やまとことばの日 (記念日 8月18日)

やまとことばの日
記念日の日付
8月18日
制定団体
うまし国やまとことばの会(大阪府八尾市)
協会認定年
2024年(日本記念日協会)
ことばの起源
縄文・弥生時代にさかのぼる日本固有語
文字化の時期
平安時代(平仮名・片仮名の発明以降)
代表的な古典
古今和歌集、源氏物語など

「春の光がやわらかく注ぐ」「木漏れ日のなかで佇む」——これらはすべて、外来語でも漢語でもなく、日本列島に文字が存在しなかった時代から人々が使い続けてきた言葉です。やまとことば(大和言葉)とは、縄文・弥生期にまでさかのぼる日本固有の語彙のことを指し、後に大陸から流入した漢語や近代以降の外来語とは根本的に成り立ちが異なります。

漢字が飛鳥時代に中国から伝わる以前、日本の言葉は「音」そのものに意味が宿っていました。たとえば「ひ(日・火)」「み(水・実)」「き(木・気)」のように、一音一音が具体的な概念と結びついており、それを組み合わせることで豊かな表現を生み出してきました。平安時代に平仮名・片仮名が発明されると、やまとことばはようやく文字として記録されるようになり、『古今和歌集』や『源氏物語』といった古典文学の根幹を支える言語基盤となりました。

ところが、漢語が知識層の言語として普及し、明治以降は西洋語の翻訳語や外来語が急増するなかで、やまとことばの多くは日常語から姿を消していきました。現代人にとって「おとなう(訪れる)」「かそけき(かすかな)」「たおやか(しなやかで美しい)」といった言葉は、古典の授業で出会うものの、日常会話ではほぼ使われません。そうした状況に危機感をおぼえた人々が各地で活動を始め、大阪府八尾市を拠点とする「うまし国やまとことばの会」もその一つです。

同会が制定し、2024年に日本記念日協会が認定した「やまとことばの日」は毎年8月18日。八尾市はかつて大和川の河港として栄えた地で、「河内の国」として飛鳥・奈良文化圏と深く関わってきた土地です。その地でやまとことばの継承活動が生まれたことには、地理的・歴史的な必然性があります。

やまとことばの特徴として語られることの多い「やわらかい響き」は、母音が多く子音が単独で末尾に来ないという音韻構造から生まれています。英語のような子音の連続がなく、一音ずつが丸みを帯びて聞こえるため、詩や歌との親和性が極めて高い。和歌が千年以上にわたって日本の文化に根づいた理由の一つも、この音の性質にあるとされています。

「やまとことばの日」は、制定からまだ日が浅い記念日ですが、失われつつある語彙を掘り起こし、現代の暮らしのなかで使い直す機会を提供しようとする試みは、言語そのものが文化の記憶装置であるという事実を改めて示しています。

8月18日のカレンダー情報

六曜 赤口
吉日 一粒万倍日、天恩日
月齢 5.4

8月の二十四節気・雑節

  • 立秋(りっしゅう) 8月7日(金)
  • 処暑(しょしょ) 8月23日(日)