微生物で異分野融合を狙う岡山大 第12回報告
ベストカレンダー編集部
2026年3月29日 20:56
微生物エクスプローラーズ
開催日:2月16日
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微生物を共通言語に:『微生物エクスプローラーズ』が目指す異分野融合と拠点形成
国立大学法人岡山大学が発足させた研究グループ「微生物エクスプローラーズ」は、微生物を研究対象とする学内研究者の交流を促進し、新たな共同研究や学問分野の創設につなげることを目的としています。設立趣意では、微生物をテーマにすることで幅広い研究者が気軽に参加・交流できるサロンのような場を形成し、機器や手法の共有、異分野交流からの研究創発、人材確保や高額共通機器の導入につなげることが明記されています。
この活動は、学内外の予算獲得による共通機器の購入や研究拠点形成を進めることで、学内の微生物研究基盤の強化を図ることを目指しています。岡山大学が掲げる地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)と連携する形で、学内の異分野研究者を結びつけるネットワーキング機能を持ち、研究の横断的発展を促す仕組みとして運用されています。
- 設立趣旨の要点:微生物を媒介にした研究者交流、機器・手法の共有、共同研究の創出、拠点形成と人材確保
- 期待される成果:学内外からの資金獲得による施設・機器整備、共同研究プロジェクトの立ち上げ、学際領域の学問形成
- 関連資料:設立趣意(PDF)
第12回ミーティング:会場・参加者・当日の流れ
第12回ミーティングは2026年2月16日に岡山大学津島キャンパスの共創イノベーションラボ(KIBINOVE:きびのべ)にて開催されました。当日は教員、学生、URA、コーディネーター(産学連携、学術研究)など計15人が参加し、学内外の知見を結集する場となりました。
ミーティングは学術研究院環境生命自然科学学域(理)の茶谷悠平研究教授による開会あいさつで始まり、続いて産業技術総合研究所の古旗祐一主任研究員を講師に迎えた専門講演が行われました。会場の共創イノベーションラボKIBINOVEは岡山大学津島キャンパス内に位置し、発表資料やポスターの展示も行われるなど、情報交換に適した設備が利用されました。
- 開催日
- 2026年2月16日
- 会場
- 岡山大学 津島キャンパス 共創イノベーションラボ(KIBINOVE:きびのべ)
- 参加者
- 教員、学生、URA、コーディネーター(産学連携、学術研究)等 合計15人
- 主催
- 国立大学法人岡山大学(研究・イノベーション共創機構 等)
講演と質疑応答:実験手法と応用を巡る活発な議論
講演は産業技術総合研究所の古旗祐一主任研究員による「次世代遺伝子進化システムと遺伝暗号拡張への応用」という題目で行われ、細胞培養を用いて目的遺伝子を自律的に進化させる次世代遺伝子進化システムの原理や代表的なシステムの特徴が紹介されました。
当日は講演後に参加者との間で活発な質疑応答と議論が交わされ、技術的課題や応用の可能性、実験手法の最適化などについて専門的な意見交換が行われました。研究のさらなる発展を促す貴重な場となっています。
- 講演者:古旗祐一(産業技術総合研究所 主任研究員)
- 講演題:「次世代遺伝子進化システムと遺伝暗号拡張への応用」
- 参加形式:対面講演および質疑応答、ポスター展示等
技術解説:次世代遺伝子進化システムと遺伝暗号拡張の実際
講演では、細胞培養によって目的遺伝子を自律的に進化させる「次世代遺伝子進化システム」の原理が示され、代表的なシステムとしてOrthoRep、EcORep、T7-ORACLEの特徴がそれぞれ紹介されました。これらは実験系に応じた利点・制約を持ち、適用対象やスループット、進化速度、制御性などが異なります。
加えて、人工アミノ酸をタンパク質へ部位特異的に導入する技術である遺伝暗号拡張に関する応用研究も説明されました。従来手法ではスループットや実験時間が課題であった点を、次世代遺伝子進化システムの活用により克服する取り組みが紹介されました。
- OrthoRep:高速な遺伝子進化を可能にする系として紹介され、特定の宿主系での高い変異導入率が強みとして示された。
- EcORep:異なる宿主・制御条件下での進化実験に適し、用途に応じた柔軟性が議論された。
- T7-ORACLE:T7プロモーター系を利用した設計で、特定の遺伝子発現制御と進化の組合せに向くことが説明された。
実際の応用例として、古旗氏のチームはアミノアシルtRNA合成酵素(aaRS)の基質特異性を効率的に進化させるプラットフォームを構築し、人工アミノ酸の導入効率向上や部位特異的導入の実現に成功したと報告しました。この成果は、遺伝暗号拡張の手法を実用に近づける重要なステップと位置づけられます。
実験時間・スループットの課題とシステムによる解決
従来の遺伝暗号拡張やタンパク質工学の手法は、個別実験の時間コストや低スループットがボトルネックとなることが多く、これを改善するために自律的進化システムの導入が効果的である点が強調されました。
古旗氏らの取り組みでは、細胞ベースでの連続的進化を利用することで、短期間で多数の変異を探索し、目的とする機能(例:aaRSの基質特異性)を持つ変異体を高効率で同定するプラットフォームが示されました。講演後の議論では、適用可能な微生物系、スクリーニング方法、オフターゲット効果などの技術的検討が行われました。
関連情報と問い合わせ先:拠点・支援体制の全容
本ミーティングおよび「微生物エクスプローラーズ」に関する情報は岡山大学研究・イノベーション共創機構が中心となって発信されています。関連する研究支援組織や共創ラボ、大学のプロジェクトリンクが公開されており、詳細な情報は各ページで確認できます。
問い合わせ先は複数設けられており、学術研究コーディネーターや主任URA、病院側の窓口、産学官連携本部、研究機器共用タスクフォース、スタートアップ支援本部など、用途に応じて適切な担当窓口が案内されています。メールアドレスはプレスリリースに記載されている通り@を◎に置き換えた表記が用いられています。
- 岡山大学 研究・イノベーション共創機構(問い合わせ)
- 学術研究コーディネーター:彭子澴
主任URA:畑中耕治
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟
E-mail:peng-zixuan◎okayama-u.ac.jp / koji.hatanaka◎okayama-u.ac.jp - 岡山大学病院 新医療研究開発センター(製薬・医療機器企業関係者)
- 〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1
該当案件は以下より問い合わせ:http://shin-iryo.hospital.okayama-u.ac.jp/ph_company/ - 岡山大学病院 研究推進課(医療関係者・研究者)
- TEL:086-235-7983
E-mail:ouh-csnw◎adm.okayama-u.ac.jp
http://shin-iryo.hospital.okayama-u.ac.jp/medical/ - 産学官連携本部
- TEL:086-251-8463
E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/ - 研究機器共用(チーム共用)
- TEL:086-251-8705 / FAX:086-251-7114
E-mail:cfp◎okayama-u.ac.jp
https://corefacility-potal.fsp.okayama-u.ac.jp/ - スタートアップ・ベンチャー支援
- E-mail:start-up1◎adm.okayama-u.ac.jp
https://venture.okayama-u.ac.jp/
本情報は岡山大学から公開され、プレスリリース素材として当該ミーティングの画像ファイル等がダウンロード可能です。関連する過去のミーティング記録や類似の異分野融合プロジェクト(例:「AI-HPCパートナーズ」「光創ネクサス」等)へのリンクも公開されています。
この記事の要点まとめ
以下の表は、本記事で取り上げた「微生物エクスプローラーズ 第12回ミーティング」の主要事項を整理したものです。日付、会場、講演内容、技術的キーワード、参加者構成、問い合わせ先などを一目で見られる形式にまとめています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ミーティング名 | 微生物エクスプローラーズ 第12回ミーティング |
| 開催日 | 2026年2月16日 |
| 発表・公開日(関連情報) | プレスリリースは岡山大学から2026年3月3日公開(関連メタ情報に2026年3月29日表記あり) |
| 会場 | 岡山大学 津島キャンパス 共創イノベーションラボ(KIBINOVE:きびのべ) |
| 参加者 | 教員、学生、URA、コーディネーター(産学連携・学術研究)等 計15名 |
| 開会あいさつ | 茶谷悠平(学術研究院 環境生命自然科学学域(理)研究教授) |
| 講演者/題目 | 古旗祐一(産業技術総合研究所 主任研究員)「次世代遺伝子進化システムと遺伝暗号拡張への応用」 |
| 主要技術キーワード | 次世代遺伝子進化システム、遺伝暗号拡張、OrthoRep、EcORep、T7-ORACLE、アミノアシルtRNA合成酵素の基質特異性進化 |
| 目的(グループ設立趣旨) | 微生物研究者の交流促進、新規共同研究・学問分野の創出、機器共有・拠点形成・人材確保 |
| 問い合わせ(代表例) | 岡山大学研究・イノベーション共創機構 学術研究コーディネーター:彭子澴(peng-zixuan◎okayama-u.ac.jp) 主任URA:畑中耕治(koji.hatanaka◎okayama-u.ac.jp) |
| 関連リンク(主要) | https://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id15121.html https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/ https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/kigyo/kibinove/ |
以上が第12回ミーティングの要約と関連情報の整理です。記事内で示した連絡先やリンク先を通じて、岡山大学の研究支援体制や共創ラボの詳細、過去のミーティング記録や関連プロジェクトの情報にアクセスできます。