個人タクシーの日 (記念日 12月3日)
- 初許可日
- 1959年(昭和34年)8月11日
- 初回許可人数
- 東京都で173人
- 許可条件
- 40〜50歳・3年間無事故無違反の優良運転手
- 記念日制定
- 2009年(平成21年)、制度50周年に全国個人タクシー協会が制定
- 神風タクシー事故
- 1958年、東大赤門前で学生が死亡する事故が社会問題化
- 制度の目的
- タクシー不足の解消と神風タクシー(無謀運転)の根絶
昭和30年代の東京の街では、「神風タクシー」と呼ばれる危険な運転をするタクシーが社会問題となっていました。戦時中の特攻隊になぞらえたその名のとおり、赤信号の無視、急発進・急停車、強引な追い越しが日常茶飯事で、歩合給を少しでも多く稼ごうとする運転手たちが競うように無謀な走りを繰り広げていました。1958年(昭和33年)には東京大学の赤門前で、暴走するタクシーに学生がはねられて即死するという衝撃的な事故も起き、世論の怒りは頂点に達しました。
こうした背景のなか、タクシー業界の信頼回復と安全輸送の実現に向けた打開策として生まれたのが「個人タクシー」という制度です。1959年(昭和34年)8月11日、東京都において40〜50歳で3年間無事故・無違反という厳格な条件をクリアした優良運転手173人に、初めて個人タクシーの営業許可が下りました。この日が「個人タクシーの日」の由来となっています。単に免許を与えるのではなく、長年の実績と安全への責任感が認められた運転手だけが選ばれたという点に、この制度の本質が凝縮されています。個人タクシーが誕生した1959年は、東京オリンピックの開催(1964年)が決定した年でもありました。日本の国際的なイメージを守るため、道路交通法の厳格な運用が進み、神風タクシーへの警察の取り締まりも強化されました。個人タクシーの創設はこうした時代の要請にも合致し、安全運転を体現するドライバーたちの存在が業界全体の意識改革を促す象徴となっていきました。
その後、個人タクシーは「乗って安心」という評判を積み重ね、事故率の低さでも法人タクシーとの差を示してきました。自分の名前と信用を直接かけて営業する個人事業主としての責任感が、丁寧な運転や接客に自然と表れるのでしょう。2009年(平成21年)には制度誕生から50周年を迎え、一般社団法人・全国個人タクシー協会がこの日を記念日として正式に制定しました。半世紀以上にわたり、安全で確実な交通手段として都市の移動を支えてきた個人タクシーの歴史は、昭和の混乱期に生まれた社会的な知恵の結晶といえます。
12月3日の他の記念日
12月3日のカレンダー情報
12月の二十四節気・雑節
- 大雪(たいせつ) 12月7日(月)
- 冬至(とうじ) 12月22日(火)