世界翻訳の日 (記念日 9月30日)

世界翻訳の日
制定団体
国際翻訳家連盟(FIT)
由来の人物
ヒエロニムス(347年頃〜420年)
国連制定年
2017年(平成29年)5月の総会
国内の制定
日本翻訳連盟(JTF)が「翻訳の日」に制定
聖書翻訳の時期
382年頃、ローマ教皇の要請により

9月30日は聖書のラテン語訳を完成させた神学者ヒエロニムスの命日です。1400年以上前に亡くなったこの人物の名が、現代の「世界翻訳の日」の起源になっています。国際翻訳家連盟(FIT:International Federation of Translators)がこの日を制定し、世界中の翻訳家・通訳者がその存在を示す日として広く知られるようになりました。

ヒエロニムス(347年頃〜420年)はアンティオキア教会の教父で、四大ラテン教父の一人に数えられます。382年頃、ローマ教皇の要請を受け、それまで乱立していた新約聖書のラテン語訳を統一しました。さらに旧約聖書もギリシア語とヘブライ語の原典から直接ラテン語に訳し直し、後に「ウルガータ聖書」として知られる版の基礎を作りました。この翻訳作業は単なる言葉の置き換えではなく、原典の解釈を伴う知的営みであり、ヒエロニムスは今日まで翻訳者の守護聖人と見なされています。

国際連合は2017年(平成29年)5月の総会で、この日を国際デーの一つ「国際翻訳デー(International Translation Day)」として正式に制定しました。国連の公式文書には、翻訳が国家間の対話・理解・協力を促し、世界の平和と安全の強化に貢献するという明確な認識が示されています。専門家による翻訳が外交や国際的な意思疎通の正確性を守る、という実務的な側面も理由として挙げられています。

日本国内では、一般社団法人・日本翻訳連盟(JTF:Japan Translation Federation)がこの9月30日を「翻訳の日」と定めています。翻訳に携わる人々の活動を社会に広く認知させることを目的としており、FITの国際的な枠組みと呼応する形で位置づけられています。なお、日本語での名称は「世界翻訳の日」と呼ばれることが多いですが、FITが制定した日としてはより正確には「国際翻訳の日」または「国際翻訳デー」と表記するほうが適切です。翻訳という行為は言語の壁を越えるだけでなく、文化・歴史・思想の文脈を丸ごと運ぶ作業であり、ヒエロニムスが原典語から丁寧に訳し出したラテン語聖書が中世ヨーロッパの知的基盤を形成したように、翻訳の精度と誠実さは後世に長く影響を及ぼします。この記念日は、そうした翻訳者の仕事に改めて敬意を向ける機会となっています。

9月30日のカレンダー情報

六曜 先負
吉日 神吉日、大明日、母倉日
月齢 19.0

9月の二十四節気・雑節

  • 白露(はくろ) 9月7日(月)
  • 秋分(しゅうぶん) 9月23日(水)
  • 秋の彼岸(ひがん)入り 9月20日(日)
  • 二百十日(にひゃくとおか) 9月1日(火)
  • 二百二十日(にひゃくはつか) 9月11日(金)
  • 秋の社日(しゃにち) 9月23日(水)