ノーベル賞制定記念日 (記念日 11月27日)
- 遺言署名日
- 1895年11月27日
- 第1回授賞式
- 1901年12月10日(ノーベルの命日)
- 基金額
- 約168万ポンド(遺産のほぼ全額)
- 授賞分野
- 物理学・化学・生理学医学・文学・平和・経済学
- 授賞式の場所
- ストックホルム(平和賞のみオスロ)
爆薬の発明者が、平和賞を設けた——この逆説こそ、ノーベル賞の最大の謎であり、最大の魅力です。1895年11月27日、スウェーデンの化学者アルフレッド・ノーベルは、パリで一枚の遺言状に署名しました。自らが発明したダイナマイトで築いた巨万の富を、人類の進歩に貢献した人物へ贈り続けるよう命じた、あの遺言です。
ノーベルがダイナマイトを発明したのは1867年のことです。ニトログリセリンは当時すでに知られていた強力な爆薬でしたが、衝撃に敏感で扱いが極めて危険でした。ノーベルはこれを珪藻土に染み込ませることで安定させ、商業化に成功します。この発明は採掘・土木工事に革命をもたらし、ノーベルは莫大な財を成しました。しかし同時に、軍事利用が急速に広まり、彼自身は「死の商人」と呼ばれることを深く苦にしていたと伝わっています。
遺言の内容が公開されると、親族や関係者から強い反発が起きました。財産のほぼ全額——約168万ポンド——を基金として運用し、その利子を毎年、物理学・化学・生理学医学・文学・平和の5分野で顕著な貢献をした人物に授与せよという内容は、あまりにも大胆なものでした。遺言の有効性をめぐる法的争いも含め、ノーベル財団の設立には数年を要しています。ノーベルの死から5年後の1901年12月10日、第1回ノーベル賞授賞式がついて行われました。12月10日はノーベルの命日であり、以来この日が授賞式の日付として定められています。授賞式の会場は原則としてスウェーデンの首都ストックホルムですが、平和賞だけは隣国ノルウェーの首都オスロで行われます。これはノーベルの遺言に由来するもので、当時スウェーデンとノルウェーが同君連合を構成していた歴史的経緯が背景にあります。
当初の5分野に経済学賞が加わったのは1969年のことで、スウェーデン国立銀行の創立300周年を記念して設けられました。厳密にはノーベルの遺言に基づくものではないため、「ノーベル記念経済学賞」と区別されることもあります。こうして現在の「5分野+1分野」という形が整いました。
爆薬で世界を変えた男が、知性と平和への貢献を永遠に称えることを選んだ——その選択の重みは、授賞式のたびに世界中で問い直されます。ノーベル賞制定記念日は、科学と人類の責任という、いまも続く問いの原点を思い起こさせる日です。
11月27日の他の記念日
11月27日のカレンダー情報
11月の二十四節気・雑節
- 立冬(りっとう) 11月7日(土)
- 小雪(しょうせつ) 11月22日(日)