ホテルの日 (記念日 11月20日)

ホテルの日
開業日
1890年(明治23年)11月20日
所在地
東京・日比谷
初代建物
木骨煉瓦造3階建・客室60室
建設費
23万円
設立の発案者
外務大臣・井上馨
ライト館保存場所
博物館明治村(愛知県犬山市)

明治23年の11月、東京・日比谷に地上3階建ての西洋式建築が姿を現しました。客室60室、スイート10室、建設費23万円。当時の日本では前例のない規模と設備を持つ帝国ホテルの誕生です。「ホテルの日」は、この帝国ホテルが1890年(明治23年)11月20日に開業したことを記念して制定されました。

開業の発端は、外務大臣・井上馨の強い問題意識にあります。欧米列強と対等な外交を進めるには、外国の賓客を迎えるにふさわしい宿泊施設が国内にないことが大きな障壁でした。井上は渋沢栄一や大倉喜八郎ら財界人に協力を呼びかけ、宮内省の出資も得て1887年(明治20年)に「有限責任帝国ホテル会社」を設立します。渋沢はのちに「ホテルは一国の経済にも関係する重要な事柄。外来の御客を接伴して満足を与ふるやうにしなければならぬ」と述べており、単なる宿泊業ではなく国家的な外交インフラとして構想されていたことが伝わります。

設計を担ったのは、建築家ジョサイア・コンドルに師事しドイツにも留学した渡辺譲。ネオ・ルネサンス様式の木骨煉瓦造として仕上げられた建物は、当時の東京において際立った存在感を放ちました。開業後は政府の晩餐会や外国使節の宿泊先として頻繁に使われ、「日本の迎賓館」としての役割を担い続けます。

その後も帝国ホテルは時代とともに建て替えを繰り返してきました。1919年には建築家フランク・ロイド・ライト設計の第2代本館が着工し、1923年の関東大震災では周囲が壊滅的な被害を受けるなか、ライト館は倒壊を免れて救護所や避難場所として機能したことが広く伝えられています。このライト館は1968年に解体されましたが、玄関部分が愛知県犬山市の博物館明治村に移築・保存されており、今も見学が可能です。

現在の帝国ホテル東京は1970年竣工の第3代本館を中心に運営されています。2019年には創業130周年を迎え、建て替え計画も進行中です。開業から130年以上を経てもなお「帝国ホテル」の名が日本のホテル業界の象徴であり続けるのは、明治の人々が「国家の顔」として築いたその出発点と、無縁ではないでしょう。11月20日は、日本の近代ホテルの歴史が始まった日として記憶されています。

11月20日のカレンダー情報

六曜 先負
吉日 一粒万倍日、不成就日
月齢 10.8

11月の二十四節気・雑節

  • 立冬(りっとう) 11月7日(土)
  • 小雪(しょうせつ) 11月22日(日)