コックさんの日 (記念日 6月6日)
- 由来の歌
- かわいいコックさん(絵描き歌・わらべうた)
- 別タイトル
- 棒が一本あったとさ
- TV放映
- NHK総合『うたのえほん』1964〜1965年
- 歌唱
- 中川順子
- 編曲
- 間宮芳生
- 採集者
- 民族音楽学者・小泉文夫
「六月六日に雨ざあざあふってきて」——この一節を歌いながら紙の上に線を引いていくと、最後に帽子をかぶったコックさんの顔が完成します。「コックさんの日」は、この絵描き歌「かわいいコックさん」の歌詞に「6月6日」が登場することにちなんで生まれた記念日です。
「かわいいコックさん」は東京のわらべうたで、作詞・作曲者は不詳。民族音楽学者の小泉文夫が東京芸術大学の学生たちとともに各地のわらべうたを採集するなかで見出した楽曲のひとつで、もとは「棒が一本あったとさ」という書き出しで子どもたちの間に伝わっていました。NHKの番組ディレクター岡弘道がこの歌に着目し、作曲家・間宮芳生にピアノ譜の編曲を依頼。こうして放送用に整えられた楽曲として生まれ変わりました。
1964年(昭和39年)から1965年(昭和40年)にかけて、NHK総合テレビの幼児向け番組『うたのえほん』で中川順子の歌声により放送されると、それまで東京近郊に限られていたこの歌は一気に全国へと広まりました。番組では幼児にわかりにくいとされた「さんかんび(三寒四温)」の部分が省略され、よりシンプルな歌詞で定着しています。
絵描き歌としての手順はこうです。まず縦棒を一本引き、葉っぱ、カエル、アヒルと線を重ねるたびに形が変わっていきます。「六月六日に雨ざあざあふってきて」の一節で傘を描き、「三角じょうぎにひびいって」で帽子の形が加わり、最後に「あんぱんふたつ豆三つコッペぱんふたつくださいな」と食べものの名前で目や口が描かれ、丸い顔のコックさんが姿を現します。子どもにとって、歌いながら自分の手で絵が完成する瞬間は格別の驚きがあったはずです。その体験が口コミのように広がっていったことも、この歌が長く愛された理由のひとつでしょう。
半世紀以上が過ぎた今も、「六月六日」という歌詞の一節は多くの人の記憶に残っています。雨の多い梅雨の季節に、ふと口をついて出てくる「棒が一本あったとさ」——その書き出しとともに、鉛筆を走らせてみてください。
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