録音文化の日 (記念日 11月16日)
- 実験日
- 1878年(明治11年)11月16日
- 実験者
- ジェームズ・アルフレッド・ユーイング(英国)
- 実験場所
- 東京大学
- 使用機器
- 蓄音機(蘇言機)
- 現在の所在
- 国立科学博物館(重要文化財)
- 制定者
- 日本記録メディア工業会
現在も国立科学博物館に保管されている一台の機器が、日本の録音の歴史をすべて担っています。「蘇言機」(そごんき)と呼ばれたその蓄音機を携えて東京大学に現れたのは、1878年(明治11年)11月16日のこと。お雇い外国人教師として来日していたイギリスの物理学者ジェームズ・アルフレッド・ユーイングが、この機器を使って日本で初めて音の録音と再生の実験を行いました。
ユーイングは1855年生まれのスコットランド出身の物理学者で、明治政府の招きで来日し、東京大学で工学・物理学を教えていました。彼が持参した蓄音機は、エジソンが1877年に発明した錫箔(すずはく)フォノグラフの初期型にあたるもので、発明からわずか1年後に日本へ渡ってきた計算になります。エジソン自身が特許を取得したばかりの新技術が、海を越えてすぐに日本でも実演されたことは、当時の文明開化の速度を物語っています。
蓄音機を意味する「蘇言機」という言葉自体も興味深い命名です。「言葉を蘇らせる機械」という意味が込められたこの和訳からは、音を記録して再生するという概念が当時の人々にとってどれほど驚異的なものに映ったかが伝わってきます。その実物が現在も国立科学博物館に重要文化財として収蔵されており、見学することができます。「録音文化の日」は、録音・録画・情報処理用の記憶メディアの製造事業者が集まる日本記録メディア工業会が、この歴史的な実験の日付にちなんで制定しました。磁気テープからCD、DVDへ、さらにはフラッシュメモリやクラウドストレージへと記録メディアの形は変化し続けています。しかし、「音や映像を記録して後から再生する」という発想の原点はすべて、明治の東京大学に持ち込まれたあの蘇言機にさかのぼります。
11月16日の他の記念日
11月16日のカレンダー情報
11月の二十四節気・雑節
- 立冬(りっとう) 11月7日(土)
- 小雪(しょうせつ) 11月22日(日)