「はっと」の日 (記念日 8月10日)

「はっと」の日
制定者
株式会社丸光製麺(宮城県気仙沼市)
日付の由来
「はっ(8)と(10)」の語呂合わせ
主な食べ方
はっと汁(醤油・味噌仕立て)、あんこ・ずんだ・エゴマと和えた甘い食べ方
名前の由来
「ご法度」に由来するとの説が有力
歴史
約400年前の藩政時代に米の代用食として誕生
認定
一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録

「美味すぎるから食べるのはご法度」——そんな言い伝えが残るほど、かつての人々を虜にした料理が宮城県に伝わっています。小麦粉を水で練り、薄く伸ばしながら汁に落として茹でたもの、それが「はっと」です。うどんに似て非なるその食感と、出汁を吸い込んだもちもちの生地は、藩政時代から400年以上にわたって東北の食卓を支えてきました。

「はっと」の名前の由来には諸説ありますが、なかでも広く語られるのが「ご法度」説です。あまりに美味しいため、殿様が「平民が食べるのはご法度」と禁じたという話や、徳川光圀がこの種の料理を禁止したという話など、複数のバリエーションが存在します。禁じなければ農民が食べすぎてしまうほど、それだけこの料理が愛されていたということでしょう。もともとは米の代わりとして食べられていた「生きるための食」でしたが、長年の工夫が積み重なり、今では地域が誇る「食べたい郷土料理」へと昇華しています。

食べ方は地域や家庭によってさまざまです。醤油や味噌仕立ての汁に野菜や魚介を加えた「はっと汁」が代表的ですが、あんこやずんだ、エゴマ(ジュウネン)と絡めた甘い食べ方も古くから親しまれています。同じ「はっと」という名の料理でも、気仙沼では三陸の海の幸と合わせ、登米では山の野菜と合わせるなど、地域の食材と結びついて独自の発展を遂げてきました。

8月10日の「はっとの日」は、気仙沼で唯一の製麺会社として昭和33年創業の株式会社丸光製麺が制定しました。日付は「はっ(8)と(10)」の語呂合わせです。同社は東日本大震災で大きな被害を受けながらも、岩手県一関市に新工場を稼働させ、首都圏での販売やレシピ提案・イベント開催を通じて「はっと」の普及に取り組んでいます。地元の味を守り広めるその活動は、記念日制定にも込められた思いそのものです。記念日は一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録されています。

400年前に農民が知恵を絞って生み出し、禁止令さえ出されたほど人を惹きつけた「はっと」。現代においても、三陸の海の香りや東北の山の幸と合わさりながら、その魅力はゆっくりと全国へと広がっています。

8月10日のカレンダー情報

六曜 先負
吉日 大明日、母倉日
月齢 26.7

8月の二十四節気・雑節

  • 立秋(りっしゅう) 8月7日(金)
  • 処暑(しょしょ) 8月23日(日)