シネマトグラフの日 (記念日 12月28日)
- 初上映日
- 1895年12月28日
- 発明者
- オーギュスト・リュミエールとルイ・リュミエール
- 初上映の場所
- パリ・グラン・カフェ地階
- 初日の観客数
- 約33人
- 上映作品数
- 10本
- 改良元の装置
- エジソンのキネトスコープ
- 製作総本数
- 10年間で1422本
1895年12月28日の夜、パリのグラン・カフェ地階にある「サロン・ナンディアン」に集まった33人の観客は、スクリーンに映し出される動く映像を前に息をのんだ。これが人類が初めて「映画」を体験した瞬間であり、兄オーギュストと弟ルイのリュミエール兄弟が世に送り出したシネマトグラフの有料公開初日でした。
リュミエール兄弟がシネマトグラフの開発に着手したきっかけは、アメリカの発明王エジソンが1894年に公開したキネトスコープでした。キネトスコープは箱の中を一人ずつ覗き込む方式で、動く映像を楽しめる画期的な装置だったが、一度に大勢で鑑賞することはできなかった。父アントワーヌからの勧めもあり、兄弟は「スクリーンに映像を投影する」という発想の転換で、この課題を一気に解決した。シネマトグラフはカメラ・映写機・フィルム現像装置を一体化した機器で、16枚の静止画を1秒間に映し出すことで、なめらかな動きの錯覚を生み出した。
初日の上映プログラムは10本の短編から構成されていた。工場の門から労働者たちが退場する「工場の出口」、列車がホームに滑り込んでくる「ラ・シオタ駅への列車の到着」、庭師が水をまいている最中にいたずら小僧がホースを踏んで止め、庭師が顔を覗き込んだ瞬間に水を浴びる「水をかけられた散水係」など、いずれも数十秒の作品でした。しかし観客にとっては、現実がそのままスクリーンに現れたかのような衝撃であり、とりわけ迫ってくる列車の映像に恐怖して席を立つ人が続出したという逸話は広く知られている。
映画はたちまち世界へ広がった。
リュミエール兄弟はその後10年間で1422本もの作品を製作し、世界各地にカメラマンを派遣してドキュメンタリー映像を撮影させた。演出、移動撮影(ドリーショット)、特殊効果、撮り直しといった映画的技法の数々も、この時期に生み出されている。シネマトグラフは娯楽の形を根本から変え、20世紀を代表する大衆文化「映画」の礎を築いた。わずか数十秒の「動く写真」から始まったその歩みが、現代の数千億円規模の映画産業へとつながっていることを思うと、1895年12月28日の夜のグラン・カフェがいかに歴史的な場所だったかを改めて実感させられる。
12月28日の他の記念日
12月28日のカレンダー情報
12月の二十四節気・雑節
- 大雪(たいせつ) 12月7日(月)
- 冬至(とうじ) 12月22日(火)