専売特許の日 (記念日 8月14日)
- 交付日
- 1885年(明治18年)8月14日
- 根拠法令
- 専売特許条例(1885年7月施行)
- 特許第1号
- 堀田瑞松「錆止め塗料及び塗り法」
- 初回交付件数
- 7件
- 現行法
- 特許法(1959年施行)
日本で最初に専売特許を手にしたのは、彫刻家にして漆工芸家の堀田瑞松(ほった ずいしょう)でした。1885年(明治18年)8月14日、「錆止め塗料及び塗り法」をはじめとする7件に対して専売特許が交付されます。同年7月に施行されたばかりの「専売特許条例」に基づく、記念すべき第1号の認定です。
堀田が守ろうとしたのは、鉄の船体でした。
明治初期、日本は近代海軍の整備を急いでおり、鉄製の軍艦が次々と導入されていました。しかし海水による腐食は深刻な問題で、船体を守る塗料の需要は極めて高かったのです。堀田は伝統的な漆工芸の知識を応用し、漆や柿渋などの天然素材から鉄の表面に強固な被膜を形成する防錆塗料を開発しました。この塗料は日本海軍に採用されただけにとどまりません。改良を重ねた製品はロシア海軍の軍艦にも使用され、さらにはアメリカのガス会社がタンクの防錆用に採用するなど、海を越えて実用されました。日本人の発明品が国際的に通用した最初期の事例です。
そもそも「専売特許条例」は、殖産興業政策の一環として制定されたものでした。欧米列強に追いつくため、発明を奨励し、その権利を法的に保護する仕組みが必要だったのです。この条例は1888年に「特許条例」へと改められ、やがて現行の「特許法」(1959年施行)へとつながっていきます。なお、日常会話で「お手のものだ」という意味で使われる「専売特許」という言葉は、まさにこの条例の名称が由来です。
堀田瑞松の特許証は、現在も特許庁が保管しています。明治の漆工芸家が鉄船を守り、その発明が世界へ渡ったという事実は、日本の知的財産制度の出発点にふさわしいエピソードです。毎年8月14日の「専売特許の日」は、140年前のこの一歩を記憶にとどめる日です。
8月14日の他の記念日
8月14日のカレンダー情報
8月の二十四節気・雑節
- 立秋(りっしゅう) 8月7日(金)
- 処暑(しょしょ) 8月23日(日)