お香文化の日 (記念日 11月5日)

お香文化の日
制定団体
愛知県薫物線香商組合
記念日認定
2020年(令和2年)、日本記念日協会
日付の由来
「いい(11)おこ(5)う」の語呂合わせ
組合設立
1956年(昭和31年)11月
日本最古の記録
推古天皇3年(595年)、淡路島への沈水漂着

1400年以上前の夏、淡路島の浜辺に見慣れない流木が打ち上げられました。島民がその木を薪にしようと燃やすと、周囲一帯に不思議なほど芳しい香りが漂い、驚いた人々はその流木を朝廷に献上したといいます。『日本書紀』に記された推古天皇3年(595年)のこの出来事が、日本における香木の最古の記録です。「お香文化の日」の11月5日は、こうした長い歴史を持つお香の文化を広く伝えることを目的に制定された記念日です。

「いい(11)おこ(5)う」(いいお香)という語呂合わせを日付の由来とし、愛知県薫物線香商組合が制定しました。同組合は1956年(昭和31年)11月に「愛知県線香卸商組合」として設立された団体です。戦後11年を経て社会が安定するにつれ、一時途絶えていた国民の宗教心が復活し、線香業界が活況を取り戻したことで、業界全体を盛り上げようという気運の中から生まれました。記念日は2020年(令和2年)に一般社団法人・日本記念日協会に認定・登録されています。

「お香」とは、天然香木やその香りを指すだけでなく、線香・練香・抹香・匂い袋など多様な香りものの総称でもあります。使い方によって、火をつけて香りを立ち昇らせる焼香と、燃やさずに体に直接塗る塗香に大別されます。その歴史をさかのぼれば、5000年前の古代エジプトにまで行き着きます。当時は香料がミイラ作りの防腐剤として使われており、王や神官が神にお香を捧げる場面がピラミッドの壁画にも描かれています。宗教と香りは、文明の誕生とほぼ同時に深く結びついていたことがわかります。

日本でも、お香は古くから文学や文化の中に溶け込んできました。平安時代の随筆『枕草子』や長編物語『源氏物語』にはお香にまつわる記述が随所に登場し、貴族たちが香りの調合を競い合う「薫物合(たきものあわせ)」という遊びも盛んに行われました。香りは美意識や教養と深く結びついた、当時の上流文化の重要な一要素でした。また、4月18日には「お香の日」という別の記念日も存在します。これは、『日本書紀』の故事の月「四月」と、「香」という漢字が「一十八日」と分解できることを組み合わせたもので、同じ香文化にまつわる記念日として対をなしています。

現代においてお香は、仏事や神事での利用にとどまらず、アロマテラピーやインテリアの一部として日常生活に取り入れられるようになっています。愛知県薫物線香商組合が制定したこの記念日は、そうした親しみやすい入り口からお香文化の奥深さへと触れてもらうきっかけを、より多くの人に届けることを願っています。

11月5日のカレンダー情報

六曜 仏滅
吉日 天恩日
月齢 25.5

11月の二十四節気・雑節

  • 立冬(りっとう) 11月7日(土)
  • 小雪(しょうせつ) 11月22日(日)