閻魔賽日(大斎日) (年中行事 7月16日)
- 縁日の日
- 毎月1日・16日
- 大斎日
- 1月16日(初閻魔)・7月16日
- 別名(7月16日)
- 後の薮入り
- 最古の文献記録
- 秋田紀麗(文化年間 1804〜1818年)
- 日本最大の閻魔像
- 深川えんま堂(法乗院)全高3.5m・重さ1.5t
- 御開帳の寺院例
- 六道珍皇寺(京都)、長円寺(京都)
「地獄の釜の蓋が開く日」——そう言い伝えられてきた日が、毎年1月16日と7月16日です。閻魔大王の縁日(賽日)は毎月1日と16日に設けられていますが、この2日だけは「大斎日(だいさいにち)」と呼ばれ、別格の扱いを受けてきました。文化年間(1804〜1818年)に著された「秋田紀麗」にも「此日と七月十六日は大斎日とて、地獄の釜もひらくと云ひ」と記されており、少なくとも江戸時代から広く信じられていた習俗です。
「地獄の釜の蓋が開く」という言葉には、複数の解釈があります。ひとつは、鬼たちが休みを取る間に罪人が逃げ出さないよう釜に蓋をする、というもの。もうひとつは、お盆(盂蘭盆)の時期に合わせて、霊が地獄と現世を行き来する門が開かれる、という説です。いずれにせよ、地獄の責め苦さえも一時停まるとされるこの日は、現世の人々にとっても「休んでよい日」として位置づけられていました。特に7月16日は、お盆明けの「後の薮入り」にも当たります。江戸時代、商家などに住み込みで働く奉公人が実家へ帰省できる数少ない休日が「薮入り」で、1月16日と7月16日の年2回がその機会でした。奉公人たちはこの日、閻魔堂に詣でて罪の許しを乞い、その後は芝居見物などで余暇を楽しんだといいます。信仰と休暇が自然に結びついた、庶民文化ならではの過ごし方です。
閻魔大王を本尊とする寺院では、大斎日に合わせて御開帳や護摩炊き法要が今も行われています。東京・江東区の深川えんま堂(法乗院)には、全高3.5メートル、全幅4.5メートル、重さ1.5トンという日本最大級の閻魔像が安置されており、縁日には多くの参拝者が訪れます。京都では六道珍皇寺や長円寺でも閻魔詣での行事が続けられており、現代においても地域ごとの形で受け継がれています。
閻魔大王は死者の罪を裁く存在として広く知られていますが、仏教の世界観では十王のうちの一柱であり、地蔵菩薩と同体とされる信仰もあります。「嘘をついた者の舌を抜く」という説話が有名ですが、裁きと同時に救済の側面も持つ複雑な神格です。大斎日に閻魔様を詣でるのは、ただ恐れるためではなく、生前の行いを振り返り、罪の許しを求める機会として機能してきました。
7月16日の他の記念日
7月16日のカレンダー情報
7月の二十四節気・雑節
- 小暑(しょうしょ) 7月7日(火)
- 大暑(たいしょ) 7月23日(木)
- 夏の土用(どよう) 7月20日(月)
- 半夏生(はんげしょう) 7月2日(木)