約6割が実感 転職は“買い手市場”に/選考厳化8割超
ベストカレンダー編集部
2026年3月26日 15:18
2026年春転職調査
開催期間:3月10日〜3月17日
📅 カレンダーに追加:Google|iPhone/Outlook
求職者の実感は「買い手市場」――人手不足との認識ギャップが浮き彫りに
人材紹介の株式会社ワークポートが2026年3月10日から3月17日にかけて実施したインターネット調査(有効回答742人、20代~40代の男女)では、転職市場の実感が「買い手市場(選考が厳しい)」に傾いていることが明らかになりました。全体のうち「圧倒的に買い手市場(選考が厳しい)」が27.6%、「やや買い手市場」が31.4%で、合わせて59.0%に達しています。
この数値は、企業側の採用ニーズが拡大している「人手不足」というマクロの状況と、求職者が実際に感じる市場感覚の間に乖離があることを示しています。求人の量的増加がそのまま応募者の「内定獲得のしやすさ」につながっていない現状が浮かび上がります。
- 圧倒的に買い手市場(選考が厳しい):27.6%
- やや買い手市場:31.4%
- その他(売り手市場など):残りの約41%(端数処理により合計が100%にならない場合あり)
求職者が「買い手市場」を実感する背景には、求人票の記載内容や選考基準の変化が影響しているとの指摘がありました。求人そのものは増えている一方で、求められる専門性や即戦力性のハードルが上がっていることが影を落としていると言えます。
選考のハードル上昇――8割以上が「以前より厳しくなった」と回答
本調査では、現在の転職市場を「買い手市場」と感じている回答者に対して、企業が求めるスキルや実績のハードルが以前より上がっているか質問したところ、「非常に感じる」42.2%、「やや感じる」41.8%の合計84.0%がハードル上昇を実感していると回答しました。
選考のハードル上昇を実感した場面としては、書類選考での不通過や、応募要件に求められる実務経験年数の明記、面接での具体的な実績への突っ込みなどが挙がっています。つまり、求人の増加が即戦力の要請強化につながっている構図が見て取れます。
- 選考のハードルが上がったと実感した具体例(回答より)
- 「求人票の必須項目が専門性を求めるようになったと感じる」(40代・女性・クリエイター)
- 「応募の必須条件に実務経験年数を入れている企業が多いことや、未経験者歓迎の求人でも面接まで辿り着けない企業も多々あること」(20代・男性・製造)
- 「以前は割と簡単に書類選考をパスし、面接まで辿り着けたが、現在は書類選考すら通過しない」(40代・男性・建築土木)
- 「面接での質問がより専門的になり、具体的な実績やスキルを詳しく問われるようになったと感じる」(30代・男性・製造)
- 「スキルや経験不足で不採用になった」(20代・女性・管理)
これらの声からは、企業側が採用で重視する基準がより明確かつ高水準になっていることがうかがえます。求職者側は専門性や実績の明示的な提示が不可欠になっている一方で、企業は応募者の実務適性をより厳密に見極めようとしている状況です。
4月入社より「納得感」を重視――入社時期や活動期間に縛られない意思決定
次に入社時期や活動期間に関する意識を確認したところ、今回の転職活動において「4月入社(新年度スタート)を意識しなかった(時期より中身優先)」と回答した人が46.9%にのぼりました。さらに「多少意識した(望ましいが必須ではない)」が36.1%で、合計すると83.0%が4月入社を最優先事項としていないことがわかりました。
4月入社を重視しない理由としては、仕事内容や将来の納得感を優先する姿勢、現職の都合(引き継ぎやボーナス取得など)、新卒と同列に扱われることへの抵抗などが挙げられています。求職者のキャリア自律志向が強まっている点が注目されます。
- 「時期より納得感を優先したいから」(30代・男性・機械系エンジニア)
- 「焦って転職し、後悔したくないため」(30代・男性・その他)
- 「引き継ぎなど、ある程度の準備期間が必要なため」(40代・男性・営業)
- 「夏のボーナスを貰ってからの転職を考えているため」(30代・男性・製造)
- 「新卒ではないため」「4月入社だと新卒と同じ時期になり扱いが同じになりそうだから」(複数回答)
加えて、転職活動の期間(スピード)に関しては、48.0%が「縁があれば即決したい(よい機会があればすぐ決めたい)」と回答し、一方で30.6%が「納得いくまで続けたい(長期戦もいとわない)」とも答えています。即決志向と長期追求の両方が共存しており、両者に共通するのは「納得できない会社には入らない」という姿勢です。
- 縁があれば即決したい理由(回答より)
- 「よいご縁であれば、チャンスを逃したくないため」(40代・女性・管理)
- 「後になって同じようないい条件の求人があるとは限らないため」(30代・女性・その他)
- 「離職期間をあまり長くしたくないため」(20代・女性・医療福祉)
- 「早めに現職を離れたいから」(30代・男性・機械系エンジニア)
- 納得いくまで続けたい理由(回答より)
- 「急いでミスマッチを起こしたくないから」(20代・女性・営業)
- 「入社後に後悔をしたくないから」(30代・男性・機械系エンジニア)
- 「無理に決めてブラック企業に入るより、しっかり悩んだうえで決めたいから」(30代・男性・システムエンジニア)
このように、求職者側の意思決定は「時期」や「速さ」といった外的な条件よりも、「職務内容や待遇への納得感」を重視する方向へとシフトしていることが示唆されます。
調査概要とワークポート会社情報(要点を表で整理)
本調査は株式会社ワークポートによる自社調査で、調査対象は同社を利用している全国のビジネスパーソン(20代~40代・男女)です。有効回答は742人で、調査期間は2026年3月10日~3月17日、調査方法はインターネット調査となっています。なお、データは小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。
ワークポートの企業情報としては、代表取締役会長CEOが田村高広氏、代表取締役社長COOが林徹郎氏で、本社は東京都品川区(天王洲ファーストタワー6F)、福岡オフィスは福岡市博多区(博多駅前H44ビル7F)に所在します。設立は2003年3月、従業員数は1,335名(2025年4月現在)です。事業内容には有料職業紹介事業(許可番号:13-ユ-040590)のほか、人材育成サービス、公共事業受託サービスなどが含まれます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査主体 | 株式会社ワークポート(自社調査) |
| 調査期間 | 2026年3月10日~3月17日 |
| 有効回答数 | 742人(20代~40代・男女) |
| 調査方法 | インターネット調査 |
| 主な調査結果 |
|
| 会社名・代表 | 株式会社ワークポート/代表取締役会長CEO 田村 高広、代表取締役社長COO 林 徹郎 |
| 本社所在地 | 【東京】〒140-0002 東京都品川区東品川2-2-4 天王洲ファーストタワー6F 【福岡】〒812-0011 福岡県福岡市博多区博多駅前4-4-15 博多駅前H44ビル7F |
| 設立 | 2003年3月 |
| 従業員数 | 1,335名(2025年4月現在) |
| 事業内容 | 人材紹介サービス(有料職業紹介事業 許可番号:13-ユ-040590)、人材育成サービス、公共事業受託サービス |
| 関連リンク | https://www.workport.co.jp/corporate/news/detail/948.html CM(山本耕史さん出演) |
まとめとして、本調査は転職市場の「量」的増加と、採用側が求める「質」に対する要求の高さが同時に存在することを示しています。求職者側は入社時期や活動のスピードに柔軟性を持ちつつも、最終的には仕事内容や待遇への納得感を優先するという傾向が確認されました。上述の表は調査の主要項目とワークポートの企業情報を整理したもので、今回の調査結果を把握する際の要点をわかりやすく示しています。