山開き (年中行事 7月1日)

山開き
日付
7月1日
別名
開山(かいざん)
富士山開山祭
北口本宮冨士浅間神社(山梨県)
富士山開山期間
吉田ルート:7月1日〜9月10日
俳句の季語
起源
山岳信仰における入山解禁の慣習

かつて日本の山は、神が宿る聖域でした。修行者や僧侶だけが足を踏み入れることを許され、一般の人々が無断で立ち入れば天狗に襲われるという言い伝えさえありました。その禁を夏の一定期間だけ解くのが「山開き」です。

山開きの起源は、日本古来の山岳信仰にあります。山そのものを神聖な存在として崇拝し、さまざまな儀礼を行う「山岳信仰」は、日本各地の山で盛んに行われてきました。これらの山では、入峰修行を行う山伏や僧侶だけが入山を許され、俗人が近づくことのできない聖なる領域とされていました。ところが江戸時代の中期以降、各地で山岳信仰の「講」が次々と結成されます。富士講・扶桑教・実行教・丸山教などがその代表で、山頂に祀られた神を拝むための「講中登山」が広まりました。信仰を持つ一般の人々が山に登りたいと願うようになった結果、決められた日数だけ山を開放する仕組みが生まれたのです。

その初日が山開きであり、信徒たちは山に登れることを祝いました。そして最終日は「山仕舞い」と呼ばれ、山は再び僧侶たちだけの世界に戻ります。

現在、多くの山で山開きの日とされているのが7月1日です。富士山では、山梨県側の吉田口登山道がこの日に開山を迎えます。前日の6月30日には北口本宮冨士浅間神社で「開山前夜祭」が催され、翌7月1日の「開山祭」では御神楽の奉納や神事が厳かに執り行われ、夏山登山の安全が祈願されます。富士山五合目の冨士山小御嶽神社でも開山祭が行われ、大天狗・小天狗がしめ縄を断ち切る「お道開き」の儀式は、かつて人を寄せつけなかった聖域の封印を解く所作そのものです。

もっとも、現代の山開きの日程は山によって異なります。富士山の山梨県側は7月1日ですが、静岡県側の3ルートは7月10日が開山日です。北アルプスや南アルプスなどでは残雪の状況に応じて時期が前後し、必ずしも7月1日に統一されているわけではありません。それでも7月1日が山開きの代表的な日付として広く知られているのは、日本最高峰・富士山の開山日であることが大きいでしょう。

俳句の世界では「山開き」は夏の季語です。信仰と登山、聖と俗の境界が溶けるこの日は、日本の山岳文化の歴史そのものを映し出しています。

7月1日のカレンダー情報

六曜 先負
吉日 月徳日
月齢 16.0

7月の二十四節気・雑節

  • 小暑(しょうしょ) 7月7日(火)
  • 大暑(たいしょ) 7月23日(木)
  • 夏の土用(どよう) 7月20日(月)
  • 半夏生(はんげしょう) 7月2日(木)