愛酒の日 (記念日 8月24日)
- 本名
- 若山 繁(わかやま しげる)
- 生没年
- 1885年(明治18年)〜1928年(昭和3年)、享年43歳
- 出身地
- 宮崎県東臼杵郡坪谷村(現・日向市)
- 主な歌集
- 『海の声』(1908年)、『別離』(1910年)など
- 死因
- 肝硬変(一日一升の飲酒習慣による)
- 代表歌
- 「幾山河越えさり行かば寂しさの はてなむ国ぞ今日も旅ゆく」
「白玉の歯にしみとほる秋の夜の 酒はしづかに飲むべかりけり」——この句を残した歌人・若山牧水は、一日一升の酒を飲み続けながら旅と歌に生涯を捧げた人物です。1885年(明治18年)8月24日に宮崎県東臼杵郡坪谷村に生まれたこの日は「愛酒の日」として知られています。牧水の本名は繁(しげる)。18歳のとき、号を「牧水」と定めました。その由来について本人は、当時最も愛していたものの名をふたつ合わせたものだと語っています。「牧」は母の名「まき」から取り、「水」は生家のそばを流れる渓や降り注ぐ雨から来たものだといいます。母への深い愛情と、幼いころから親しんだ自然への思慕——その両方を名に刻んだところに、牧水という歌人の根っこがあります。
1904年に早稲田大学に進んだ牧水は、北原白秋や土岐善麿と親交を深め、文学的な薫陶を互いに与え合いました。1908年に英文学科を卒業すると同時に処女歌集『海の声』を刊行。「幾山河越えさり行かば寂しさの はてなむ国ぞ今日も旅ゆく」という一首はとりわけ広く知られ、旅と孤独を愛した牧水の心情を端的に物語っています。自然主義の思潮を受けた平明流麗な歌風は歌壇でも注目を集め、以後も精力的に作品を発表し続けました。
旅への情熱は生涯衰えることがありませんでした。各地を訪ね歩いては歌を詠み、その足跡は全国各地の歌碑として今も残っています。移動の多い暮らしの中でも欠かさなかったのが酒で、一日一升という量は並大抵のものではありませんでした。亡くなる前日にも1300ccを飲み、当日の朝食にも100ccほど口にしていたと伝わっています。こうした飲酒習慣が肝硬変を招き、1928年(昭和3年)、43歳という若さでその生涯を閉じました。
大酒飲みでありながら、牧水の酒の歌には荒々しさがありません。「酒はしづかに飲むべかりけり」という言葉通り、静かに、しみじみと杯を傾ける姿が目に浮かびます。旅の寂しさや自然の美しさ、人恋しさ——それらを丁寧に拾い集めて短歌に結晶させた牧水の歌は、飲む人の心にそっと寄り添い続けています。
8月24日の他の記念日
8月24日のカレンダー情報
8月の二十四節気・雑節
- 立秋(りっしゅう) 8月7日(金)
- 処暑(しょしょ) 8月23日(日)