日本重症筋無力症の日 (記念日 6月2日)
- 国内患者数
- 約29,210人(2018年全国疫学調査)
- 有病率
- 人口10万人あたり23.1人
- 主な症状
- 眼瞼下垂・複視・全身筋力低下・嚥下困難(夕方に悪化しやすい)
- 診断の主な検査
- 抗アセチルコリン受容体抗体検査(陽性率約80%)・反復刺激試験
- 指定難病番号
- 指定難病 第11号(医療費助成制度の対象)
- 関連する記念日
- 欧州重症筋無力症の日(6月2日)に合わせて制定、2023年日本記念日協会認定
朝は普通に目が開いているのに、夕方になると片方のまぶたが重くなる。そうした「夕方に症状が悪化する」という特徴が、重症筋無力症(Myasthenia Gravis:MG)を他の神経疾患と区別する重要な手がかりのひとつです。この病気は、神経から筋肉へと信号を伝える「神経筋接合部」において、自己抗体がアセチルコリン受容体を攻撃することで、筋肉が正常に収縮できなくなる自己免疫疾患です。
症状は多岐にわたります。最も多く見られるのは眼瞼下垂(まぶたが垂れる)や複視(ものが二重に見える)といった眼症状です。これらは「眼筋型」と呼ばれ、重症筋無力症全体の約15〜20%を占めます。さらに症状が全身に広がる「全身型」では、手足の筋力低下、嚥下困難(飲み込みにくさ)、発音のもつれなどが加わります。重症化した場合には呼吸筋が麻痺し、人工呼吸器が必要になる「MGクリーゼ」と呼ばれる危機的状態に陥ることもあります。
日本では2018年の全国疫学調査で約29,210人の患者が確認されており、人口10万人あたりの有病率は23.1人とされています。2006年の同調査時には約15,100人でしたから、10年余りで患者数はほぼ倍増しています。この増加の背景には、診断技術の向上や医療機関へのアクセス改善のほか、高齢化の進展があると考えられています。発症年齢の中央値は全体で59歳、50歳以上の発症が全体の66%以上を占めており、かつての「若い女性の病気」というイメージは現在の実態とは異なります。
診断には、血液中の「抗アセチルコリン受容体抗体」を測定する検査が広く用いられており、患者の約80%でこの抗体が陽性となります。抗体が検出されない場合には、神経に繰り返し電気刺激を与えて筋収縮の低下を確認する反復刺激試験や、アイスパックをまぶたに当てることで一時的な症状の改善を確認するアイスパック試験なども診断の補助に使われます。治療の柱は抗コリンエステラーゼ薬による症状緩和と、ステロイドや免疫抑制薬を用いた免疫療法です。胸腺異常を伴う患者では胸腺摘出術が有効な場合もあります。
重症筋無力症は国の指定難病(第11番)に指定されており、一定の基準を満たした患者は医療費助成を受けることができます。6月2日の「日本重症筋無力症の日」は、疾患への理解を広め、患者・家族の声を社会へ届けることを目的に設けられたものです。
6月2日の他の記念日
6月2日のカレンダー情報
6月の二十四節気・雑節
- 芒種(ぼうしゅ) 6月6日(土)
- 夏至(げし) 6月21日(日)
- 入梅(にゅうばい) 6月11日(木)