お盆・盂蘭盆会 (年中行事 7月15日)
- 別称
- 盂蘭盆会・魂祭・精霊会(しょうりょうえ)
- 語源
- サンスクリット語「ウラバンナ(逆さ吊り)」の音写
- 日本最古の記録
- 657年(斉明天皇3年)に宮中で実施
- 主な時期
- 7月13〜16日または8月13〜16日
- 迎え火・送り火
- 13日に迎え火、15〜16日に送り火
- 精霊馬の素材
- 胡瓜(馬)・茄子(牛)
目連(もくれん)という仏弟子が神通力で亡き母を探すと、餓鬼道に堕ちて逆さ吊りの苦しみを受けていました。釈迦の教えに従い、夏の修行明けの7月15日に多くの僧侶へ供物を捧げると、母は苦界から救われたといいます。この説話が盂蘭盆会の起源とされており、「盂蘭盆(うらぼん)」という語そのものがサンスクリット語「ウラバンナ(逆さ吊り)」の音写です。日本では先祖供養の文化と習合し、一年で最も霊が身近に感じられる季節として定着しました。
日本に盂蘭盆会が伝わったのは飛鳥時代で、斉明天皇の時代(657年)に初めて宮中で行われたという記録が残っています。当初は寺院中心の仏教行事でしたが、奈良・平安時代を経て貴族社会に広まり、江戸時代には庶民にも定着しました。現在の形になるまでの間に、道教の「中元節」や日本古来の祖霊信仰とも混じり合い、純粋な仏教行事とは異なる独自の色彩を帯びていきました。
13日の夕方に焚く「迎え火」で先祖の霊を自宅へ招き、15日または16日の「送り火」で再びあの世へ送り出します。この二つの火を軸に、お盆の4日間は構成されています。京都の大文字焼きや長崎の精霊流しは、この「送り火」が地域の大行事へと発展したものです。そして胡瓜(きゅうり)で馬を、茄子(なす)で牛を作って供えるのも、この4日間に欠かせない習わしです。馬は先祖の霊がこちらへ早く来られるよう、牛は帰り際に荷物を載せてゆっくり戻れるようにという意味が込められています。地域によっては割り箸を4本足として刺すだけのシンプルなものから、精巧に作り込んだものまでさまざまで、この「精霊馬(しょうりょうま)」の習わしは現在も各地の家庭で続いています。日本各地に残る多彩な盆行事の根底には、同じ「霊を迎え、もてなし、送る」という構造が一貫しています。
お盆の時期は地域によって異なります。7月15日を中心とする「新盆」(東京や東北の一部)、月を1か月ずらした8月15日を中心とする「月遅れ盆」(全国的に最多)、旧暦7月15日に行う「旧盆」(沖縄・奄美など)の三つが主な形態です。明治の改暦以降、農繁期との兼ね合いや地方ごとの事情から分かれたもので、8月のお盆が全国標準のように感じられるのはこの月遅れ盆が普及したためです。「ボンサマ」と精霊を呼ぶ地域が現在も東北などに残っており、仏教伝来以前の祖霊信仰の痕跡をうかがわせます。
7月15日のカレンダー情報
7月の二十四節気・雑節
- 小暑(しょうしょ) 7月7日(火)
- 大暑(たいしょ) 7月23日(木)
- 夏の土用(どよう) 7月20日(月)
- 半夏生(はんげしょう) 7月2日(木)