交通事故による犠牲者を追悼する世界デー (記念日 毎月第3日曜日、11月第3日曜日)
- 国連制定
- 2005年(平成17年)10月
- 英語名
- World Day of Remembrance for Road Traffic Victims
- 毎年の開催日
- 11月の第3日曜日
- 活動の起源
- 1993年、英国NGO「RoadPeace」による追悼活動
- 世界の年間死者数(WHO)
- 約135万人(2018年報告)
- 死因順位(5〜29歳)
- 世界の死因第1位
世界では毎年約135万人が交通事故で命を落とす。1日あたり3,700人、24秒に1人という計算になる。WHOが2018年に発表した報告書が示したこの数字は、交通事故が世界規模の公衆衛生問題であることを改めて浮き彫りにした。「交通事故による犠牲者を追悼する世界デー」は、この膨大な死傷者と、遺された家族・友人を想うために設けられた国際デーである。
起源は1993年(平成5年)、イギリスのNGO団体「RoadPeace」が始めた追悼活動にさかのぼる。ロードピースは交通事故の被害者遺族が設立した団体で、毎年11月の第3日曜日に追悼イベントを実施してきた。この取り組みはヨーロッパ各国に広がり、世界保健機関(WHO)が共同提唱に加わる形で国際的な運動へと発展した。2005年(平成17年)10月の国連総会で正式に国際デーとして制定され、英語名は「World Day of Remembrance for Road Traffic Victims」とされている。
交通事故による死者数の9割以上は低・中所得国で発生しており、5歳から29歳の年齢層では交通事故が死因の第1位を占める。亡くなるのはドライバーだけではない。歩行者・自転車利用者・バイク乗車中の人が犠牲者全体の半数以上を占めており、移動弱者が不均衡に大きなリスクを負っている構造が続いている。
この国際デーには三つの目的がある。一つは、交通事故・交通犯罪で死傷した被害者とその家族への追悼と連帯。二つ目は、交通安全および被害者支援の重要性についての社会的啓発。三つ目は、現場で対応する救急隊員・警察官・医療専門家への謝意を示すことである。記念式典やキャンドルサービスが世界各地で開催される一方、交通安全政策の見直しを求める声明が国際機関や市民団体から発表される機会にもなっている。
日本では、年間の交通事故死者数は1970年代のピーク時に1万6,000人を超えていたが、シートベルト着用義務化や飲酒運転の厳罰化、道路インフラの整備などが積み重なり、近年は2,000人台から3,000人台前半で推移している。絶対数は減少しているものの、高齢歩行者の比率が高まるなど課題の内訳は変化しており、「減り続ける数字」の背後にある個々の事情は変わらず重い。