九州森林の日 (記念日 毎月第2日曜日、11月第2日曜日)
- 制定年
- 2008年(平成20年)5月22日
- 制定主体
- 九州7県と九州森林管理局
- 日付
- 11月第2日曜日(毎年変動)
- 主なイベント
- 植樹祭(針葉樹・広葉樹の苗木を植樹)
- 目的
- 豊かな森林を守り育て未来に引き継ぐ
九州の森林は、国土面積の約7割を占める日本の中でも特に豊かな緑に恵まれた地域です。その九州7県と九州森林管理局が一体となって森林保全への決意を示したのが、2008年(平成20年)5月22日の「九州森林づくりに関する共同宣言」です。この宣言の中で制定されたのが「九州森林の日」——毎年11月の第2日曜日に定められた、緑の未来を誓う記念日です。
九州は古くから林業が盛んな地域であり、スギやヒノキの人工林が広がる一方、照葉樹林や屋久杉のような原生的な森林も残る多様な植生を誇ります。林野庁の統計によれば、九州・沖縄の森林面積は広大で、木材生産量においても全国有数の産地として知られています。しかし、林業従事者の高齢化や木材価格の低迷による管理放棄、また近年の気候変動による豪雨被害など、九州の森が直面する課題は少なくありません。
「九州森林の日」が掲げる目的は、豊かな森林を大切に守り育て、未来の世代へ引き継ぐことです。この理念のもと、毎年11月には「植樹祭」が九州各地で開催されます。市民や企業、森林ボランティア団体などが幅広く参加し、針葉樹や広葉樹の苗木を丁寧に植え付けていく活動は、地域ぐるみで森を育てるという文化を着実に根付かせています。参加者の中には家族連れも多く、子どもたちが土に触れながら森の大切さを肌で感じられる場としても親しまれています。
森林はただ木材を生産するだけの場ではありません。雨水を蓄えて河川の水量を安定させる「緑のダム」として機能し、土砂崩れや洪水を防ぐ防災林の役割も果たします。さらに二酸化炭素を吸収することで気候変動の緩和にも貢献しており、その恵みは森から遠く離れた都市生活にまで及んでいます。九州森林の日は、そうした森の多面的な価値を改めて見つめ直すきっかけを与えてくれる日でもあります。
宣言から20年近くが経ち、植樹祭で植えられた苗木の中には、すでに立派な若木へと育ったものもあるでしょう。その静かな積み重ねこそが、九州の緑を守り続ける力の源です。