛称公募の経緯

デザインは mountain mountain(代表 山下浩平)によるもので、愛称は公募で決定しました。複数の応募の中から「ミャクミャク」が最優秀に選ばれ、命名に際しては生命の連続性や国際的なつながりを表現する狙いが示されています。公募選考には複数の視点が反映され、応募者のコンセプトも公式に紹介されています。

作者や愛称応募者のコメントを読むと、色や形から受ける連想(動脈・静脈、脈という言葉の象徴性など)が選考理由として挙がっており、デザインとネーミングが一貫して「いのちの脈動」を主題にしていることがわかります。

イラスト表現と実践的な描き方:基礎から応用まで

基本フォルムとパーツ分解の考え方

ミャクミャクを描く際は、まず赤い“細胞”パーツと青い“水”パーツに分けて考えると描きやすいです。基本的な手順は次の通りです。

  • ラフで全体シルエットを決める(丸や楕円を重ねる)。
  • 赤(細胞)パーツを配置し、分裂や結合の表現を加える。
  • 青(水)パーツを流体のように回り込ませる。輪郭を柔らかくして流動感を演出。
  • 表情(目や口)をシンプルに入れる。目は黒またはダークグレーで強調。

ラフ段階でのポイントは、シルエットがどんなサイズや視点でも認識されるかどうかを確かめることです。アイコンやグッズ用の縮小図も同時に作ると調整が容易になります。

豊かな表情作り:バリエーションの具体例

ミャクミャクは姿を変えるキャラクターなので、表情や形態のバリエーションが多彩に考えられます。以下は具体的な例です。

  1. 喜び:口角を上げて目を弧状に。青パーツを羽のように広げる。
  2. 悲しみ:目の周りを濃くし、体の一部から雫を垂らす表現(ハフポストが報じたような「泣いている」イラストは注目を集めました)。
  3. 驚き:円形に開いた目と手足に見立てた突起の伸縮。
  4. 眠り:目を細くしてほっぺたを膨らませる。水の流れを穏やかに描く。

これらの表現は、SNSの投稿やグッズ展開で感情を視覚化する際に非常に有効です。実物のグッズ(アクリルキーホルダーやぬいぐるみ)では、立体形状を活かした表情の付け方にも工夫が必要です。

色使いと配色の実務的指針

公式の赤と青はアイデンティティの核です。デジタル制作では、明確なカラーパレットを決めておくと二次創作や共同制作時にズレが生じにくくなります。以下は一例の推奨カラー(参考値)です。

レッド(細胞)
参考値:#E03A3A(強めの赤)
ブルー(水)
参考値:#2E9FE6(明るめのシアン寄り青)
アクセント(濃影)
#1F2A44(影や目の輪郭用のダークトーン)

印刷や刺繍など物理的な再現では、CMYKやDIC指定に落とし込む必要があります。特にグッズ制作時は版ズレや色差が生じるため、色見本(スウォッチ)を印刷業者と共有することが重要です。

デジタル/アナログ別のツールとワークフロー

デジタル制作ではPhotoshop、Clip Studio Paint、Procreateなどが定番です。ベクターで作る場合はIllustratorでアウトライン化しておくと拡大縮小が容易になります。アナログ制作では水彩や色鉛筆で青の流動感を出す表現が有効です。

ワークフローの例:

  1. スケッチ(紙またはデジタル)
  2. 線画・クリーンアップ(ベクター化またはペンツール)
  3. 下地塗り(色のブロック分け)
  4. グラデーション・ハイライト追加(流体の表現)
  5. 最終調整・書き出し(PNG、SVG、印刷用データ)

グッズ展開、コラボレーション、そして二次創作のルールと現実例

公式グッズとコラボの実例

ミャクミャクは公式のライセンス商品として様々なグッズ展開が行われています。代表的な例として、関西エリア11社の鉄道会社とコラボしたトレーディングアクリルキーホルダーなどがあります。これらはランダムブラインド仕様で販売され、駅グッズや公式オンラインストアで購入可能です(商品情報は公式ストアページを参照)。

具体的な商品ページ:

こうしたコラボは、地域企業の鉄道会社や小売と連携することで、地域性や移動の象徴性を商品に取り込む試みとして注目されています。

二次創作の許可範囲と禁止事項

公式は二次創作を一定範囲で許可していますが、明確なルールが設けられています。認められている行為としては二次創作物の制作・公開(SNS投稿など)です。一方で禁止事項は明確で、商品化・販売・広告利用・無償配布を含む頒布行為、そして公式や万博の価値を損なう使用は禁じられています。

公式の二次創作ガイドラインには詳細が記載されているため、創作を行う際は必ず確認してください。引用元:公式キャラクターについて(万博公式)

転売問題とSNSでの反響—実際に起きた事例

公式グッズの人気が高まるにつれて、フリマアプリ等での転売が問題化しました。公式ライセンス商品を扱うアカウントが、泣いているミャクミャクのイラストを用いて「転売しないで」と呼びかけた事例はメディアでも報じられ、ファンや一般ユーザーからの反応を集めました(ハフポストの記事参照)。

関連報道:

ミャクミャクの異例イラストを公式アカウントが投稿。心配する声相次ぐ(ハフポスト日本版)

このような出来事は、グッズ流通の透明性や生産量、販売方式(抽選・オンライン販売・現地販売など)について運営側とファンがどのように折り合いをつけるかを示す事例になりました。

地域連携とプロモーション戦略

鉄道会社や地方自治体とのコラボ、イベント出演などでミャクミャクは地域に根ざしたプロモーションを進めています。公式は出演スケジュールや訪問実績を公開し、ファンとの接点を増やすことで地域振興や観光誘致の一助としています。

こうした取り組みは、単なるキャラクター販売に留まらず、体験型のプロモーション(ラッピング列車、スタンプラリー、現地限定グッズ)を通じて来場・購買を促す効果があります。グッズデザインもその地域性を取り入れることでコレクション性を高めています。

創作活動の実務アドバイスと倫理的配慮—ファンアートを楽しむために

二次創作を始める前に確認すべきチェックリスト

二次創作を行う際は、まず以下をチェックしてください。

  • 公式ガイドラインの確認:許可されている範囲と禁止事項を読む。
  • 販売目的かどうか:販売や配布をしない場合でも、将来的に販売する意図がある場合は厳重注意。
  • クレジット表示:公式の出典や作者名を明記するなど、誤解を招かない表記を行う。
  • ファンコミュニティのルール:共同企画やコンテスト参加時の二次利用に関するルールを確認。

これらを守ることで、創作活動がトラブルに発展するリスクを低減できます。公式は二次創作を歓迎する姿勢を示しつつも、ブランド保護の観点から明確な制限を設けています。

SNSでの発信とタグの使い方、コミュニティ参加のコツ

SNS発信ではハッシュタグを活用して可視性を高めると同時に、公式のハッシュタグや公認アカウントへの言及(メンション)を行うと運営目線での検討がされやすくなります。ただし公式アカウントや商標を無断で広告利用することは禁じられているため、タグ付けに留めるのが安全です。

また、PinterestやTwitter/Xではファンアートのボードやスレッドを作り、技術共有や色指定の議論を行うことで、同好の士と健全な交流ができます。参考としてPinterest上のボードにも多くのアイデアが集まっています:ミャクミャクのボード例(Pinterest)

商業利用を考えるクリエイターへの注意点

二次創作から派生してオリジナル商品を作りたい、という方向に進む場合、公式ライセンスの取得が必要です。無断での販売や配布は明確に禁止されており、法的リスクと信用失墜を招きます。商業展開を検討する際は、万博協会や権利者に直接問い合わせ、ライセンス条件を交渉するのが正しいプロセスです。

また、コラボ商品を目指す場合はプロポーザル(企画書)を準備し、制作サンプルや販売計画、流通チャネルを明確に示すことが重要です。特に既存のライセンス商品と競合しないように設計する配慮も必要です。

AIツールの活用と注意点

近年はAIアシストでラフやカラーパレットを生成するケースも増えています。ただし、AI生成物をそのまま公開・販売する際は、使用した学習データや出力物の権利関係、オリジナリティの確保に留意する必要があります。公式キャラクターそのもののAIによる再生成や同一性の高すぎる複製は、ガイドラインや著作権の観点から問題となる可能性があります。

AIを活用する際は「参考にする」「補助的に使う」というスタンスを守り、自分の手で独自の表現を付与することが望ましいです。

まとめと要点整理(本文の要点を表で整理)

以下の表は、本記事で取り上げた重要ポイントを整理したものです。ミャクミャクのデザイン概念、二次創作ルール、グッズの実例、そして創作時の実用的アドバイスを俯瞰できます。

テーマ 要点 参考・注意点
デザインの核 赤=細胞、青=清い水。可変性と親しみやすさが特徴。 シルエット重視で縮小時の認知性を確保。
公式と作者 デザイン:mountain mountain(山下浩平氏)。愛称は公募で決定。 公式ページでプロフィール・公募結果を確認:公式情報
二次創作の範囲 制作・公開は許可。ただし販売・頒布・広告利用は禁止。 ガイドラインを遵守。出典明示が望ましい。
グッズ例 鉄道コラボのトレーディングアクリルキーホルダー等。ランダム仕様あり。 取扱店:公式オンラインストア/各社ショップ(例:Osaka Metroショップ)
SNSでの話題 転売問題への注意喚起投稿(泣いているイラスト投稿の報道あり)。 フリマ転売は公式が自粛要請:報道参照(ハフポスト)
創作の実務 カラーパレット、サイズ、ベクター化など技術面の指針を用意。 印刷時はCMYK変換や色校正を必ず実施。
商用化の注意 公式ライセンス取得が必須。無断販売は法的リスク。 提携・企画時は権利者と事前協議を行う。

最後に、ミャクミャクについて創作やコレクションを楽しむ際の心構えを一言でまとめると、「公式ルールを尊重しつつ、自分の創造性でキャラクターを広げていく」ことです。ファン作品がコミュニティを豊かにし、万博自体の魅力を高める原動力にもなります。創作は自由ですが、他者への配慮と法的なマナーを守ることが長く活動を続ける鍵になります。

参考URL一覧:

以上を参考に、ミャクミャクの世界をより深く楽しみながら制作・共有を行ってください。公式のルールを守ることが、長期的にファン活動を継続するための基本です。