聖母の被昇天 (年中行事 8月15日)

聖母の被昇天
教義宣言
1950年11月1日、教皇ピウス12世による
祭日の日付
8月15日
起源
5世紀のエルサレムに遡る
西方教会への伝来
7世紀半ば(教皇セルジオ1世の時代)
国民祝日の国
フランス・イタリア・スペインなど20か国以上
日本での扱い
カトリック教会の「義務の祝日」

1950年11月1日、教皇ピウス12世は「神によって啓示された真理である」と宣言しました。聖母マリアが地上の生涯を終えたのち、肉体と霊魂ともに天に上げられたという信仰が、カトリック教会の正式な教義として確定した瞬間です。これが「聖母の被昇天」であり、毎年8月15日に世界各地のカトリック教会で荘厳に祝われます。

この祭日の起源は5世紀のエルサレムにさかのぼります。当初は「神の母マリアの記念日」として祝われていましたが、6世紀には東方教会でマリアの死去を記念する日として定着しました。7世紀半ばには西方教会にも伝わり、教皇セルジオ1世(在位687〜701年)の時代には、徹夜の祈りや聖堂間の行列など盛大な儀式が行われていたことが記録されています。8月15日という日付は、東ローマ皇帝マウリキウスの時代に定められたものとされています。

聖書の中に被昇天を直接記した箇所はありません。カトリック教会はこの信仰を、聖書と並んで「聖伝」として何世紀にもわたり受け継いできた伝承として位置づけます。教皇ピウス12世が1950年に正式教義と宣言するまでの間、神学者たちの間では長く議論が続いており、宣言に先立ち、全世界の司教への意見照会が行われました。これはカトリック史上例をみない大規模な諮問でもありました。

「被昇天」という語はラテン語の「Assumptio(受け取られること)」に由来します。英語では「Assumption of Mary」と呼ばれ、正教会における「生神女就寝祭(せいしんじょしゅうしんさい)」と同じ8月15日に祝われますが、その神学的な内容は異なります。正教会が「マリアの死と復活」を中心に据えるのに対し、カトリックは肉体ごと天に引き上げられた点を強調します。

現在、8月15日を国民の祝日または公的な祝祭日としている国はフランス、イタリア、スペイン、ポルトガル、オーストリア、ベルギー、ポーランド、メキシコなど20か国以上に及びます。フランスでは革命期に一時廃止されたものの、ナポレオンが1802年に復活させた経緯があります。ナポレオンの誕生日が8月15日であったことも、復活を後押ししたといわれています。日本では国民の祝日ではありませんが、カトリック教会では「義務の祝日」に指定されており、信者は平日であってもミサへの参加が求められます。長崎や各地の大聖堂では特別なミサが執り行われ、聖母マリアへの信心が深い地域ほど祝い方も盛大です。

8月15日のカレンダー情報

六曜 先負
吉日 神吉日、大明日、不成就日
月齢 2.4

8月の二十四節気・雑節

  • 立秋(りっしゅう) 8月7日(金)
  • 処暑(しょしょ) 8月23日(日)