消費者調査で判明、温浴施設が重視すべき清潔感と体験価値
ベストカレンダー編集部
2026年3月26日 17:52
会員交流会で調査発表
開催日:2月16日
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調査の背景と実施概要 — 「おふろ」をめぐる誤解とデータで読み解く市場状況
DX推進と顧客体験(CX)の向上を支援する株式会社ファンくる(代表取締役社長:山口 敬人)と全国温浴施設協会(会長:山崎 寿樹)は、共同で「スーパー銭湯についての消費者調査」を実施しました。本調査は、入浴機能に加え「安心・快適」「体験価値」といった多面的な価値提供の重要性を実証することを目的としています。
調査は「ファンくる」会員を対象としたインターネット調査で、2025年12月25日から2026年1月13日にかけて実施され、合計1,718名の有効回答(男性448名、女性1,261名、無回答8名)を得ています。設問数は23問で、年代(20代以下〜60代以上)および「1年以内の利用経験」の有無により回答者を分類し、消費者インサイトを抽出しています。
- 調査方法
- インターネット調査
- 調査対象
- 一般消費者(「ファンくる」登録ユーザーより抽出、全国150万人の母集団から回答)
- 有効回答数
- 1,718名(男性448名、女性1,261名、無回答8名)
- 調査時期
- 2025年12月25日〜2026年1月13日
- 設問数
- 23問
消費者インサイトの4区分と主要分析結果
ファンくるは独自の統計解析技術を用い、来店頻度と利用意向の組合せにより消費者を4つの客層に分類しました。分類された4区分は、A:岩盤層、B:離反予備層、C:興味有層、D:忌避層です。それぞれの層ごとに、来店を阻害する要因や来店動機につながる要因を抽出しました。
本調査から得られた主要な分析サマリーは以下の3点です。各点について定量データと自由回答を踏まえた解釈が示されました。
- ❶ 全客層共通の最重要課題は清潔感である
- ❷ C(興味有層)・D(忌避層)は「おふろ」以外の付加価値(体験型コンテンツ)を強く望んでいる
- ❸ D(忌避層)が抱く温浴施設への心理的ハードルの正体が明確化された
❶ 清潔感の欠如が利用抑制要因の最大値
全ての客層に共通して、利用を左右する最大の要因は“清潔感の欠如”でした。回答では「床のヌルヌル」「湯船に浮いている髪の毛」「脱衣所のホコリ」など、衛生面に関する具体的な指摘が多数寄せられ、ネガティブ要因の最大値を記録しています。
清潔感に関する指摘は、利用頻度の高低や過去1年の利用経験の有無を問わず広く観察されました。つまり、施設の基礎品質としての衛生管理が、すべての層で来店判断の根本にあることが統計的にも示されています。
- 具体的な不満例:床の滑りやヌメリ・湯船の浮遊物・脱衣所のホコリなど
- 示唆:基礎的な衛生管理を徹底することが、ネガティブ評価を削減する最短策である
❷ 体験価値を求めるC層・D層の来店動機
ハード面での差別化が難しくなる中、C(興味有層)とD(忌避層)は「おふろ」以外の付加価値に高い関心を示しました。これらの層に対しては、入浴以外の体験を強化することで来店のきっかけ創出が期待できます。
具体的には、体験型コンテンツや地域性を打ち出すイベントが効果的であることがわかりました。調査では複数のアミューズメント要素が有効という回答が得られています。
- 季節の果物やハーブを用いた代わり湯
- ご当地グルメ・名産品フェア
- 縁日・お祭りイベントの開催
- ビンゴ・ゲーム大会などの参加型イベント
❸ 忌避層が抱く心理的ハードルの正体
D(忌避層)が温浴施設への来店をためらう要因は、単なる設備不足ではなく心理的要素が大きく影響していました。自由回答では「他人の目(体型や手術痕)」「裸になることへの抵抗」「マナーやルールの不明確さ」といった懸念が挙げられています。
これらは施設側の情報発信や空間設計、運用ルールの明確化によって低減可能と考えられます。心理的ハードルの除去は、未利用層や利用頻度の低い層を呼び込むための鍵となります。
- 心理的要因の例:他者視線への不安、裸であることへの抵抗、マナー周知の不足
- 示唆:事前案内・プライバシー配慮・ルールの可視化により来店障壁は低下する
改善に向けた3ステップの実務的モデル
調査結果を受け、ファンくるは温浴施設事業者向けに段階的改善モデルを提示しました。3段階のステップは、基礎品質の担保から心理的安心の提供、そして体験価値の創出へと進みます。
各ステップには実施例と期待される効果指標を設定することで、現場での実行性を高めることが意図されています。
- Step 1:不快の解消(当たり前品質の磨き上げ)
衛生面の不満をゼロにすることを最優先課題と位置付け、具体的には清掃頻度の見直し、清掃チェックリストの導入、従業員教育の強化を推奨しています。
期待される効果指標:衛生に関するネガティブ評価の減少、再来店意向の上昇。
- Step 2:心理的ハードルの除去(安心感の提供)
ルールやマナーの見える化、プライバシーを配慮したゾーニング表示、未経験者向けガイドの作成といった情報発信によって、来店の心理的障壁を低減します。
期待される効果指標:未利用層の来店意向改善、予約・問い合わせ数の増加。
- Step 3:アミューズメント化(期待を超える体験)
代わり湯や地域イベント、参加型コンテンツなどを導入して、”わざわざ行きたい理由”を創出します。C・D層のニーズを取り込み、単なる入浴施設から体験型レジャーへの転換を図ります。
期待される効果指標:イベント動員の増加、SNSでの拡散数、顧客単価の上昇。
登壇概要・組織情報と引用時の注意点
本調査の分析結果は、2026年2月16日に東京プリンスホテル(東京都港区)で開催された「全国温浴施設協会 第6回会員交流会」にて、ファンくる代表 山口 敬人が『消費者モニター調査から見る温浴施設の現状~データが暴く「おふろ」の誤解と勝機~』をテーマに講演した内容に基づき報告されました。講演では、1,718名の回答から導き出された消費者インサイトとデータ活用の重要性が提示されています。
本調査の引用に際しては、出典明記として「株式会社ファンくる(Fancrew Inc.)調べ」とクレジットすること、WEB上での引用時には「ファンくる」(https://www.fancrew.jp)へのリンク付与が求められています。
- 全国温浴施設協会
- 会長:山崎 寿樹(株式会社ONDOホールディングス 代表取締役社長兼グループCEO)
- 会員数:140社(正会員44社/183施設、賛助会員96社)※2026年2月時点
- URL:https://japan-spa.org/
- 株式会社ファンくる
- 代表者:代表取締役社長 山口 敬人
- 資本金:1億円
- 創業:2004年8月26日
- 所在地:東京都千代田区岩本町 1-10-5 TMMビル4F
- URL:https://www.fancrew.co.jp/
- 事業内容:来店客調査「Fancrew CR」、消費者モニター調査「Fancrew MR」ほか、販促・店頭調査、契約率向上ツール、従業員満足度調査、体験型情報サイトの運用など
本調査の詳細な全結果や自施設におけるデータ活用・改善ロードマップの策定に関する問い合わせ先は、以下の通りです(広報担当:Email:pr@fancrew.co.jp)。
要点整理(本記事の内容を表にまとめて振り返る)
以下は、本調査の主要点と実務的示唆を表形式で整理したものです。数値・日付・窓口などの基本情報を含め、関係者が参照しやすい形にまとめています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査名称 | スーパー銭湯についての消費者調査(株式会社ファンくる/全国温浴施設協会 共同調査) |
| 調査期間 | 2025年12月25日〜2026年1月13日 |
| 回答者数 | 1,718名(男性448名、女性1,261名、無回答8名) |
| 設問数 | 23問 |
| 主な分析手法 | 来店頻度×利用意向による4区分(A:岩盤層、B:離反予備層、C:興味有層、D:忌避層) |
| 主要な発見 | ①清潔感が全客層で最重要②C・D層は体験価値を求める③D層の心理的ハードル(他人の目・裸への抵抗・ルール不明確) |
| 提示された改善モデル | Step1 不快解消(衛生管理)→ Step2 心理的ハードル除去(情報発信・空間設計)→ Step3 アミューズメント化(代わり湯・地域イベント等) |
| 講演情報 | 2026年2月16日 東京プリンスホテル「全国温浴施設協会 第6回会員交流会」山口 敬人による発表 |
| 引用時の注意 | 「株式会社ファンくる(Fancrew Inc.)調べ」と明記し、WEB引用時は「ファンくる」(https://www.fancrew.jp)へのリンク付与を要請 |
| 問い合わせ先 | 株式会社ファンくる(広報)Email:pr@fancrew.co.jp |
本記事は、調査の実施方法、分析結果、提示された改善ステップ、登壇および組織情報を網羅的に整理して伝えています。温浴施設の運営側は、清潔感の徹底、心理的安心の提供、体験価値の導入という段階的な取り組みを通じて、来店意向の向上と新たな顧客層の開拓に取り組むことが示唆されています。引用や詳細の確認を行う際は、上記の出典明記とリンク付与のルールに従う必要があります。