地名の日 (記念日 7月28日)
- 制定年
- 2008年(平成20年)
- 制定者
- 日本地名愛好会
- 山田秀三
- アイヌ語地名研究家(1899〜1992年)、この日が命日
- 谷川健一
- 地名研究家・民俗学者(1921〜2013年)、この日が誕生日
- アイヌ語地名の割合
- 北海道市町村名の約8割がアイヌ語由来
「札幌」はアイヌ語で「乾いた大きな川」、「稚内」は「冷たい飲み水の川」、「釧路」は「温泉水」を意味します。北海道の市町村名の約8割はアイヌ語に由来しており、現在の地名の中に、かつてこの地で暮らしたアイヌの人々が見た風景や川の姿が今も刻み込まれています。
毎年7月28日は「地名の日」です。2008年(平成20年)に日本地名愛好会が制定しました。この日付には理由があります。アイヌ語地名研究の第一人者として知られる山田秀三(1899〜1992年)の命日であり、同時に民俗学者・地名研究家の谷川健一(1921〜2013年)の誕生日でもあります。地名研究に生涯を捧げたふたりの研究者の縁が、この日を「地名の日」にしました。
北海道のアイヌ語地名は、アイヌの人々が川や地形につけた名称に、明治時代以降に和人(日本人)が漢字を当てはめることで生まれました。「小樽」はアイヌ語で「砂浜の中の川」(オタ・オル・ナイ)、「苫小牧」は「沼の奥にある川」(ト・マク・オマ・ナイ)。漢字からはとても読み取れない意味が、音の中に隠されています。難読地名が多いのはそのためで、漢字は意味ではなく「音」を写すために使われました。また、地名にはアイヌの自然観も色濃く反映されています。川を「生きているもの」として捉えたアイヌは、水源地を「川の頭」、合流点を「川が抱き合う場所」、枯れた川を「死んだ川」と表現しました。「別(ペツ)」「内(ナイ)」という漢字が北海道地名に多く登場するのは、いずれもアイヌ語で川を指す言葉だからです。登別、紋別、知内、神恵内——地図を開けば、川とともに生きたアイヌの痕跡が至るところに見つかります。
山田秀三はこうした地名の記録と解読に半世紀以上を費やし、『北海道の地名』などの著作を残しました。地名は単なる住所ではなく、その土地に生きた人々の言葉と記憶です。「地名の日」は、日常の中で見過ごしがちな地名の由来に目を向け、土地の歴史に思いを馳せる機会として設けられています。
参考リンク
7月28日の他の記念日
7月28日のカレンダー情報
7月の二十四節気・雑節
- 小暑(しょうしょ) 7月7日(火)
- 大暑(たいしょ) 7月23日(木)
- 夏の土用(どよう) 7月20日(月)
- 半夏生(はんげしょう) 7月2日(木)