シーラカンスの日 (記念日 12月20日)
- 学術調査の日
- 1952年(昭和27年)
- 初確認
- 1938年、南アフリカ沖
- 現存種数
- 2種(コモロ産・インドネシア産)
- 生息深度
- 水深150〜700メートル
- 出現年代
- 約4億年前(古生代デボン紀)
- 学名
- Coelacanthiformes
6500万年前に絶滅したはずの生き物が、現代の海で生きていた。シーラカンスが「生きた化石」と呼ばれる所以は、この衝撃的な事実にあります。1938年に南アフリカ沖で初めて現存個体が確認されてから、科学者たちが待ち望んでいた本格的な学術調査がついに実現したのが1952年(昭和27年)のこの日で、アフリカ・マダガスカル島沖での捕獲によってその謎の生態が初めて詳細に明らかになりました。
シーラカンスの歴史は古く、約4億年前の古生代デボン紀にさかのぼります。当時は世界中の海に広く分布し、100種類を超える仲間が栄えていました。しかし現在生き残っているのはわずか2種のみ。アフリカ東岸のコモロ諸島周辺に生息する「ラティメリア・カルムナエ」と、1998年にインドネシアで発見された「ラティメリア・メナドエンシス」です。大多数の仲間が地球史の荒波に飲み込まれる中、この2種だけが奇跡的に生き延びてきました。
1952年の学術調査で最も驚かれたのは、化石として知られる古代のシーラカンスと現代個体の形態がほとんど変わっていないという事実でした。体長は最大2メートル超、体重90キログラムに達し、深海150〜700メートルの暗闇に生息しています。全身を覆う硬いコズミン鱗は外敵から身を守る鎧の役割を果たし、胸びれや腹びれは支柱状の骨と筋肉で動く独特の構造を持ちます。この「肉質の鰭(ひれ)」は、脊椎動物が陸上へ進出する際の手足の起源に近い形態として、進化生物学の観点からも極めて重要視されています。
繁殖様式も独特で、シーラカンスは卵胎生です。体内で卵を孵化させ、体長30センチほどに成長した状態で子を産みます。妊娠期間は13ヶ月に及ぶとも言われ、魚類の中でも異例の長さです。長い妊娠期間、ゆっくりした代謝、深海という過酷な環境——こうした条件が重なることで、シーラカンスは数億年という想像を絶する時間をかけて、ほぼ同じ姿のままで生き続けてきたと考えられています。
学名「Coelacanthiformes」、英名「Coelacanth」。1952年のあの日、一匹の深海魚が引き上げられたことで、生命の歴史に対する人類の理解は大きく塗り替えられました。絶滅と生存の境界線は、私たちが思うよりもずっと曖昧なのかもしれません。
12月20日の他の記念日
12月20日のカレンダー情報
12月の二十四節気・雑節
- 大雪(たいせつ) 12月7日(月)
- 冬至(とうじ) 12月22日(火)