石炭の日(クリーンコールデー) (記念日 9月5日)
- 制定年
- 1992年(平成4年)
- 制定団体
- 日本鉄鋼連盟など8団体・石炭エネルギーセンター
- 日付の由来
- 「ク(9)リーン・コ(5)ール」の語呂合わせ
- 主管機関
- 通商産業省(現:経済産業省)の呼びかけ
- 現機関名
- 一般財団法人カーボンフロンティア機構(JCOAL)
- 国際会議
- クリーン・コール・デー国際会議(2022年で第31回)
石炭は化石燃料の中でも特にCO2排出量が多い燃料として知られています。天然ガスと比べると単位発熱量あたりの排出量は約1.7倍にのぼります。にもかかわらず、石炭を「クリーン」と呼ぶ記念日が存在する——この一見した矛盾の背後には、排出量削減技術への真剣な取り組みがあります。9月5日の「石炭の日(クリーンコールデー)」は、その問いかけそのものを記念日に凝縮した日です。
この記念日は1992年(平成4年)、通商産業省(現:経済産業省)の呼びかけにより、日本鉄鋼連盟・電気事業連合会・日本石炭協会など8団体が制定しました。日付は「ク(9)リーン・コ(5)ール」という語呂合わせに由来します。石炭をクリーンなエネルギーへと転換するための技術開発をPRし、社会へ広く認知させることが制定の主眼でした。また、石炭エネルギーセンター(後の石炭フロンティア機構、現:カーボンフロンティア機構)も独自にこの日を制定し、技術開発・人材育成・事業化支援を通じてエネルギー政策を下支えしてきました。記念日は一般社団法人・日本記念日協会によって認定・登録されています。
「クリーンコール技術」とは何か。大きく分けると、燃焼効率を高めて同じ電力をより少ない石炭で得る技術と、発生したCO2を回収・貯留・利用するCCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)技術の2系統があります。前者の代表例が石炭ガス化複合発電(IGCC)です。石炭をガス化して燃焼させ、ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせることで発電効率を大幅に向上させる仕組みで、常磐共同火力勿来発電所が2013年に商業運転を開始。世界最長水準の連続運転記録と約42.9%という高い発電効率を達成しました。
CCS・CCUSは発電所や工場から排出されたCO2を分離・回収し、地中深くに圧入して貯留する技術です。北海道苫小牧では2016年度から実証実験が進められ、2019年11月には目標である累計30万トンのCO2注入に成功しています。さらに大崎クールゲンプロジェクトでは、石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)にCO2分離・回収を組み合わせた実証が進んでおり、発電端効率60%近くを目標に掲げています。
この日を中心として、全国各地の火力発電所で一般公開イベントが行われます。普段は立ち入ることのできない発電設備を間近に見られる機会として、地域住民の関心を集めてきました。カーボンフロンティア機構はクリーン・コール・デー国際会議を毎年開催し、石炭技術に関する最新知見を国内外の専門家と共有する場も設けています。2022年には第31回を数えるなど、30年以上にわたって続く国際的な技術情報交流の場となっています。
石炭は依然として世界の発電電力量の約3分の1を支える一次エネルギーです。再生可能エネルギーへの移行が急がれる一方、安定供給・コスト・既存インフラの観点から石炭火力の役割はすぐには消えません。クリーンコール技術の追求は、エネルギー安全保障と脱炭素のはざまで現実的な解を模索する取り組みといえます。「石炭の日」はその葛藤と挑戦の歴史を、毎年9月5日に静かに問いかけています。
参考リンク
9月5日のカレンダー情報
9月の二十四節気・雑節
- 白露(はくろ) 9月7日(月)
- 秋分(しゅうぶん) 9月23日(水)
- 秋の彼岸(ひがん)入り 9月20日(日)
- 二百十日(にひゃくとおか) 9月1日(火)
- 二百二十日(にひゃくはつか) 9月11日(金)
- 秋の社日(しゃにち) 9月23日(水)