知恵の日 (記念日 11月7日)
- 制定者
- 朝日新聞社
- 制定年
- 1988年(昭和63年)
- 書籍創刊
- 1989年11月(1990年版)
- 紙媒体の休刊
- 2007年版を最後に休刊
- オンライン移行
- 2008年「みんなの知恵蔵」開設
- 現在の提供
- 2009年〜「コトバンク」内で提供
毎年11月に書店に並ぶ分厚い一冊が、日本人の「時代を読む力」を支えてきた。朝日新聞社が発行する現代用語事典『朝日現代用語 知恵蔵』は、創刊から20年近くにわたって政治・経済・文化・科学など幅広い分野の最新用語を解説し、受験生からビジネスパーソンまで幅広い読者に親しまれた一冊です。3月14日の「知恵の日」は、この『知恵蔵』の発刊を記念して1988年(昭和63年)に朝日新聞社が制定した記念日です。『知恵蔵』の創刊は1989年11月(1990年版)のことです。当時は情報を体系的にまとめた書籍が知識獲得の主要な手段であり、毎年更新される現代用語事典は「今年の世の中を知る」ための必携書でした。収録語数は版を重ねるごとに増え、社会の複雑化・専門化にともなって解説の密度も高まっていきました。受験対策としての需要も大きく、時事問題に強くなりたい学生たちが年末の書店でこの一冊を手に取る光景は、ひとつの風物詩でもありました。
しかしインターネットの急速な普及が、紙の用語事典の存在意義を大きく揺るがします。検索エンジンで瞬時に情報が得られる時代になると、年一度の更新では鮮度で勝負できなくなり、販売部数は右肩下がりが続きました。こうした状況を受け、2007年版を最後に紙媒体での発行は休止されます。約18年間にわたって毎年刊行されてきた書籍としての『知恵蔵』は、静かに幕を下ろしました。
それでも「知恵蔵」というブランドはデジタルの世界で生き続けます。2008年6月には朝日新聞社とECナビの共同で用語解説サイト「みんなの知恵蔵」がオープンし、無料でのオンライン提供が始まりました。そして翌2009年4月23日、朝日新聞社・講談社・小学館・朝日新聞出版・ECナビの5社が共同で用語解説サイト「コトバンク(kotobank)」を開設。知恵蔵の内容は「知恵蔵mini」として約43万語を収録するこのプラットフォームに統合され、現在も参照することができます。
紙からデジタルへという変遷は、知識の届け方そのものの変化を象徴しています。「知恵の日」は単に一冊の本の誕生を祝う日ではなく、時代とともに知識のあり方を問い直すきっかけとしても捉えられます。手元に一冊の事典を置いて言葉の意味をじっくりたどる行為と、検索窓に文字を打ち込んで瞬時に情報を得る行為——どちらが「知恵」に近いのかを考えてみるのも、3月14日ならではの過ごし方かもしれません。
参考リンク
11月7日の他の記念日
11月7日のカレンダー情報
11月の二十四節気・雑節
- 立冬(りっとう) 11月7日(土)
- 小雪(しょうせつ) 11月22日(日)