恋と革命のインドカリーの日 (記念日 6月12日)
- 純印度式カリー発売年
- 1927年(昭和2年)
- 記念日制定者
- 株式会社中村屋
- 発売場所
- 東京・新宿の中村屋喫茶部(レストラン)
- ラス・ビハリ・ボースの生没年
- 1886〜1945年
- ボースの日本亡命年
- 1915年(大正4年)
- 俊子とボースの結婚年
- 1918年(大正7年)
1915年(大正4年)、インド独立運動の活動家ラス・ビハリ・ボースは、イギリス政府の追及を逃れて日本に亡命しました。日英同盟を結んでいた日本政府はボースに国外退去を命じましたが、相馬愛蔵・黒光夫妻はアジア主義者の巨頭・頭山満の依頼を受け、政府の意に反してボースを中村屋の蔵に匿いました。この決断が、日本の食文化を大きく変える出来事の始まりでした。
相馬夫妻の娘・俊子はボースと恋に落ち、1918年(大正7年)に結婚します。ボースは義父母の経営する新宿・中村屋で、祖国インドの味をそのまま再現したカリーの製法を伝えました。そして1927年(昭和2年)のこの日、中村屋の喫茶部(レストラン)に「純印度式カリー」が初めてメニューに登場します。本場インドのスパイスと製法を用いたその一皿は、当時の日本人にとってまったく新しい味わいでした。
ラス・ビハリ・ボース(1886〜1945年)は、インド独立運動の志士として知られる人物です。イギリスの植民地支配に抗い、インド総督への爆弾投擲事件に関与した後、日本に渡りました。日本ではアジア解放の思想を広め、後に日本国籍を取得して「中村屋のボース」として親しまれます。彼の人生は、独立への信念と異国での生活が複雑に絡み合った、波乱に富んだものでした。
「恋と革命のインドカリーの日」という記念日名には、このような背景が凝縮されています。「恋」は俊子とボースの国境を越えた愛、「革命」はボースが生涯をかけて戦ったインド独立運動を指します。株式会社中村屋がこの名称を制定したのは、単なる食の歴史ではなく、人と人との縁が生んだ文化の交流を後世に伝えるためでもあります。現在も新宿の中村屋では、その製法を受け継いだインドカリーが提供されており、一皿のカリーには、亡命者を匿った夫妻の勇気、祖国解放を夢見た活動家の情熱、そして二人の人間の恋愛が刻まれています。日本のカレー文化の源流のひとつが、こうした劇的な歴史の上に成り立っていることは、あまり知られていない事実のひとつです。
6月12日の他の記念日
6月12日のカレンダー情報
6月の二十四節気・雑節
- 芒種(ぼうしゅ) 6月6日(土)
- 夏至(げし) 6月21日(日)
- 入梅(にゅうばい) 6月11日(木)