霧笛記念日 (記念日 12月20日)

霧笛記念日
設置日
1879年(明治12年)12月20日
設置場所
尻屋埼灯台(青森県下北半島最北端)
吹鳴パターン
20秒おきに4秒間
灯台初点灯
1876年(明治9年)
前身
1877年設置の霧鐘(振動による損傷で2年で廃止)
霧笛廃止
2010年(平成22年)3月、全国で廃止

1879年(明治12年)12月20日、津軽海峡に面した青森県下北半島最北端の尻屋埼灯台に、日本で初めて霧笛が設置されました。霧笛とは、濃霧や吹雪で視界が遮られたとき、音によって灯台の位置を船に知らせる音響標識です。この地に霧笛が必要とされたのには、津軽海峡という水域の特性が深く関わっています。太平洋と日本海を結ぶ津軽海峡は古くから重要な航路であり、霧の発生も多く、座礁・衝突といった海難事故が絶えない難所でした。

実は霧笛が設置される2年前の1877年(明治10年)、同じ尻屋埼灯台には日本初の「霧鐘」が取り付けられていました。しかし鐘を打つ振動が壁を傷める問題が生じ、わずか2年で役割を終えます。その後継として採用されたのが蒸気式の霧笛で、20秒おきに4秒間、轟くような低音を海上に響かせました。蒸気を利用して大きなダイアフラムを振動させる仕組みで、音は最大で十数キロメートル先まで届くとされています。船乗りたちはこの規則的な音を頼りに、霧の中でも自分の位置を確認しながら海峡を渡りました。

尻屋埼灯台そのものは1876年(明治9年)に初点灯しており、イギリス人技師リチャード・ヘンリー・ブラントンの指導のもと建設されました。白亜の煉瓦造りで高さ約32.8メートル、現在も現役で稼働しています。その歴史的価値が評価され国の重要文化財(建造物)に指定されており、寒立馬が放牧される荒涼とした岬の風景とともに、明治の洋式灯台建設の遺産として今に伝えられています。霧笛はその後、無線標識やGPSの普及とともに役割を失い、日本全国の霧信号所は2010年(平成22年)3月までにすべて廃止されました。130年以上にわたって霧の海を航く船を守り続けた音は、もう二度と聞くことができません。

12月20日は、光と音で命をつないできた航路標識の歴史を静かに振り返る日です。

12月20日のカレンダー情報

六曜 仏滅
吉日 天恩日
月齢 11.1

12月の二十四節気・雑節

  • 大雪(たいせつ) 12月7日(月)
  • 冬至(とうじ) 12月22日(火)