鉄の記念日 (記念日 12月1日)

鉄の記念日
制定年
1958年(昭和33年)、日本鉄鋼連盟が制定
製鉄成功日
1857年(安政4年)12月1日(旧暦)
場所
岩手県釜石市甲子町大橋(橋野高炉)
大島高任
1826〜1901年、日本近代製鉄の父
世界遺産登録
橋野高炉跡、2015年に世界文化遺産登録
製法の特徴
鉄鉱石を用いた国内初の洋式高炉・連続出銑

1857年(安政4年)12月1日(旧暦)、岩手の山中で一筋の鉄が流れ出ました。南部藩の鉱山学者・大島高任が洋式高炉に火を入れ、日本で初めて鉄鉱石から銑鉄を連続して取り出すことに成功した瞬間です。その場所は現在の釜石市甲子町大橋。鎖国の時代に蘭学で西洋の製鉄技術を吸収した一人の学者が、ここで日本の産業史を塗り替えました。

大島高任は1826年(文政9年)、盛岡藩の侍医の家に生まれました。17歳で江戸へ上京して蘭学を学び、さらに長崎へ渡って西洋の採鉱・精練技術を習得しました。彼が参考にしたのはオランダ砲兵少将ユイッセンの理論であり、それをもとに自ら設計・指揮して洋式高炉を建設しました。従来の日本の製鉄はたたら製法が主流であり、鉄鉱石から連続して銑鉄を得ることは国内では前例がありませんでした。大島の成功は、まさしく技術的な飛躍でした。高炉が置かれた橋野の地は、良質な鉄鉱石と豊かな森林資源に恵まれており、大島はその条件を見極めて高炉を3基建設しました。釜石の製鉄業はここから本格的に動き出し、明治維新後も大島は政府の技術者として重用され、近代日本の鉱業行政を長きにわたって支えました。

「日本近代製鉄の父」という称号は、そうした生涯を通じた貢献への評価です。橋野高炉跡は現在、国の史跡に指定されているほか、2015年には「明治日本の産業革命遺産」の構成資産として世界文化遺産に登録されました。岩手の山あいに残る石積みの炉は、160年以上の時を越えてその形をとどめています。

「鉄の記念日」は、日本鉄鋼連盟が1958年(昭和33年)に制定しました。この年は大島の偉業からちょうど100年にあたり、製鉄の歴史が2世紀目に入ったことを記念する意味が込められています。現在もこの日を中心に、鉄に関する展示会やイベントが各地で開催されます。鉄は自動車・建築・家電など現代生活のあらゆる場面に不可欠な素材であり、その歴史の起点として12月1日は静かに刻まれています。

12月1日のカレンダー情報

六曜 友引
吉日 一粒万倍日、神吉日、大明日、天恩日、母倉日
月齢 21.8(下弦の月)

12月の二十四節気・雑節

  • 大雪(たいせつ) 12月7日(月)
  • 冬至(とうじ) 12月22日(火)