辞書の日 (記念日 10月16日)
- 英語表記
- Dictionary Day
- 由来となった人物
- ノア・ウェブスター(1758〜1843年)
- 主著出版年
- 1828年
- 収録語数
- 約7万3千語
- 現在の継承辞典
- Merriam-Webster辞典
「color」「center」「organize」——これらのスペルは、ある一人の人物が意図的に変えたものです。18世紀末のアメリカで、政治的独立を果たした若い国が言語においてもイギリスからの自立を模索する中、ノア・ウェブスターはアメリカ英語のスペルを体系的に改革し、独自の辞書を作り上げました。毎年10月16日の「辞書の日(Dictionary Day)」は、1758年のこの日に生まれたウェブスターの誕生日に由来しています。
ウェブスターが最初の辞書を出版したのは1806年のことです。約4万語を収録した『簡明英語辞典』がその第一歩でした。しかし彼の本当の野心はもっと大きなものでした。その後20年の歳月をかけて編纂を続け、1828年に出版した『アメリカ語辞典(An American Dictionary of the English Language)』は約7万3千語を収録。そのうち1万2千語はそれまでのどの辞典にも載っていない新しい語や語義でした。独立したばかりのアメリカ社会で生まれた新語や表現を積極的に取り込んだ結果です。
スペル改革にも情熱を注ぎました。イギリス式の「colour」「centre」「organise」を、それぞれ「color」「center」「organize」へ。発音と表記のずれを減らし、覚えやすく合理的なスペルを広めることが彼の目標でした。単なる慣習への反発ではなく、アメリカが独自の言語文化を持つべきだという確固たる信念に基づいたものでした。「アメリカの学問・教育の父」と呼ばれる所以です。
ウェブスターが85歳で亡くなった1843年、メリアム兄弟(ジョージ・アンド・チャールズ・メリアム社)が辞書の権利を買い取り、普及版を低価格で販売し始めました。これが現在の「Merriam-Webster」辞典の直接の源流です。彼の名前はブランドとして生き続け、今日もアメリカ英語の標準を示す辞典として参照されています。
辞書出版社では辞書の日を中心にさまざまなイベントを開催しています。この日は、言葉の意味や成り立ちを改めて調べてみるよい機会です。普段何気なく使っている英単語のスペルが、一人の人物の哲学と執念によって形作られたことを知ると、辞書の一ページ一ページが少し違って見えてくるかもしれません。
10月16日の他の記念日
10月16日のカレンダー情報
10月の二十四節気・雑節
- 寒露(かんろ) 10月8日(木)
- 霜降(そうこう) 10月23日(金)
- 秋の土用(どよう) 10月20日(火)