素堂忌 (記念日 8月15日)
- 没年
- 1716年(享保元年)旧暦8月15日
- 生年
- 1642年(寛永19年)
- 出身地
- 甲斐国巨摩郡(現:山梨県北杜市)
- 本名・通称
- 信章(しんしょう)、勘兵衛
- 代表句
- 目には青葉 山ほととぎす 初鰹
- 俳風
- 葛飾風の祖
「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」——日本人なら一度は耳にしたことがあるこの句を詠んだのが、江戸時代前期の俳人・山口素堂です。1716年(享保元年)旧暦8月15日、74歳で江戸にて没しました。その忌日が素堂忌として伝えられています。
素堂は1642年(寛永19年)、甲斐国巨摩郡上教来石村(現在の山梨県北杜市)に生まれたとされます。本名は信章、通称は勘兵衛。家業は酒造業でしたが、20歳頃に弟へ家督を譲り、学問と文芸の世界へ身を投じます。江戸では儒者・林鵞峰に漢学を学び、一時は仕官もしています。京都に赴いては歌人・北村季吟のもとで和歌や俳諧を修め、茶道・書道にも通じた多芸の文人でした。素堂の名を語るうえで欠かせないのが、松尾芭蕉との交友です。1675年(延宝3年)、まだ無名だった芭蕉と江戸で出会い、以後長きにわたって親交を結びます。漢詩文や和歌に深い素養を持つ素堂の存在は、芭蕉が蕉風を確立していく過程に少なからず影響を与えました。素堂自身は「葛飾風」と呼ばれる一派の祖とされ、俳壇における独自の立場を築いています。
37歳で官を辞した素堂は、上野・不忍池のほとりや葛飾に隠棲しました。
しかし単なる隠遁者ではありません。郷里・甲斐の濁川の開削を依頼され、堤防を築く治水事業に携わったという伝承が残っています。文人でありながら、故郷の民の暮らしにも心を寄せた人物だったことがうかがえます。代表句「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」は、1678年(延宝6年)刊行の俳書『江戸新道』に収録されたものです。視覚・聴覚・味覚の三つの感覚で初夏の到来をとらえたこの句は、江戸の人々の季節の愉しみ方を鮮やかに切り取っています。著書には『とくとくの句合』『俳諧五子稿』などがあり、山梨県北杜市には素堂の歌碑が現存しています。
参考リンク
8月15日の他の記念日
8月15日のカレンダー情報
8月の二十四節気・雑節
- 立秋(りっしゅう) 8月7日(金)
- 処暑(しょしょ) 8月23日(日)