ネクソン、経営変革と新作パイプラインを発表
ベストカレンダー編集部
2026年4月1日 09:17
経営変革ブリーフィング
開催日:3月31日
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ネクソンが示した経営変革の全体像とブリーフィングの目的
2026年3月31日18時17分、株式会社ネクソンは投資家向けに「キャピタル・マーケット・ブリーフィング」を開催し、今後の経営変革に向けた具体的な計画を発表しました。発表はオンライン形式で行われ、会長のパトリック・ソダーランド、代表取締役社長の李 政憲(イ・ジョンホン)、および代表取締役最高財務責任者の植村士朗が登壇しています。
同イベントの中心は、開発プロセスの再設計、コスト管理の徹底、主力ブランドを基盤とするIPポートフォリオの強化、およびグローバル展開の加速という経営上の重点施策でした。プレゼンテーションでは、加えてグローバル市場を見据えた新作タイトルのパイプラインも詳細に示されました。
- 開催日時
- 2026年3月31日 18:17(プレスリリース掲載日時)
- 登壇者
-
- パトリック・ソダーランド(会長、取締役、Embark Studios CEOを兼任)
- 李 政憲(イ・ジョンホン、代表取締役社長)
- 植村士朗(代表取締役最高財務責任者)
- 目的
- 投資家に対する最新の事業戦略と開発パイプラインの説明、及び経営変革計画の提示
登壇者の要旨と重要な数値
会長パトリック・ソダーランドは、ネクソンが直面する課題を単なる「経営立て直し」としては位置付けず、2025年度の業績を踏まえた上での成長と関係性の強化を強調しました。具体的には、2025年度における通期売上収益が4,750億円、通期営業利益が1,240億円、期末時点の現金及び現金同等物が8,000億円超であることが示されました。
パトリックは、ネクソンが販売後も長期にわたり数百万人規模のプレイヤーコミュニティと関係を築いてきた点を強調し、また自身が引き続きEmbark StudiosのCEOを兼任すること、そして「ARC Raiders」を例に挙げてグローバルで通用する作品を創出できる実績を示しました。
- パトリック・ソダーランドの主張(抜粋)
- 「これは経営立て直しの話ではありません。当社は2025年度に、過去最高の通期売上収益4,750億円を達成し、通期営業利益は1,240億円、期末時点の現金及び現金同等物は8,000億円超にのぼりました。そして重要なのは、当社が販売やリリース後も、愛着を持つゲームにおいて新たな体験を求める数百万人規模のプレイヤーコミュニティと長期的な関係を築いてきたことです。」
- グローバル展開の証左
- 「『ARC Raiders』は、ネクソンがグローバル市場で通用する作品を創出できることの証明です。」
開発プロセス再設計、コスト管理、AI導入の位置付け
プレゼンテーションでは、開発プロセスの再設計とコスト管理の徹底が経営変革の骨子として示されました。具体的には、意思決定のスピードを保ちながらも開発効率を高めるためのプロセス改編と、予算配分の見直し、運営コストの最適化が挙げられています。
また、ネクソンは数十年にわたるプレイデータやプレイヤーとのインタラクションを蓄積してきた強みを活かし、AIを活用する方針を示しました。ただし、AIはクリエイターを置き換える目的ではなく、クリエイターがコンテキストを踏まえて創造することを支援するツールとして位置付けられています。
- 開発プロセスの再設計:意思決定の迅速化と品質維持の両立
- コスト管理:運用と開発の予算最適化、無駄の削減
- IPポートフォリオ:主力フランチャイズを基盤とした垂直/水平成長戦略の推進
- AIの活用:数十億規模のインタラクションデータを学習させたAIにより、ゲームデザインやライブサービスの意思決定における「コンテキスト」を重視
- イ・ジョンホン(代表取締役社長)の指摘
- 「プレイヤーとのインタラクションを集積した膨大なデータベースは、他社が容易に真似することの出来ないネクソンの競争優位性です。数十億規模のインタラクションデータをAIに学習させ、ゲームデザインからライブサービスに至るまで、あらゆる意思決定において『コンテキスト』を踏まえた判断を可能にしています。当社の手法は、クリエイター人材を置き換えるものではありません。クリエイター人材がコンテキストを踏まえて創造することを可能にするものです。コンテキストを欠いたAIは単なる『スピード』に過ぎず、結果として全てのゲームが似通う流れを招くでしょう。」
主力フランチャイズと新作パイプラインの詳細
ネクソンは既存の主力フランチャイズである『メイプルストーリー』『アラド戦記』『マビノギ』等を基盤に、垂直的な体験の深化と水平的なIP拡張を二軸とするIP成長戦略を2024年に策定しており、本ブリーフィングではその具体例として複数の新作を紹介しました。
以下は発表された開発パイプラインのタイトルと要点です。各タイトルはターゲットプラットフォーム、リリース時期やテスト結果などが明示されています。
| タイトル | 内容 | 対象プラットフォーム | リリース時期/状況 |
|---|---|---|---|
| Dungeon&Fighter: Idle RPG | アラド戦記の世界観を手軽に体験できる新作 | 主にモバイル想定 | 年内リリース予定(2026年内) |
| Dungeon&Fighter Classic | アラド戦記のアクション体験を現代的UXで再構築したリブート | 複数プラットフォーム想定 | リリース予定:2027年 |
| Dungeon&Fighter: ARAD | アラド戦記フランチャイズのグローバル展開を目的とした第2作 | 未公表(グローバル展開を念頭) | 開発中(時期未定) |
| Project OVERKILL | PC及びコンソール向けオンラインアクションRPG。戦闘物理とビジュアルを全面刷新 | PC、コンソール | 開発中。初期テストで高い関心を確認 |
| Vindictus: Defying Fate | マビノギフランチャイズをベースとした最新アクション体験 | PC、コンソール | 開発中(時期未定) |
| NAKWON: LAST PARADISE | 崩壊後の都市が舞台のマルチプレイヤー・サバイバルゲーム | 未公表(マルチプラットフォーム想定) | クローズドアルファテストで同時接続者数37,000人超を記録 |
プレゼンテーションでは、メイプルストーリーについても新作の投入や新たなゲーム体験の提供を通じて、サービス開始から22年経過しても成長が続いている点が強調されました。イ・ジョンホンはこの成功を、アラド戦記をはじめとした他の大型フランチャイズの成長戦略のモデルに位置付けています。
開発パイプラインに関する追加説明
『Dungeon&Fighter: Idle RPG』は年内リリース予定と明記され、手軽さとフランチャイズの世界観を両立させることを狙いとしています。『Dungeon&Fighter Classic』はリブート作として2027年リリース予定であり、原作のアクション性を現代のUXで再構築する点が特長です。
『Project OVERKILL』や『Vindictus: Defying Fate』などのPC・コンソール向けタイトルは、戦闘物理やビジュアル表現の刷新を通じてフランチャイズの幅を拡げる取り組みと説明されました。『NAKWON: LAST PARADISE』のアルファテスト結果(同時接続37,000人超)は、マーケティングを行っていない完全新作として高い注目を集めた点が示されています。
投資家向け情報、企業概要、及び発表内容の要約
キャピタル・マーケット・ブリーフィングのトランスクリプトはネクソンのIRウェブサイトで閲覧可能とされ、アーカイブ動画も後日掲載予定です。また、本プレスリリースは投資判断を勧誘するものではなく、当グループに関する参照情報の提供を目的としている旨が明記されています。
ネクソンは1994年創業、本社は東京都港区です。2011年12月に東京証券取引所第一部に上場し、JPX日経インデックス400、日経株価指数300、日経平均株価225の構成銘柄にも採用されています。現在は代表作『メイプルストーリー』『マビノギ』『アラド戦記』を含む40を超えるゲームを、190を超える国と地域でPC、コンソール及びモバイル向けに提供しています。
- 公式サイト
- https://www.nexon.co.jp/
- 注記
- プレスリリースは投資勧誘を目的としたものではありません。
今回の発表で明示された主要なポイント
主なポイントは以下の通り整理できます。
- 2025年度の業績数値:売上収益4,750億円、営業利益1,240億円、期末現金等8,000億円超。
- 開発プロセスの再設計とコスト管理の徹底により、効率的な投下資源運用を目指す方針。
- AI活用はコンテキストを重視した意思決定支援として導入し、クリエイターの創造を支える役割とする。
- 主力フランチャイズを基盤とした垂直・水平のIP成長戦略を推進する。
- 具体的な新作パイプラインとして、年内リリース予定の『Dungeon&Fighter: Idle RPG』や2027年予定の『Dungeon&Fighter Classic』、および複数のPC/コンソール向けタイトルが開発中であること。
最後に、本記事で取り上げた発表内容を表にまとめ、要点を再確認します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表イベント | キャピタル・マーケット・ブリーフィング(2026年3月31日発表) |
| 主な登壇者 | パトリック・ソダーランド(会長)、李 政憲(代表取締役社長)、植村士朗(代表取締役CFO) |
| 2025年度業績(主要数値) | 通期売上収益:4,750億円、通期営業利益:1,240億円、期末現金等:8,000億円超 |
| 経営変革の主要施策 | 開発プロセス再設計、コスト管理徹底、IPポートフォリオ強化、グローバル展開加速、AI導入(コンテキスト重視) |
| 主要新作パイプライン | Dungeon&Fighter: Idle RPG(年内)、Dungeon&Fighter Classic(2027)、Dungeon&Fighter: ARAD、Project OVERKILL、Vindictus: Defying Fate、NAKWON: LAST PARADISE(クローズドアルファで同時接続37,000人超) |
| IR情報 | トランスクリプトとアーカイブ動画はネクソンIRウェブサイトに掲載予定。公式サイト:https://www.nexon.co.jp/ |
| 会社概要(抜粋) | 創業:1994年、本社:東京都港区、上場:2011年12月(東京証券取引所)、提供ゲーム数:40以上、提供地域:190超 |
上表は本ブリーフィングで示された主要情報を整理したものであり、発表内容の要点を短くまとめています。詳細なトランスクリプトや動画はネクソンのIRページで確認できます。本稿はプレスリリースの内容を報告するものであり、投資勧誘を目的とするものではありません。