周作忌 (記念日 9月29日)
- 生誕地
- 東京府北豊島郡西巣鴨町(現・豊島区北大塚)
- 没年齢
- 73歳(1996年9月29日没)
- 洗礼年
- 1935年(夙川カトリック教会)
- 芥川賞
- 1955年『白い人』で第33回受賞
- 代表作
- 『沈黙』『海と毒薬』『深い河』
- 雅号
- 狐狸庵山人(こりあんさんじん)
「神と人間の間で揺れる魂」を生涯かけて書き続けた遠藤周作が、1996年(平成8年)9月29日に慶應義塾大学病院で肺炎による呼吸不全のため73歳で亡くなりました。その忌日を「周作忌」と呼びます。代表作『沈黙』は、17世紀の日本でキリスト教弾圧に苦しむポルトガル人宣教師を描いた長編小説で、マーティン・スコセッシ監督によって映画化されるなど、没後も国際的な評価を受け続けている作品です。
遠藤周作は1923年(大正12年)3月27日、東京府北豊島郡西巣鴨町(現:東京都豊島区北大塚)に生まれました。銀行員の父の都合で幼少期を満洲で過ごし、10歳のときに両親が離婚。母に連れられて帰国し、12歳のときに伯母の影響で兵庫県西宮市の夙川カトリック教会で洗礼を受けます。この体験が、後の文学的主題の根幹となりました。「自分に合わない洋服を着せられた」と語ったキリスト教への違和感と、それでも信仰を手放せない葛藤が、彼の作品全体を貫くテーマとなっていきます。
慶應義塾大学文学部仏文科在学中から文芸雑誌『三田文学』に評論を発表し、卒業後はフランスのリヨン大学へ留学してカトリック文学を本格的に学びました。しかし肺結核を発症して帰国を余儀なくされ、以後も病との闘いが続きます。1955年(昭和30年)、小説『白い人』で第33回芥川賞を受賞。1957年(昭和32年)には日本人の罪の意識を掘り下げた『海と毒薬』を発表し、小説家としての地位を不動のものにしました。この作品は、旧日本軍による医学実験をモデルとした問題作で、「なぜ日本人には西洋的な罪の意識が根付かないのか」という問いを正面から突きつけています。
1966年(昭和41年)に発表した『沈黙』は第2回谷崎潤一郎賞を受賞し、国内外で高く評価されました。1980年(昭和55年)の『侍』は第33回野間文芸賞、1993年(平成5年)の『深い河(ディープリバー)』は毎日芸術賞をそれぞれ受賞。1979年(昭和54年)には日本芸術院賞、1995年(平成7年)には文化勲章を受章しています。雅号「狐狸庵山人(こりあんさんじん)」を名乗ってユーモアあふれるエッセイも多く手がけ、シリアスな純文学と軽妙な随筆という二つの顔を持つ作家でもありました。没後30年を経た現在も、『沈黙』をはじめとする作品は文庫で読み継がれ、信仰・罪・赦しを問う遠藤文学の問いは色あせていません。
参考リンク
9月29日の他の記念日
9月29日のカレンダー情報
9月の二十四節気・雑節
- 白露(はくろ) 9月7日(月)
- 秋分(しゅうぶん) 9月23日(水)
- 秋の彼岸(ひがん)入り 9月20日(日)
- 二百十日(にひゃくとおか) 9月1日(火)
- 二百二十日(にひゃくはつか) 9月11日(金)
- 秋の社日(しゃにち) 9月23日(水)