にかわの日 (記念日 11月7日)

にかわの日
制定者
日本ゼラチン・コラーゲンペプチド工業組合
日付の由来
1963年(昭和38年)11月7日に日本にかわ・ゼラチン工業組合の創立総会が開催されたことから
主成分
ゼラチン(動物の皮・骨・筋を煮出して得られるタンパク質)
主な用途
弦楽器の製作・修理、日本画の顔料固着材、和弓・工芸品の接着
関連記念日
ゼラチンの日(7月14日)、ゼリーの日(7月14日)、コラーゲンペプチドの日(11月12日)
認定
一般社団法人 日本記念日協会

バイオリンやチェロの弦が奏でる豊かな音色の裏には、数千年前から使われ続ける天然の接着剤が隠れています。「にかわ」(膠)——動物の皮や骨を煮出して作るこの素材は、弦楽器の製作において木材同士を精密に固定し、音の振動を余すところなく伝える役割を担っています。11月7日の「にかわの日」は、そんな知られざる素材の存在を広めようと制定された記念日です。にかわの歴史は古代エジプトにまで遡ります。動物由来のタンパク質を加熱・抽出して得られるゼラチンが主成分で、日本へは7世紀ごろ、仏教文化とともに墨の原料として伝わったとされています。絵画の顔料を紙や板に定着させる「絵具の固着材」としても、日本画の世界では欠かせない存在です。和弓の製造や建具、工芸品の接着にも長く活用されており、人の生活のあらゆる場面で静かに機能してきた素材といえます。

弦楽器の製作・修理においてにかわが選ばれる理由は、音響特性と可逆性の二点にあります。合成接着剤と異なり、にかわは木材と近い弾性をもつため、接合部が音の振動を吸収せず、楽器本来の響きを保ちます。そして湿気や水分を与えることで接着を解除できるという性質が、修理のしやすさにつながっています。数百年前に製作されたヴァイオリンが現在も演奏されている背景には、にかわによってパーツの取り外しと再接着が繰り返し可能だという事実があります。

日付の由来は1963年(昭和38年)11月7日。この日、日本にかわ・ゼラチン工業組合の創立総会が開催され、現在の「日本ゼラチン・コラーゲンペプチド工業組合」へと続く業界団体の第一歩が踏み出されました。同組合はほかに7月14日を「ゼラチンの日」「ゼリーの日」、11月12日を「コラーゲンペプチドの日」として制定しており、ゼラチン・コラーゲン関連素材の普及活動を幅広く展開しています。

にかわは動物の皮や骨という食品・皮革加工の副産物を原料とするため、廃棄物を有効活用する環境負荷の低い接着剤でもあります。生分解性が高く、土壌や水系への影響も少ない点で、現代のサステナビリティの観点からも改めて注目を集めつつあります。何千年もの時を経て、職人の手仕事の中で磨かれてきた天然素材の知恵は、今日も音楽ホールに響く弦の音の中に生き続けています。

11月7日のカレンダー情報

六曜 赤口
吉日 一粒万倍日、神吉日
月齢 27.5

11月の二十四節気・雑節

  • 立冬(りっとう) 11月7日(土)
  • 小雪(しょうせつ) 11月22日(日)