男色の日 (記念日 9月9日)
- 日付の由来
- 重陽の節句(9月9日)。陽数の極「9」が重なる吉祥日
- 衆道の成立
- 平安時代の寺院社会に起源。武家社会へは室町〜戦国時代に伝播
- 関係する武将
- 織田信長と森蘭丸、武田信玄と高坂昌信など戦国武将に多数の記録
- 葉隠の記述
- 18世紀初頭成立。「想う相手は一生にただ一人」と衆道の心得を記す
- 衰退の時期
- 江戸時代後半に幕府の取り締まり強化により衆道文化は衰退
9月9日は、奇数の最大値である「9」が重なる日として、古来より「重陽の節句」と呼ばれてきました。陰陽思想では奇数を「陽数」とみなし、その極である9が二つ重なるこの日は、特別な力を持つ吉祥の節句とされています。この「重陽(ちょうよう)」という響きが「男性の陽」と通じることから、9月9日は「男色の日」として制定されました。
日本における男色の文化は、平安時代の寺院社会にその源流を持ちます。僧侶の世界では女性との交わりが戒律で禁じられていたこともあり、稚児(ちご)と呼ばれる少年への愛着が独自の文化として発展しました。やがてこの風習は武家社会へと伝播し、「衆道(しゅうどう)」という概念として武士道と深く結びついていきます。
衆道とは、年長の武士「念者(ねんじゃ)」と年少の武士「若衆(わかしゅ)」の間に結ばれる、精神的・肉体的な絆を指します。これは単なる性愛にとどまらず、念者が若衆を武士として育て上げる師弟関係でもありました。18世紀初頭に成立した武士道の古典『葉隠(はがくれ)』には、衆道の心得として「一生に想う相手はただ一人」「相手を何度も替えるのは言語道断」と記されており、誠実さと一途さが強く求められていました。織田信長と森蘭丸、武田信玄と高坂昌信など、戦国時代の名将たちも衆道の関係にあったと伝えられています。松尾芭蕉も男色を詠んだ句を残しており、衆道の文化が武家だけでなく文人の世界にも広がっていたことがうかがえます。江戸時代には「陰間(かげま)」と呼ばれる男性の性を売る職業も生まれ、歌舞伎の若衆方俳優がその役割を担うこともありました。
江戸時代後半になると幕府の風俗取り締まりが強まり、衆道は次第に表舞台から姿を消していきます。明治以降は西洋の価値観の流入とともに、かつて武士道と並び称された衆道の文化は歴史の陰に隠れていきました。しかし現代において、その歴史を学術的に見つめ直す動きは着実に広がっています。重陽の節句に制定されたこの記念日は、日本文化の多様な側面を再発見する一つの契機となっています。
参考リンク
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