速記の日 (記念日 10月28日)
- 最初の講習会
- 1882年(明治15年)東京・日本橋で開催
- 考案者
- 田鎖綱紀(たくさり こうき、1854〜1938年)
- 異名
- 電筆将軍
- 記念日制定
- 1888年(明治22年)、講習会7周年記念会にて
- 制定・主催団体
- 公益社団法人・日本速記協会(東京都豊島区高田)
- 主な活動
- 速記技能検定の認定、速記競技会・パネル展示の実施
「電筆将軍」という異名をご存じでしょうか。明治時代、話し言葉をまるで電報のような速さで書き留めた人物、田鎖綱紀(たくさり こうき)に贈られた称号です。1882年(明治15年)のこの日、田鎖は東京・日本橋で「日本傍聴筆記法講習会」を開催しました。自ら考案した速記法を初めて公開したこの講習会が、日本における近代速記の出発点となりました。
速記(shorthand)とは、速記文字や速記符号と呼ばれる特殊な記号を使い、話し言葉をリアルタイムで書き留める技術です。通常の文字では追いつかない発言の速度を、簡略化された符号で捉えます。田鎖が考案した速記法はまさに実用的な記録術であり、国会や議会の議事録作成など、公的な場での記録を支える重要な技術として定着していきました。
講習会から6年後の1888年(明治22年)、田鎖は7周年記念会を開き、この日を「速記記念日」として正式に制定しました。以来、日本の速記文化の象徴的な日として受け継がれ、現在では東京都豊島区高田に事務局を置く公益社団法人・日本速記協会が中心となって「速記の日」として速記競技会やパネル展示などのイベントを実施しています。田鎖綱紀は1854年生まれ、1938年没。生涯を速記の普及に捧げ、84年の長命を全うしました。特殊な符号体系を独自に構築し、それを体系的に教授する講習会まで開いた先見性は、明治という変革期の気風を体現しています。
現代ではICレコーダーや音声認識技術が普及し、速記士の活躍の場は縮小傾向にあります。しかし、議会や法廷など高度な正確性が求められる場面では、熟練した速記士の技術がいまも不可欠です。日本速記協会は速記技能検定の認定も行っており、技術の継承と水準の維持に努めています。明治の日本橋から始まった一つの記録術が、140年以上の時を経てなお専門技術として生き続けていることは、速記という仕事の本質的な価値を示しています。
参考リンク
10月28日の他の記念日
10月28日のカレンダー情報
10月の二十四節気・雑節
- 寒露(かんろ) 10月8日(木)
- 霜降(そうこう) 10月23日(金)
- 秋の土用(どよう) 10月20日(火)