清水トンネル貫通記念日 (記念日 12月29日)
- 貫通日
- 1929年(昭和4年)3月16日
- 全長
- 9,702メートル
- 工期
- 約7年
- のべ動員人数
- 約240万人
- 路線
- 上越線(土合〜土樽)
- 関連小説
- 川端康成『雪国』
- 湧き水商品名
- FromAQUA(フロムアクア)
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」——川端康成の小説『雪国』の冒頭は、日本文学を代表する一文として広く知られています。そのトンネルとは、1929年(昭和4年)3月16日に貫通した清水トンネルのことです。群馬県の土合駅と新潟県の土樽駅を結ぶこのトンネルは、国境の嶮しい山岳地帯を貫き、上越線の開通を可能にしました。
清水トンネルの全長は9,702メートル。完成当時は日本最長のトンネルであり、その規模に見合うだけの長い年月と人手が費やされました。工事期間はおよそ7年、のべ240万人もの人員が動員された大工事です。険しい地形、厳しい冬、そして度重なる湧き水との闘い——現場の作業員たちがいかに過酷な環境で作業を続けたか、その数字からも伝わってきます。
現在「清水トンネル」と呼ばれるものは、実は3本が並行しています。1931年(昭和6年)に開通した在来線の「清水トンネル」、1967年(昭和42年)に開通した「新清水トンネル」、そして1982年(昭和57年)に上越新幹線用として開通した「大清水トンネル」です。時代ごとに交通需要に応えるかたちで、山の下に新たな穴が穿たれてきました。
大清水トンネルの工事中、思わぬ「おまけ」が見つかりました。大量の湧き水です。
山を掘り進む過程で湧き出したその水を、当時の国鉄社員たちが飲んでみると、驚くほどおいしいと評判になりました。社員たちは自ら手を動かし、トンネルの外までパイプを引き、その水を日常的に飲めるよう整備したといいます。こうした現場の熱意が下地となり、後にその湧き水はミネラルウォーターとして商品化されました。2018年(平成30年)時点では「FromAQUA(フロムアクア)」という商品名でJR東日本が販売しており、新幹線の車内販売や駅の売店でも手に入る人気商品となっています。
一本のトンネルが、文学作品の舞台となり、交通インフラとして機能し、さらには美味しい水まで生み出しました——清水トンネルはそんな、物語に事欠かない場所です。
12月29日のカレンダー情報
12月の二十四節気・雑節
- 大雪(たいせつ) 12月7日(月)
- 冬至(とうじ) 12月22日(火)