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小中高生の“なりたい仕事”第37回調査で見えた傾向

調査結果公表

開催日:3月26日

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調査結果公表
子どもたちは今どんな職業を選んでるの?
調査では学年で傾向が分かれ、全学年で「会社員」が上位。小学生女子はパティシエが6連覇、小学生男子は野球選手がYouTuberを上回るなど、安定志向と挑戦志向が混在しています。
子どもってどれくらいAIを使ってるの?
約25%が日常的に生成AIや対話型AIを利用。小学生は月数回、中高生は週数回が多く、学習補助や悩み相談が主用途。保護者の約75%は肯定的だが懸念もあります。

子どもたちの「なりたいもの」に現れた安定志向と挑戦意欲の二面性

第一生命保険株式会社は、全国の小学生・中学生・高校生とその保護者を対象に、計3,000組を対象とした第37回「大人になったらなりたいもの」アンケート調査(調査時期:2025年12月、調査方法:クロス・マーケティング社によるインターネット調査)の結果を2026年3月26日に公表しました。今回の調査では、これまで通り学年別の職業志望ランキングに加え、生成AI・対話型AIの利活用に関する特別企画も実施されています。

公表資料によると、全体の傾向としては「安定」を志向する回答と、個人の自己実現や挑戦を志向する回答が同時に見られ、学年や性別によって差が出ている点が特徴です。調査は1989年から続いており、近年の手法変更として第32回(2020年)以降はインターネットアンケートにより実施されています。

第37回「大人になったらなりたいもの」調査結果を発表 画像 2

小学生〜高校生までの学年別の詳報:具体的な職業像と理由

第37回「大人になったらなりたいもの」調査結果を発表 画像 3

小学生の部:身近な大人の背中とスター選手の影響

小学生では学年・性別ごとに明瞭な傾向が出ています。小学生女子は「パティシエ」が6年連続で1位を保ち、ものづくりや人を喜ばせる体験に根ざした志望理由が目立ちました。具体的には「家族や友達に食べてもらい、喜ぶ顔を見るのが嬉しい」といった体験起点の理由です。

小学生男子では今回、大きな順位変動が確認されました。これまで上位にあった「YouTuber/動画投稿者」を「野球選手」が逆転して第2位にランクインしています。背景には大谷翔平選手をはじめ、国内外で活躍する選手が増えたことにより「野球で世界を目指したい」と憧れる子どもたちが増えている点が挙げられています。

一方で、男女ともに共通して第1位を保っているのが「会社員」です。調査ではこの選択について、子どもたちが職種そのものに強い憧れを抱いているというよりも、「働く大人」への信頼感、つまりスーツで出勤する親の姿や家庭を支えるために働く姿が影響していると分析されています。

小学生の主なポイント
・女子:パティシエ6連覇、幼稚園教諭/保育士が第3位へ復帰
・男子:野球選手がYouTuberを上回り第2位、会社員が6年連続1位
第37回「大人になったらなりたいもの」調査結果を発表 画像 4

中学生の部:夢と現実のはざま、選択肢の増加と模索

中学生では、スポーツやクリエイティブ職への憧れが残る一方で、「会社員」「公務員」といった現実的な安定志向も意識され始めます。中学生女子では「薬剤師」が初めて第2位に入るなど、専門性や資格を伴う職業への関心が見られました。

薬剤師志望の理由としては、「母が病気で薬局に付き添った経験」「家族に薬剤師がいて憧れた」といった身近な経験に基づく動機と、国家資格という専門性や職業としての安定性を評価する声が混在しています。また、中学生になると「特に理由がない」「まだ決まっていない」と答える割合が増え、勉強や進路を意識し始めることで選択肢が急増する影響があると分析されています。

  1. 感情的で具体的な理由が薄れる傾向
  2. 現実的要素(安定・収入)を重視する回答が増加
  3. 家族や日常で接する職業から影響を受ける事例が多い
第37回「大人になったらなりたいもの」調査結果を発表 画像 5

高校生の部:社会・経済への関心が反映、投資家が初ランクイン

高校生の回答には、社会や経済、起業といったテーマへの関心が反映されてきています。特に高校生男子では、今回「投資家」が初めてランキングに入りました。前回初登場した「社長/起業家」も上位を維持し、6位にランクインするなど、自己実現や挑戦を重視する傾向が見られます。

投資家や起業家志望の背景には学校での金融教育の広がりや、SNS・動画を通じて若い起業家や投資家の情報に触れる機会の増加があります。調査では金融リテラシーに関する外部データも引用され、米国では「金融知識に自信がある」とする割合が71%であるのに対し、日本は12%と差があることが示されています。また、2022年4月の民法改正に伴い成年年齢が20歳から18歳に引き下げられた点も若年層の資産形成に関心を向ける要因とされています。

高校生女子は医療・教育・美容など、専門性や資格を必要とする職業への支持が引き続き強く、長く働けることや人の役に立つことを重視する傾向が見られます。男女の志向差が明確になってきている点が示唆されます。

第37回「大人になったらなりたいもの」調査結果を発表 画像 6

保護者の意識、生成AI・対話型AIの利活用に関する特別企画

今回の調査には、生成AI・対話型AI(例:ChatGPT、Gemini、Copilotなど)に関する項目が含まれ、AIチャットボットを使ったアンケート方式を一部で導入した点が特徴です。小中高生の約25%が生成AI・対話型AIを日常的に利用しており、小学生は「月に数回」、中高生は「週に数回」使うという回答が多く、学習や悩み相談に活用していることがわかりました。

AI利用の具体的な用途としては、「わからないことを調べる」「勉強を教えてもらう」といった学習補助的な使い方が中心です。特に中高生ではAIが「先生や教科書を補完する存在」として受け入れられつつあり、女子中高生で「悩みを相談する」といった用途が増えています。また、学校での利用も一定数あり、文部科学省のデータでは校務におけるAI利用が2024年度はわずか2.7%だったのに対し、2025年度には17.2%へと拡大した点が示されています(出典:文部科学省初等中等教育局「GIGAスクール構想の下での校務DXチェックリスト」)。

保護者側の受け止めでは、75%が「賛成」もしくは「どちらかといえば賛成」と回答しました。賛成意見は「素早く調べられて便利」「勉強やアイデア出しで役立つ」などが多く、反対意見としては「考える力が弱まる」「回答の正確性が不安」「対面や体験を重視したい」といった懸念が挙がっています。家庭や学校を通じて、AIの出力の正確性を検証する力を育てる必要性が示唆されています。

第37回「大人になったらなりたいもの」調査結果を発表 画像 7

調査の概要と重要データの整理

以下に本調査の主な項目、母集団、調査方法、重要な数値を一覧でまとめます。調査は2025年12月に実施され、回答は全国の小学生(小学校3〜6年生)、中学生、高校生とその保護者(20代〜60代)による3,000組です。質問項目は職業志望やその理由の自由回答に加え、生成AIの利用状況や保護者の意見などを含みます。

項目 内容
調査名 第37回「大人になったらなりたいもの」アンケート
実施主体 第一生命保険株式会社(代表取締役社長:隅野 俊亮)
調査時期 2025年12月
対象 全国の小学生(3〜6年)、中学生、高校生とその保護者(20代〜60代)
サンプル数:3,000組
調査方法 インターネット調査(クロス・マーケティング社)
主要な結果(抜粋) ・小学生女子:パティシエが6年連続1位
・小学生男子:「野球選手」がYouTuberを上回り第2位
・全学年で「会社員」が上位(小学生で6年連続1位)
・高校生男子:投資家が初ランクイン
・小中高生の約25%が生成AIを日常的に利用
・保護者の75%が子どものAI活用に賛成寄り
特記事項 Q2の自由回答はAIチャットボットを使った対話形式で実施。2026年4月に第一生命グループは「第一ライフグループ」へ生まれ変わる予定という案内を含む設問あり。
会社情報 所在地:東京都千代田区有楽町1-13-1 第一生命日比谷ファースト
設立:1902年9月15日
代表者:隅野 俊亮
URL:https://www.dai-ichi-life.co.jp/
参考資料 プレスリリース(PDF)

最後に、今回の調査は子どもたちが身近な体験や社会的な情報に影響を受けつつ、学年が上がるにつれて安定志向と自己実現志向が併存する状態へと変化していることを示しています。また、生成AI・対話型AIは学習や相談の補助ツールとして定着し始め、保護者側の受け止めも概ね肯定的である一方、利用に当たっての教育的な配慮が求められている点が明確になりました。