緑のおばさんの日 (記念日 11月19日)

緑のおばさんの日
制度開始
1959年(昭和34年)
創設地
東京都
創設当初の日当
315円
全国普及開始
1961年(昭和36年)以降
東京都正職員化
1965年(昭和40年)
愛称の由来
緑色の制服・帽子(交通安全のシンボルカラー)

戦後まもない東京の路上に、緑の制服を纏った女性たちが立ち始めたのは1959年(昭和34年)のことです。学童擁護員、通称「緑のおばさん」の制度がこの日スタートし、子どもたちの登下校を交通事故から守る役割を担うことになりました。制度誕生の背景には、経済成長の陰に潜む社会的課題がありました。戦後の復興が進む一方、まだ女性が就ける職場は限られていた時代、夫を戦争や病気で失った寡婦たちの雇用対策として、この職業は創設されました。人を守りながら自らも生計を立てるという、実に二重の意味を持つ制度だったのです。

「緑のおばさん」という愛称は、交通安全のシンボルカラーである緑色の制服と帽子に由来します。創設当初の勤務時間は午前2時間・午後3時間の計5時間、日当はわずか315円。現代の物価感覚では想像しがたい報酬ですが、当時の臨時職員としては一定の収入源となっていました。その後、制度は1961年(昭和36年)以降に全国各地へと広がり、1965年(昭和40年)には東京都の正職員へと昇格を果たしました。

しかし時代は移ろいます。少子化による児童数の減少、自治体財政の逼迫、そして自動車交通量の変化は、制度の在り方そのものを問い直す契機となりました。近年では存廃をめぐる議論が各地で起こっており、廃止・縮小に踏み切る自治体も現れています。一方で、地域コミュニティとの絆や見守りの安心感を重視し、制度を維持・継続する自治体も少なくありません。

寡婦の雇用対策として生まれた制度が、長い年月をかけて「地域の安全を守る存在」として社会に根付いた歴史は、単なる交通安全の話にとどまりません。戦後日本の社会保障の歩みと、高度成長期から現代に至る都市交通の変容が、緑の制服の中に刻み込まれています。

11月19日のカレンダー情報

六曜 友引
吉日 一粒万倍日、神吉日、母倉日
月齢 9.8

11月の二十四節気・雑節

  • 立冬(りっとう) 11月7日(土)
  • 小雪(しょうせつ) 11月22日(日)