沖潤子の新作作品集『STILL PUNK』刊行と造本の秘密
ベストカレンダー編集部
2026年3月26日 09:13
『STILL PUNK』刊行
開催日:3月26日
📅 カレンダーに追加:Google|iPhone/Outlook
刺繍から写真までを一冊に収めた11年ぶりの新作『STILL PUNK』が刊行
刺繍アーティスト沖潤子の新作作品集『STILL PUNK』が、2026年3月26日に文藝春秋から刊行された。出版は函入り、日英表記、オールカラーのコデックス装で、現物の造本にも強いこだわりが施されている。
本書は沖潤子にとって商業出版としてはセカンド作品集に当たり、初の商業作品集『PUNK』の刊行から11年強を経て発表された。『PUNK』は2014年末の発売以降、日本国内のみならずベルギー、スイス、フランス、イギリス、ドイツ、オランダ、アメリカ、台湾といった国々の目利きから支持を受け、現在も版を重ねる異例のロングセラーになっている。
収録内容と写真・素材の選定プロセス
制作の糧となった日常の断片として、沖自身とともに過ごした猫との日々が写真や刺繍のモチーフとして多数収録されている。編集段階では1万枚を超える写真を精査し、その中から作品集の核を成す素材を選定した。
本編はオールカラーで構成され、『PUNK』刊行後の約10年分に相当する制作群を網羅している。写真と刺繍がページを埋める構成は、個々の作品の微細な針目や糸の表情を明確に伝えるために設計されている。
収録イメージの表記とクレジット
書籍内の図版にはクレジット表記が施され、次のような表記が確認できる。
- 『STILL PUNK』より Ⓒ沖潤子/文藝春秋(複数ページに同様の表記あり)
- 掲載作品のうち一部には年記や短いテキストが併記される例があり、2017年のテキスト例として『最高の瞬間はこれからやってくる。 The best moments are yet to come.』が掲載されている。
造本のこだわりと仕様
造本は作品集としての存在感を高めるため細部まで手が入れられている。函の箔押しには国内でも最高峰とされる職人の手作業が採用され、箔は1点1点剃刀で削って仕上げられたという技術的な特徴が明記されている。
こうした造本の手法は単に豪華さを追求するだけではなく、沖の制作姿勢である「パンクに制作を続ける静かな覚悟」を物質として体現することを意図している。編集者や造本担当者が工芸的な手仕事を重ねた結果、現代の出版物として異例の仕上がりになっている。
具体的な書籍仕様
- 判型
- A4判
- 頁数
- 256ページ
- 装丁
- 背を糸かがりにしたコデックス装、山吹地に銀の箔をほどこした函入り
- 表記
- 日英表記、オールカラー
作家プロフィールと関連企画
沖潤子は2002年に母が残した布を用い、針とミシン糸で自己流の刺繍を始めた経歴を持つ。2009年以降、国内ギャラリーで作品を発表し、自費出版した作品集『poesy』『culte à la carte』などが国内外の注文を集めるなど早くから注目を集めてきた。
2014年に文藝春秋から商業出版として初の作品集『PUNK』を発売した後、2017年にはshiseido art egg賞を受賞している。作品は金沢21世紀美術館、神奈川県立近代美術館、国立工芸館等のパブリックコレクションに収蔵されている。
沖潤子本人のコメント
沖は本書について次のように語っている。これは沖潤子の作品集ですが、この本に関わってくださったすべての方からひっぱりだされたPUNKの結晶です。本人の短いコメントは制作に関わった人々との関係性と、本書が共同の成果であることを強調する内容になっている。
書籍に付された撮影クレジットや会場写真の撮影者表記も明示されており、個展会場での写真には撮影者名が付されるなど、図録としての記録性にも配慮されている。
展覧会スケジュール、販売情報と書誌データの整理
刊行に合わせて沖潤子は複数の展覧会やイベントに参加する予定が公表されている。国内外での展示とトーク、サイン会などが予定されており、刊行後の活動も本作の流通と発表の両面で連動する構成になっている。
以下に刊行関連の具体的な日程と書誌データを整理する。
- 3月29日まで 森美術館にて「六本木クロッシング2025展」参加中
- 4月18日まで KOSAKU KANECHIKA京橋にて個展「STILL」開催中(4月4日 『STILL PUNK』トークイベント、サイン会)
- 5月12日~24日 銀座の森岡書店にて個展「STILL PUNK」
- 4月2日~8月14日 アントワープ Axel Vervoordt Gallery にてグループ展「Time and Transformation(仮)」参加
- 5月9日~11月22日 ヴェネツィアにてグループ展 GO FOR KOGEI「身体と物質のエスノグラフィー ―加速社会における遅さと深さ」参加
書誌情報は次の通りである。書名、刊行日、価格、ISBNなどの書誌データは流通や図書館での利用に必要な情報を漏れなく掲載している。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書名 | 『STILL PUNK』 |
| 著者 | 沖潤子(おき・じゅんこ) |
| 価格 | 12,100円(税込) |
| 発売日 | 2026年3月26日 |
| 出版社 | 文藝春秋 |
| 判型・頁数 | A4判/256ページ/オールカラー |
| 装丁 | 背を糸かがりにしたコデックス装/山吹地に銀の箔をほどこした函入り |
| ISBN | 978-4-16-392085-6 |
| 図版クレジット | 『STILL PUNK』より Ⓒ沖潤子/文藝春秋 |
| 書誌URL | https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163920856 |
本稿では刊行日、造本仕様、収録内容、作家の略歴と関連展示のスケジュール、並びに書誌データを網羅的に整理した。これにより作品集がどのような制作過程と物理的仕上げを経て刊行されたかが一目で分かるようになっている。
まとめとして、以下に主要事実を簡潔に整理する。
| 要点 | 詳細 |
|---|---|
| 作品集名 | 『STILL PUNK』 |
| 刊行日 | 2026年3月26日 |
| 出版社 | 文藝春秋 |
| 価格 | 12,100円(税込) |
| 仕様 | A4判/256ページ/オールカラー/背を糸かがりのコデックス装/函入り(山吹地に銀の箔) |
| ISBN | 978-4-16-392085-6 |
| 収録 | 1万枚を超える検討対象から選ばれた写真群と『PUNK』刊行後約10年分の刺繍作品、日英表記のテキスト |
| 特記事項 | 函の箔は職人が1点1点剃刀で削る仕上げ。『PUNK』は2014年刊行以来、欧米やアジアの目利きに支持されるロングセラー |
上記テーブルは本書に関する主要データを簡潔にまとめたものである。刊行に伴う展示やイベントも予定されており、図版と造本の両面から作品世界を伝える一冊として制作されている点が、本書の特徴である。