世界視聴覚遺産デー (記念日 10月27日)
- 制定年
- 2006年(平成18年)
- 制定機関
- ユネスコ(UNESCO)
- 由来となった出来事
- 第21回ユネスコ総会での勧告採択(1980年)
- 開催地
- 旧ユーゴスラビア・ベオグラード
- サイレント映画の消失率
- 約75%(米議会図書館調査)
- 日本の担当機関
- 国立映画アーカイブ(東京・京橋)
映画史の黎明期に撮影された作品の大半は、すでにこの世から消えてしまっている。アメリカ議会図書館の調査によれば、サイレント映画時代の作品のうち75%が現存せず、1929年以前に制作されたアメリカ映画に限ると実に約9割が失われたとも推計されています。日本でも1910年代の映画フィルムの現存率はわずか0.2%。映像という記録媒体が誕生して100年余りで、その大部分が永遠に失われてしまった現実があります。映画・テレビ番組・音楽録音物といった視聴覚資料は、ある時代の文化・言語・社会を映す鏡であり、一度失われれば二度と取り戻せない人類共通の遺産です。世界視聴覚遺産デーは、その保存の重要性を改めて問い直す機会として、毎年10月27日に世界各地で記念されています。
こうした危機的状況への国際的な認識を高めるために設けられたのが、この「世界視聴覚遺産デー」です。ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)が2006年(平成18年)に制定した国際デーで、英語表記は「World Day for Audiovisual Heritage」。記念日の由来は、1980年(昭和55年)のこの日、旧ユーゴスラビアのベオグラードで開催された第21回ユネスコ総会にさかのぼります。この総会で「動的映像の保護及び保存に関するユネスコ勧告」が採択され、映画・映像資料の保存が初めて国際的な課題として位置づけられました。
視聴覚資料が失われる理由は複合的です。フィルム自体の化学的劣化に加え、かつてはサイレント映画がトーキーに取って代わられた際に「商業的価値がない」として大量に廃棄されました。戦火や火災による物理的な消失も後を絶たず、近年ではデジタルデータの媒体・フォーマット陳腐化による消失も新たな脅威となっています。毎年テーマを掲げて開催されるこの記念日には、世界各国でショートフィルムの上映会や視聴覚資料の展示会など、多彩なイベントが行われます。
日本では国立映画アーカイブ(東京・京橋)がこの取り組みの中心を担っています。同アーカイブは約82,946本(2020年2月時点)のフィルムプリントを収蔵し、神奈川県相模原市の専用施設で温度・湿度管理のもとに保存しています。また「フィルムは記録する」プロジェクトを通じて、歴史映像のデジタル化・公開も積極的に推進しており、次世代へ映像文化を伝える取り組みが続けられています。
10月27日の他の記念日
10月27日のカレンダー情報
10月の二十四節気・雑節
- 寒露(かんろ) 10月8日(木)
- 霜降(そうこう) 10月23日(金)
- 秋の土用(どよう) 10月20日(火)