インスタント・コーヒーの日 (記念日 8月11日)
- 発売日
- 1960年(昭和35年)8月10日
- 発売元
- 森永製菓
- キャッチフレーズ
- 「タッタ・・・5秒で」
- 世界初の特許取得者
- ジョージ・コンスタント・ルイス・ワシントン(1906年・アメリカ)
- 日本人による先行開発
- 加藤サトリ博士が1901年に粉末コーヒーを発表・1903年に特許取得
- ネスカフェ発売
- 1938年(スイス・ネスレ)
「タッタ・・・5秒で」——このキャッチフレーズとともに、1960年(昭和35年)の今日、森永製菓が日本初の国産インスタント・コーヒーを発売しました。湯を注いで5秒でできあがるという手軽さは、当時の日本の家庭に強烈な印象を与え、発売直後から大ブームを巻き起こしました。インスタント・コーヒーの歴史をたどると、意外にも日本人の名前が登場します。1901年、シカゴを拠点に研究を続けていた科学者・加藤サトリ博士が、緑茶の即席化研究の過程でコーヒーを粉末にする技術を開発し、ニューヨーク州バッファローで開催されたパンアメリカン博覧会で「ソリュブルコーヒー」として発表しました。1903年には特許も取得しましたが、商業的な普及には至りませんでした。
その後、インスタント・コーヒーを世界に広めたのは別の人物です。1906年、グアテマラに住むイギリス系アメリカ人のジョージ・コンスタント・ルイス・ワシントンが製法の特許を取得し、「Red E Coffee」という名称で製品化に成功しました。さらに後押しとなったのが第一次世界大戦です。長期保存ができて手軽に飲めるインスタント・コーヒーは、前線の兵士たちへの支給品として大量消費されることになり、これが世界的な普及の足がかりとなりました。
現在のインスタント・コーヒーの原型を確立したのはスイスのネスレです。1937年にスプレードライ法を完成させ、翌1938年に「ネスカフェ」を発売しました。溶けやすさと風味の両立を実現したこの製品が、現在に至るインスタント・コーヒー市場の礎を築きました。そして日本では、1960年に森永製菓がデンマークから輸入した最新設備を使い、100%ピュア原料にこだわった高品質な製品を1杯あたり約10円という価格で世に出したのです。
ちょうどその2年前、1958年には日清食品が「チキンラーメン」を発売し、「インスタント」という言葉が時代のキーワードになっていました。手間をかけずに本格的な味が楽しめるという価値観が社会に広まりつつある中で登場したインスタント・コーヒーは、時代の空気と見事に合致し、日本の食卓に定着していきました。豆を挽いてドリップする手間なく、いつでもどこでも一杯のコーヒーが楽しめる——その便利さは今も変わらず、多忙な現代人の生活に溶け込んでいます。
8月11日のカレンダー情報
8月の二十四節気・雑節
- 立秋(りっしゅう) 8月7日(金)
- 処暑(しょしょ) 8月23日(日)